元勇者様の冒険者生活
冒険者ユウ・ヒウラの講義
この世界の冒険者という職業は仕事の幅が広い。
危険度の高い仕事としては魔物討伐や迷宮に潜るなどがある。
しかし危険度が低い仕事も存在する。
例えば…
旅をしながら立ち寄った街の事を本にする人がいる。
料理や文化を調べて貴族たちに情報を売る人がいる
身近なところでは行商人も冒険者と呼ばれることがある。
そんな中、僕がメインで行っている冒険者の仕事はモンスター退治だ。
~~
今、僕はクルスとリーザと共に、ある平原にやってきている。
「ユウ、援護を!」
僕は黒い狼に向かい雷を打ち込む。
雷は矢のような形をとりに狼に向かい狼を感電させた。
「ギャウッ」
雷にひるみ鳴き声を上げる狼にクルスが槍を構え一気に駆け寄り止めを刺す。
「リーザッ!」
リーザの方へと向かっていた別の狼を、僕は刀で斬った。
「…ご苦労」
リーザからの目上視線での礼に僕は苦笑した。
近くにいた狼を倒した僕達は、一度集まり陣形を整えることにした。
僕とクルスがリーザの前で武器を構えている。
そしてリーザは魔法をいつでも打てるように杖を敵に前に向けている状態だ。
「多いな…」
クルスは黒い狼の群れが報告よりも多かったことに不満を持っているようだった。
群れる魔物の数が多いことは少なくないが今回は報告よりも多すぎた。
僕達は冒険者ギルドで、今回の仕事を引き受けた。
仕事内容は黒い狼の姿をした魔物、『ブイエル』の群れを倒すこと。
2人は報酬目当て、僕は素材集めが目的だ。
群れは7匹のはずだったけど僕達が遭遇したのは23匹の群れだった。
「今、何匹倒したっけ?」
僕はクルスに尋ねる。
「あ~、俺が6で、リーザが4、お前が1だと思った」
「じゃあ、今度は僕が前線に出る」
「…足を引っ張るなよ(-_☆)」
軽口を叩いた所で、もう一踏ん張りすることにした。
………
……
…
「結構、時間がかかったな」
「…ギルドに文句を言わないと」
辺り一面に広がった狼の血を見ながらクルスとリーザはつぶやく。
血の海には狼たちが、あちこちで倒れている。
そんな血の海の中で僕は狼をアイテムBOX内に回収中だ。
一通り回収した狼を、僕は『解体魔法』を使い解体しようとすると…
「…見学する」
リーザがやってきた。
僕はアイテムBOXに入れた全ての狼の死体を対象に『解体魔法』を使う。
魔物の死体は解体魔法によって魔核石や討伐証明部位などに分解される。
「…便利」
リーザは解体魔法が羨ましいらしく今は勉強中だ。
だから僕が解体魔法を使う時、大概は近くで見ている。
で、解体した魔物なんだけど冒険者ギルドに持っていくことが多い。
でも僕の方で必要な素材があれば、僕が買い取ることも多い。
「ところで…」
クルスに気になっていることを尋ねる。
「あれって、知り合い?」
「いや、俺の知り合いではない」
リーザは目を細めて、僕の視線の先を見ている。
「…あっ」
「知り合いか?」
リーザの知り合いのようだ。
友達がいたんだ…
「ぅをっ」
「………」
無言で僕に放ったリーザの火球を僕は変な声を出しながら避けた。
リーザは心の声を絶対に読んでいると思う…
「で、誰なんだ?」
「…学校の後輩」
リーザの蒼い瞳には男性2人に女性1人のパーティーが映っていた。




