元勇者様と死者の村 3
僕達は村に入らざる得なかった。
悲鳴を上げ始めた馬車は乗り続けるには危険すぎたからだ。
村に入ると結界が張られている。
外の様子を確かめると…
(この村は異空間にあるのか?)
結界を壊すと村ごと異空間に放り出されかねないようだ。
(それに…)
結界をへの影響を考えると高威力の魔法を使うのはマズイかもしれない。
強力な魔法は村に満ちた死者の魔力に、どんな影響を与えるかわからない。
だから極大魔法は尚のこと使えないだろう。
(強い魔法は危険か)
僕達は民家の中に隠れることにする。
そして魔物の目をごまかすため、結界石を僕は使った。
結界石は魔物の目をごまかせるうえ魔物の侵入も防げる便利なアイテム。
(高級品なんだけどな~)
少し涙ぐみながら僕が結界石を使うと一面に暖かい光が満ちた。
~~
「すまん。巻き込んでしまった!」
「すみません」
「申し訳ありません」
ダイク、ミア、パトラの3人が僕達に謝っている。
今回の原因は彼らが所持していた赤い宝石だった。
その宝石はミア達の実習で倒した魔物が持っていたものらしい。
おそらく冒険者を村に誘い込む餌だったのだろう。
死者達に操られた魔物に位置を特定できる魔法をかけた宝石を持たせる。
そして人里離れた場所にモンスターを置いておく。
冒険者などに倒され宝石は戦利品となる。
戦利品となった宝石を目印に自分たちの力が強くなる夕暮れ時以降に襲う。
途中で捕まえられるのなら、その場で仲間にする。
もし逃げられる強者ならば自分たちの用意した村で襲う。
と、いったところか。
うん?この手口は聞いたことがある。
「…敵のボスはリッチかもしれない」
リーザが僕よりも早くに口を開いた。
リッチというのは高位の魔法使いが自らを魔物化して生まれる。
リッチになれる人間は生前でも強い魔力を持つ。
だがリッチとなることで一層、魔力が強くなるから厄介な魔物だ。
更に今回の場合は…
「…魔王の部下だったのに似たのがいる」
そう、宝石を使った手口は魔王の部下だったリッチが行っていた方法だ。
「聖騎士に倒されたと聞いたけど倒し切れていなかったのかもしれない」
僕が口をはさむとリーザが不機嫌そうに睨んできた。
今は相手にしている暇はないからね…
「少なくても手口を真似るか考えつく知恵はある敵といえる」
僕達は強敵の影を掴みつつあった。




