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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
第二章-B 元勇者様に迫る影
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元勇者様の不純異性交遊疑惑

前回の続きです

木製のテーブルと向き合ってティナがいる。


ああ、ティナは今日もキレイだな~~


そんなティナに僕は問い詰められている…義弟として。


「ユウ君も年頃だから女の子に興味を持つのは仕方ないと思うの」


「う、うん…」


「でもね」


「…」



バンッ



「たくさんの女の子とお付き合いするのは絶対にダメ!」


「っ」



真剣な目でティナが机を叩き僕に言った。

複数の女性と付き合っていると…本気で思われている…


これは誤解を解かないとマズイ!


「ユウも悪気があったわけじゃあ…」


「クルスさんは黙っていて!」


「ハイッ!」


「あなたがユウ君と仲が良くても、これは義姉弟きょうだいの話です!」


「ハイッ」


クルスは必死に首を上下している。

なんか、クルス君が凄くムカつくんですけど。


先日クルスとヴェルタが店に来たって聞いたよ?

絶対に君は首謀者の側だよね。



でも今はクルスのことは後回しにしよう。

女にだらしないというレッテルが、ティナの中で確定するのを防ぐのが最優先だ。


「僕は付き合っている女性はいない!」


「ユ、ユウ君。それって全員が遊びっていう事なの…」


「ち、ちが…」


「ユウ!証拠はあがっているんだぞ!!」


ヴェルタ…お仕置きが足りなかったか?


「証言も何も付き合って…」


「ユウ君…お姉ちゃんは悲しいよ…」


このタイミングでお姉ちゃんって、完全に僕を異性として見ていないよね。


僕が悲しいよ。


「ユウ!集めた証拠を見せられても同じことを言えるのか?」


「だから、付き合っていな…」


「…ユウ君……」


ティナが消え入りそうな声を出して僕を見つめている。

冤罪なのに何で罪悪感がこんなにあるんだろう?


「とりあえず、証拠を見ろ」


「…」


どうやら証拠とやらを確かめざるえないようだ。


「リーザ頼む!」


「…うむ」


リーザを選んだ時点で確信したぞ!

ヴェルタとクルスは僕をいたぶる気だ!!


「この人選は悪意しかないだろ!」


「ユウ君!人の話を聞きなさい!!」


「…ハイ」


もう聞くしかないようだ…この偽証を…

このあとは予想通り、証言と称した集められた偽証が述べられていく。


と、いうか本当に偽証しかないんだけど…クランの情報収集能力は大丈夫なのか?



~2時間後~


2時間の間、偽証をひたすら述べられた。

もはや偽証ではなく洗脳レベルの気がする。


「…ユウ」


「なんだ…」


リーザが話しかけてきたが、僕はかなり機嫌が悪く乱暴な言葉で返した。


「ユウ君。女の子には優しくしないといけないよ…」


「そう…だね…」


ティナも相当疲れているような口調だ。


「…ユウ」


「なに…」


「…この茶番、飽きた」


「そう…」


ツッコミどころのある発言だったが、疲れすぎてツッ込む気にはなれなかった。

僕だけでなく、この場にいた全ての人間が疲れ果てていた。


「ユウ君…ごめんなさい。ユウ君は何もしていなかったみたい…」


あからさまな偽証が続いてティナも気付いたようだ。

ティナが洗脳されなくてよかった。


あとは…


「クルス…何か言うことはあるか?」


「すまなかった」


「そう…」


もう怒る気もなかった。


「ヴェルタ…」


「なんだ…」


「気は済んだ?…」


「ああ…」


「そう…」


こちらにも怒る気は無かった。

本気で疲れた。


「ヴェルタ…」


「ああ…」


「撒いた種は、しっかりと刈り取っておいてね」


「わかった…」


『『『もう帰りたい』』』


僕達の想いが一つとなったのは気のせいではないだろう。


その後、死んだ目をした集団がクラン内を歩き帰っていくことになる。

その集団が放つ異様な雰囲気にクラン内にいた誰もが怯えていた。


………

……


「ユウ君、今日は本当にゴメンなさい」


「もういいから」


ティナは、この日の夜に謝ってきた。

ティナは今日のことを気にしているようだ。


僕としてはティナの誤解が解けたからもういいんだけど。


「今日のご飯は…」


「ティナ!」


「えっ?」


「ご飯の量は普通でいいから!」


「で、でも」


「最近、少し太っちゃってね」


「そうだったんだ~」


「残念だけど、僕の分は残…イシュルテにあげてもらえるかな?」


「うん。わかった」



危なかった…

ティナの人外の量の料理が、更にパワーアップする所だった。


その日、残念女神は、いつも以上の大盛り料理に目を輝かせていた。

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