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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
真章1 元勇者様と死者の村
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元勇者様と死者の村 5

この村にいるのは全て幽体系の魔物たちばかりだ。

幽体系の魔物は人の思念に魔力が集まり生まれる。


その思念は魔物化により大きく歪んでしまう。

そして歪みは生者への妬みや嫉妬となり自分の側に引きこもうとする。


~死者の街にて~


僕達は死者が支配する村を走り抜けていた。

厄介な事に邪魔をする魔物があらゆる場所から現れる。


街を彷徨う者に僕は光の魔法を放つ。

住居の影から現れた者にリーザは火魔法を打ち込む。

後ろから追ってきた魔物をクルスは魔力を纏わせた槍で突く。


彼らが元は人であっても、妬みや嫉妬に付き合うなどバカバカしい。

害をなす相手に同情の余地はない。


そして僕達は村の中心部にある、会に辿り着いた。

僕達は教会の扉の罠を避けるため光魔法で吹き飛ばし教会に入る。

そして扉のあった位置にミアが結界を張り追手を防いだ。


………

……


僕達が教会に入り目にしたのは、巨大な十字架だった。

そして十字架から視線を下げると祭壇がある。


祭壇の前には黒いローブを着た人物がコチラに背を向けて立っていた。

ローブを着た人物はコチラに気付いたようだ。

ゆっくりと僕達の方に振りかえる。


コチラを振りかえりローブを着た人物の顔が見えた。

その顔は灰色のミイラと形容するべき生者とかけ離れた容姿だ。

僕は目の前の人物がリッチだと確信した。


ミアは「ヒッ」と息を詰まらせる。

死霊系の魔物に免疫がないと、あの顔キツイだろう。


でも他のメンバーは怯むことなく戦いの準備を始めていた。


クルスは槍を構えてリーザの魔法に合わせようとしている。

ミアも既に気を取り直し槍を構えて槍の先をリッチに向けている。

パトラはミアの援護ができるように構えている。

ダイクは剣を構えて他のメンバーの動きをサポートしようとしている。

僕は対アンデット用の剣術聖剣術を繰り出すため長刀に魔力を纏わせていた。



こちらを一瞥してリッチは語り始める。


「ようこそ、未来の同胞諸君。ワタシの名前はドヴェルマン。君たちの主となる偉大なる魔人」


僕達は動かず相手の出方をうかがっている。

神気を使うのは結界を傷つけかねないので僕は通常の刀術で戦う。

いつもと違う戦いを強いられ、いつも以上に僕は意識を研ぎ澄ませている。


「さっそくで悪いが…」


(来る!)


全員が一斉に動き始めた。


「同胞になってもらおう!」


ドヴェルマンは自らの言葉が終わると同時に黒い魔法の矢を放つ。

ミアに飛んで行った黒い矢をパトラが槍ではじくと矢は霧散した。


ドヴェルマンの左前方からリーザが火炎魔法を放つも避けられる。

が、避けて態勢を崩しかけたドヴェルマンに襲いかかる2つの影があった。


クルスとダイクだ。

クルスは槍を突き出し、ダイクは剣を構え飛びかかっていく。


「フンッ」


ドヴェルマンが手を前に突き出すと、囲むように黒い結界が生じる。

クルスとダイクは攻撃を阻まれ弾き飛ばされてしまう。


「ウォォォー」


ドヴェルマンの叫びと共に生じていた黒い結界の色は、更に濃い物へと変わる。

そして動く壁となり僕達に押し寄せてきた。


(聖剣術 列光)


僕は長刀を頭上から降り下ろす。

ドヴェルマンに向かい光が地面から噴き出ながら突き進む。

黒い壁を砕きドヴェルマンに吹き出る光が届く!


「グワァ」


派手な声をあげた割にはドヴェルマンのローブが擦り切れた程度だった。



今の攻撃、少しは自信があったんだけどな…

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