元勇者様の宅配便 2
グレーテさんと話し合った結果、僕達がグレーテさんの父であるメイヴィスさんに、物資を届けるのは明日に決まった。
今、僕達は物資を積んだ馬車を確認していた。
馬車はエイシャールの街に置いた、メイヴィスさん達の拠点に置いてある。
その拠点は少し大きめの民家だ。
明日の物資運送なんだけど護衛は何人か雇ってあるようだ。
護衛がいるのに僕達を雇った理由は、突然物資の追加が必要になったため。
突然のことで護衛の人数が足りなかったからだと聞いた。
洞窟に住むランダーを倒す必要もあったので、ついでに護衛もというわけだ。
運ぶ物資の量は馬車3台分。
馬車2台分はアイテムBOXに入れて、残りを馬車に入れて運ぶくらいがよさそうだ。
馬車を軽くすれば移動速度も上がって危険も減るしね。
「馬車2台分ならアイテムBOXに入ると思います」
「えっ?」
「?」
「ユウは常識を捨てていますから……」
クルスが失礼な事を言った気がする。
グレーテさんが驚いていたのは僕のアイテムBOXの許容量。
馬車が入るアイテムBOXの馬鹿みたいな許容量は珍しい。
アイテムBOXの許容量は、スキルレベルに比例していた……ゲームの世界では。
こちらの世界でも僕のアイテムBOX許容量を考えると、スキルレベルが影響しているのだと思う。
でも限界もあって馬車5台分が、どこでも取り出せるアイテムBOXの限界。
色々と入っているし魔物を討伐しながら物資を運ぶだろう。
だから素材を入れるスペースが欲しかった。
アイテムBOXには私物も色々と入っているし、馬車2台分が限界だと思う。
「それと依頼の最中は僕の馬車を預かって頂けませんか?」
「はい。ユウ様の馬車はどちらに」
「今、取り出します」
僕はアイテムBOXから馬車を取り出す。
僕が馬車を置くことを許可された場所に、手を向けて呼びだした。
馬車を入れたままだと、容量を喰うから今回は置いていくことにしたする。
「…………」
「まあ、気持ちは分かります……」
クルスは驚いているグレーテさんを慰めていた。
ちなみにアイテムBOXでの物資輸送については、護衛の方にクルスとグレーテさんで話して了承を得た。
この後、僕達は各部屋に案内された。
案内された部屋でトワであることを話すのは今日の夜にしよう。
僕は、そう覚悟を決めた。




