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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
真章1 元勇者様と死者の村
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元勇者様と死者の村 6

僕達とドヴェルマンの戦いは続いていた。

クルスはリーザと連携し魔法攻撃の直後に槍で突きに行く。


避けられたり防がれたりしたときはダイクが斬り込み、クルスをフォローしている。

ミアとパトラは後方で身を守らせながら教会の外に集まる死霊を警戒させている。

リーザが結界を張ったとはいえ教会の外には死霊が集まってきていた。


(ジリ貧か…)


リーザの結界が破れれば、一気に死霊が流れ込んでくるだろう。

少しずつコチラが追い詰められつつあるようだ。


と、クルスの攻撃がかすりドヴェルマンが怯む。

その瞬間を見逃さず僕は聖剣術を放った。


しかしドヴェルマンは僕を警戒しており当たってはくれない。


「そらっ」


ドヴェルマンは攻撃でできた僕の隙を狙い黒い魔力の塊を放ってきた。

僕は魔力を避けて相手の懐に飛び込む。


そして長刀を振りかぶり振ると見せかけて右手で光魔法の矢を放った。


「小賢しい」


ドヴェルマンは僕の光魔法を右手で握りつぶし、そのまま右手で殴りかかってくる。

僕が拳を避けるとドヴェルマンの拳が地面に突き刺さる。


そして教会の石造りの床から黒い光が溢れ床を砕いた。

…が、ドヴェルマンは大きな攻撃をしたため隙ができている。


隙を狙い再び聖剣術を放つ。


(聖剣術 列光)


地面から噴き出る光がドヴェルマンを襲う。

その光はドヴェルマンが張った結界により防がれた。


…うん?…


なぜドヴェルマンは避けた方が簡単に対処できた今の攻撃を防いだんだ?

ヤツの行動に違和感を感じた僕は意識を研ぎ澄ませて周囲を探る。


(そういうことか。)


ヤツが結界を張った理由は魔力の流れで理解できた。


ヤツは最初に祭壇の前にいた。

ヤツは僕の聖剣術を避けずに結界で防いだ。

そして村の魔力はアレを通って流れている。


ドヴェルマンはアレを守りながら戦っていたんだ!

村中の魔力の流れを作っているアレを。


そして、アレこそが…



僕は長刀と魔法で激しく攻撃を仕掛けてドヴェルマンを祭壇の前にまで誘導させる。


「リーザ!」


僕の声に合わせ再びリーザとクルスが連携により攻撃しダイクが追い打ちをかける。

リーザ達が攻撃をしている間に僕は風魔法を使い大きく飛び上がった。


ダイクの攻撃が結界により弾かれたとき。

僕はドヴェルマンの頭上から自分が落下する勢いを利用した聖剣術を放つ。


(聖剣術 天翔てんしょう


しかし、この頭上からの攻撃はドヴェルマンの結界に阻まれた。

次いでドヴェルマンは右手を突き出し魔法を放とうとする。


その瞬間、僕は再び風魔法を使い体勢を変えた。

ドヴェルマンの魔法を利用して更に高く飛び上がれる体勢に…


僕が目指す場所は一つ…


風魔法だけでは届かない高さにある場所。



ドヴェルマンが魔法を放つ。

僕はドヴェルマンの魔法を受け止めて高く吹き飛ばされる。


「ユウ!」


誰かが僕の名前を呼んだ気がしたが問題はない。

これが目的だったのだから…


ドヴェルマンの魔法の威力に僕は風魔法を組み合わせて上へと高く飛び上がった。


地魔法は物理的ダメージを生みだせる魔法。

だから目の前のソレを壊し目的の物を無傷で取り出すのに最も相応しい魔法だ。


(…地よ)


僕は右手をソレに向けて地魔法を放つ。

地魔法により教会で最初に見た十字架は僕の手により粉砕された。



僕が十字架を砕くと中から黒い光を放つ石が表れた。

僕は手を伸ばしながら目を見開いていた。


(デモンズ・ハート)


これは僕の役目の一つである『竜の魂』を作成するのに必要な素材。

どんなに探し求めても見つけることの出来なかった素材の一つ。


僕は強くデモンズ・ハートを握りしめた。

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