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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
第二章 街はずれの錬金術師は元勇者様2
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元勇者様とリーザの杖

錬金術師ユウ・ヒウラの講義


この世界の魔法には基本となる3段階が存在する。


基本となる3段階とは…

魔力を練る、術式を込める、発動させる。


魔力を練るというのは、自分の魔力に属性を付与させること。

→人間の魔力は本来、無属性なので使用する魔法に適した魔力に変化させる。

術式を込めるというのは練った魔力にプログラムを入力すると考えると良い。

→使う魔法の形状であったり進むスピードなどをこの段階で決める。

発動させるは文字通り魔法を使うことをさす。


魔法使いにとっての杖はこれらを補助するのが役割の一つ。

更に、使える魔法の限界を決めるというものがある。


どれほど凄い魔法使いでも杖のレベルが低いと初心者レベルの魔法しか使えない。

逆にレベルの低い魔法使いがレベルの高い杖を持つのも危険。

魔力が根こそぎ吸い尽くされて命に関わることもあるからだ。


だから杖の作成依頼を受けた場合には依頼者の力量を見極める必要があるんだ。



「リーザなら、この杖が良いと思う」


「…うん?」


リーザは僕が差し出した赤い杖を、手に持って確かめている。

天にかざしたり、光の反射を確かめたり…


デザインを確かめているだけじゃないのか?


「リーザ…」


「…うん?」


「デザインだけでなくて、実用性を確かめようね」


「…うん」


さっきから「うん」しか言っていないけど、何故か会話が成立している…

僕はリーザに慣れ過ぎているんじゃないか?


「じゃあ、魔力を通してみよう」


「…うん」


リーザは目を瞑り杖に意識を集中しているようだ。


そして…


「…おおぉー」


物凄く目を見開いて驚いている…わざとらしいなぁ


「ツっ込まないよ」


「…チェッ」


やっぱり期待していたのか。


「使ってみた感想はどう?」


「…ユウが冷たかった」


「杖の感想をリクエストしたい」


「…魔力を完全に受け止めた」


リーザの使っていた杖は、僕が昔作った初心者用の杖だ。

リーザの実力は高くなっていたけど杖のレベルが低くて能力を発揮できずにいた。

でも、ズボラなリーザはずっと杖の買い替えをしてこなかった。


「…ユウ、燃やすよ」


「ごめん」


心の悪口が聞こえたようだ。

杖に慣れていないうちは火力調整ができないから燃やさないで欲しい…本当に。


そう言えば…


「なあ、リーザ」


「…うん?」


「渡した指輪は、どんな感じになっている?」


「…婚約指輪のこと?」


「そんな物、渡していないから!」


「…捨てられた(ノДT)」


「本当に、その冗談やめて。聞かれたら本気で泣くよ」

(特にティナに聞かれたら)


「…残念」


「僕が言っているのは魔法練度の指輪のこと」


魔法練度の指輪は、練った魔力により宝石の色が変わる指輪。

そして魔力を練るのをやめると透明な色に戻る。


リーザは右手の人差指に、いつも着けており常に赤い色だ。

ちなみに赤い色は火属性。


「…一日中、赤い色。でも眠っているときは分からない」


「一日中ずっと赤って凄すぎるよ!」


一日中、赤い色…

すなわち一日中、火属性の魔力を練り続けているということ。


僕が一緒に冒険した時に見た限り食事中とかでも赤かった。

無意識に練っているのかもしれない。


通常の魔法使いは魔法を使用する直前だけ色が変わる程度だ。

だからリーザの魔力を練る能力は人外に達している可能性がある。


ちなみに魔力を練る能力は魔法の威力にも影響を与える…

慣れない杖に人外の魔力を練る能力ってヤバすぎないか?


………

……


「リーザ…」


「…うん?」


「杖に慣れるまで、怒っても人を燃やさないようにしようね」


「…なぜ?」


「人が灰になるから」


「…残念」


特に僕の身が危険だと思う。

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