第十二話 考えと予言者
またもや新キャラが…
「……どうなんだよ。」
「……今やってますから…」
なんだかんだで気絶した(というかさせた←)ユウサリを無理矢理叩き起こして書庫にて本で情報収集中。
「俺が行った世界の…あの街についての本とか…ねえのか?」
「あるはずですよ…多分。」
…多分て。逆にこの本の海と言っても過言じゃないくらいの書庫というより大図書館すら超えるこの場所でそれはないだろ!←
しかも…様々な世界の本という本が納められているこの場所でないのはおかしいだろーが!
「確かこの辺りに…あ、ありましたよ」
「おお。マジか!」
ほらな。ちゃんとあったじゃないか←
ユウサリが手にしていたのは伝説やその地域のおとぎ話をまとめた本だ。…まあ、ありきたりだよな。
…ただ、俺が聞いた話よりは削られていたりするかもしれないが…読むのはユウサリだ。
輪廻を統べる…それとはまた別のユウサリの能力。それが"リーディア"という力だ。
…創造主やミネル、ネファルも持っているらしいが…今近くにいるのがこいつだから仕方ない。←
"リーディア"の能力は本とかに記述されている事だけでなく、それより更に深い部分を読み解くらしい。しかもそれを瞬時に。著者の考えやどのように思いながら書いたのかも読み解けるとか。あとは…言語が世界や国で違うことがあるがそれを気にせず読めるとかいってたな。
…俺には到底できんな←
「…どうだ?何かわかったか?」
「そうですね…」
顎に手あて、少し唸るユウサリ。
「…戒め、微かに野望と私欲…」
「戒めに野ぼ……は?」
野望に私欲?どういうこっちゃ。←
「…はぁ!?なんで野望とか私欲が読み取れるんだよっ!?」
「うわっ!叩かないでくださいよ…!本当にそう読み取れたんですから…」
ユウサリに飛び掛かり軽く叩く。…ホントに軽くだぞ?←
「そもそも…野望なんて…リヒトとなんの関係があんだよ!?」
「時雨…」
野望や私欲なんて…よりによってリヒトの"祖体"が…
まさかとは思うが…わざと狙ったのか?
そう考えれば…無理矢理永遠の命を与えたり、声を奪ったりしたのは何か理由があるとなる。
だが…リヒトにしたことを考えれば、余程強い魔力の持ち主となるだろう。
つまり……人間離れしたヤツがやったことになる。
「……大丈夫ですか?時雨」
心配そうにユウサリが俺の顔を覗き込んできた。
「いや…ちょっと外の空気でも吸ってくるわ。」
そう言って俺は屋敷から出た。
…その出た先に見覚えのあるヤツが何故かいた。
「久しぶりね。貴女が彼の所にいるなんて珍しいこともあるのね」
水色の裾と襟が長いふわりとした衣を纏った少女が俺を見つめてくる。…俺は思わず溜め息をついた。
「神出鬼没だな…ネファル。」
俺がそう言うと少女…ネファルはクスッと笑った。
「あら、貴女は昔はよく此処に来ていたじゃない。それも…しょっちゅう。」
「やーめーろーよ。そんなの…500年以上も前の話だろ。」
…ホント、あの時は平和だったよ。アイツがまだ…人の街に出る前だったし。
「ていうか、なんでここにいるんだ?」
基本、ネファルは神精霊界にある"天星ノ神殿"から神託や予言を得るの儀式とかのために外には出ないはずじゃ…
俺が考えていたことわかったのかネファルは頷くと話し始めた。
「……憎悪の魔女の封印が解かれかかっているのよ。」
「憎悪の魔女……?」
俺がそう言うととネファルは軽く頷いた。
「白光の魔女・ヘクセン=パルミラの恐怖、憎悪といった負の感情が象作った存在……それが憎悪の魔女"ヘクセン=アンウィッチ"…彼女の存在は精霊や神々を脅かすとされた。その為に創造主は"ヘクセン=アンウィッチ"を封印したのだけど…」
「……創造主は今、深い眠りに入っているから…その封印が解かれかかっているっつー訳か。」
「ええ。」
…憎悪とかの負の感情、ねぇ…。それが魔力と化してしまえば…かなり危険だな。
「私達"六芒星の賢者"も封印が解けないように術や儀式をしているけど…あまり効いてないのよ。まさかとは思うけど…何者かが彼女に力を送っている可能性があるかもしれないの。」
「何者かが、ねぇ…そいつもかなり厄介そうだな。」
「ええ。一応…貴女も気を付けた方がいいかと。」
「そりゃどーも。」
俺がそう言うとふっとネファルが笑った。
「…なんだよ」
「ううん。相変わらずだなぁって思っただけ」
「?」
なんかよくわからんな…まあいいか。←
「じゃ、一度屋敷に戻るよ。」
「わかったわ。」
踵を返してネファルは屋敷から離れていくのを見送ってから俺は屋敷に戻った。




