いつもの朝はこうして始まる
次の朝になった
昨日は始めてのアバターリンクだったけど昨日だけでもだいぶ上達した気がする
ウイルス駆除の性能をあげるこのシステムは
俺にはゲームにしか思えなかった
実際ゲームなんだけど。
水田さんはこのシステムをどう思っているのだろうか
TSでの水田さんの顔はいつもより明るく見えたけど、俺みたいにゲーム感覚で楽しんでいるのだろうか
まあそんなことを考えてもしょうがないので
、とりあえず顔を洗うためにベッドから出て洗面所へと向かった
洗面所に着くと早速水を出して顔を洗う
この冷たい水は朝の眠気を吹き飛ばしくれる
とても清々しい朝の目覚めになった
タオルで顔を拭いた後、キッチンへ向かう。
「モコモコキッチーン!」
冷蔵庫から昨日の朝食の残りのご飯と、特売日にスーパーで買った生卵2000円分特売パックの内の一つを取り、ご飯の上に生卵をのせ、かき混ぜ、そして食べる。
時間がない朝はこうして卵かけご飯を食べるのだ
もちろん醤油をかけるのも忘れない
食べ終わった後、制服に着替えて、学校へ向かおうとしたが靴を履いたとき足に違和感が…
「あ…う○こ拭きとるの忘れてたああああ」
俺は少しパニックになったがもう一度靴裏を見た。
「はあ、仕方ない。急いで洗うか」
バケツとたわしを取り出し冷静になるよう努めた
バケツに水をくみ、たわしに水をつけ、ごしごしと靴裏をこする。
しばらくするとにおいも汚れも随分とれた。
においは微かに残っているが。
そして靴を履き家を出て学校へ向かう。
濡れた靴裏が足跡を作り出す
学校に近づいてくると、その足跡は自分の後ろにはなかった
校門を通り過ぎようとすると声をかけられる。
「おっはよー千斗!」
今日も元気で笑顔な百々子。
少しドキリとしたがそれはおいといて、俺も百々子に朝の挨拶をした。
「おはよー百々子。昨日のあれ痛かったんだぞ」
「あれって?」
どうやら百々子は覚えていないようだ。
「昨日俺の背中叩きまくってただろ!風呂のときしみて痛かったんだからな!」
俺は少しの怒りと呆れを混ぜた感じ言った。
「ごめんごめん〜でもそんなに強くしてないでしょ。」
「強かったよ!おかしいよあんなの!百々子は馬鹿ぢかっ…」
馬鹿力と言いたかった俺だが、途中で百々子が
感づいたのか、俺の両耳を掴んで引っ張り出した
「誰が馬鹿力ですって?言ってみ?ほら言ってみ?」
「やめてやめて!ほんと痛いから!ちょっ!あっそこはだめぇぇぇーー」
俺は変な言葉が出ていた
周りの人はこのやり取りを平然と見ていた。
俺が百々子を怒らせてしまったときはいつも
こうなる。
他の人は一度も止めてくれたことはなかった。
これはお決まりのことらしい。
しばらくすると飽きたのか百々子は俺の
耳を離してくれた。
「まったく。千斗は人を怒らせるのが上手ね」
「そんなつもりはないんだけど。あはは…あはははは…」
と言いつつ引きつった笑いになっていた。
「まあいいや。時間ないから早く行こ!教室入る前にチャイム鳴っちゃうよー」
百々子にそう言われたので俺は小走りで
教室まで向かった