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晴日にはもう何が何やら分からない。
「ちょっと、一ヶ月で倍になるって悪徳商法なんじゃないのそれ!」
「破格の特別金利だよ。そのドラゴンを素材にして売ったら少し手間はかかるけど、180万ドラン近くが手に入る。それを元手に他のものを仕入れれば、一ヶ月に何倍にもその100万ドランは膨らむんだよ。そのチャンスを逃して、君に特別金利で貸してあげる僕は、本当に素晴らしい商人だよね。自画自賛しちゃうよゲショショショショ」
「なんか納得出来ないけど、もうそうするしかこの子を助ける道は無いのよね?」
「うん、そうだよ。君以外の誰にもソレの所有権を譲るつもりは無いからねぇ」
ブルタルは舐るような目で晴日を見た後に、ゆっくりと周囲の人垣を威嚇するように、高慢な目つきで見渡す。相当な街の権力者なのか、周囲の生垣からこの非道を避難する声が全く上がらない。
「分かったわ・・・」
「何が分かったのかな?」
「買うわよ。あなたから、お金を借りてこの子を買う」
「借りて?人からお金を借りるのに随分高慢な物言いだね。どうしようかなぁ~気分ちょっと変わってきちゃうかもだなぁ~」
晴日の顔が蒼白になる。握った拳の爪が肉に食い込む、その痛みがどうにか自分の暴走を抑えて売れているようだ。
「・・・ください」
「え?なになに?」
「貸して下さい。」
「ん?何を?誰に?」
「私にこのドラゴンを救うために、ブルタルさんのお金を100万ドラン貸付けしてください。よろしくお願いします!!」
街中に響きたる大音声で晴日は叫んだ。
身体の下のドラゴンの体温がだんだんと、ひんやりとしてきた。
その体温が自分の怒りを鎮めてもくれている。
生きて・・・死なないで・・・
何度も何度も心のなかで祈る。
「いいよ。その代わり、もし200万が返せなかった場合は、君自信が担保になるんだよ。この魔術がかかった契約書に、それを誓うんだ。」
懐から紫の光に包まれた丸まった用紙を出しながらブルタルは言った。
「なっ!私が!?」
「だって、そうだろ、なんの保証もなく、僕も今日初めて会った君に100万ドランなんて大金を貸せないよ。君が美しく、きっと僕の所有欲も、飽きたら売ったとしても、良いビジネスになるだろうから、君に大金を貸すんだよ。そのぐらいの理屈は分かって欲しいな。」
「どうすればいいのよ?」
「君が本当に、ソレを助ける為に、その身を担保にするつもりなら、この契約書にサインすればオッケーだよ。ちなみに、この契約書、特別な魔術がかかっているから、契約を破ろうとすれば、たとえそれが魔術に守られた結界の中だろうと、君の魂と、僕の魂との契約において、契約の履行が確認されなければ、強制的に履行されるようになっている。魂の契約とは、かなりの大魔導師でも解約は出来ないものだよ。どうだい。そんな契約書に君はサイン出来るかな?」
こうやって話している間にも、身体の下のドラゴンの体温はどんどんと冷たくなっていく。
「書くわ。早く寄越しなさい。」
「では、美しき娘よ。私と魂の契りをゲショショショ」
ブルタルはそう言いながら、契約書にサインをした。
脂ぎったぼってりした手から、不気味に輝く契約書とペンを受けとると
ザッと目を通した。
「魔導金銭消費貸借契約書」なる題名の後に、賃貸うんぬん、乙がその身をもって甲をうんぬんと、だいたいブルタルがさっき言ったような条項が、羅列された文のずっと下の枠の中に、ブルタルの文字がある。
「ダンデック・ブルタル」
ブルタルの名前の横に空欄があり、そこにサインを書き込む。
サラサラサラ
「高田 晴日」
クォォォォ
紫の輝きが増す
キュワァァァッァァ7
光輝いたかと思うと、その光が2つに別れ、晴日とブルタルの胸の真ん中に吸い込まれるように溶けこんでいった。契約書はどこかに消えてしまった。
「今、二人の契約がなされただよ。二人の名前が並んだ、二人の誓いが刻まれた契約書がお互いの魂に刻まれたんだよゲショショショグホッグホッ」
大興奮のブルタルが咳き込む。
ニンニクが腐ったのような臭い息が、晴日の嗅覚を刺激する。
「まぁ、これで、逆に僕も契約を反故にすることは出来なくなったわけだからね。ソレは死なれちゃ困る。テイムモンスター用のハイポーションだ。これはサービスだよ。」
透明な大きめのカプセルのようなものに、ゼリー状のような紫の液体が入っている。
それを晴日に手渡す。
「今日は、素晴らしき君との出会いに感謝して、帰って祝杯を上げることにするよ。さぁ、みんな帰ろうか。」
そう行って、連れの4人を引き連れて、ブルタルが歩き始めると、周りの人垣が割れるように道を作った。
「ふぅ。もう大丈夫よ。はい。飲める?」
晴日は、まだ強張った顔つきながら、目元に安堵の表情が浮かべながら、ゆっくりとドラゴンの口元に先ほどのカプセルを近づける。
「ほら、助けに来たわよ。」
ゆっくりとドラゴンが口を開け、ざらついた下で、カプセルを受け取ると、そっと飲み込んだ。
紫の光がドラゴンの身体を満たす。
ピクピク。頭部の後ろにある耳らしきものが動く。
ピョコピョコ。尻尾が動いた。
ゆっくりとドラゴンが起き上がる。
「良かった。本当に良かったぁ。」
晴日のほっそりした腕が、大きなドラゴンの首に巻き付く。
「ありがとう晴日。」
ドラゴンの口からお礼の言葉が出た。
再び周囲の人垣がざわめきだした。
「おい、あの子ドラゴン今しゃべらなかったか?」
「さっきまでは、鳴き声すらしてなかったのに・・」
「聞き間違えじゃないのか?」
「いや、子供のドラゴンが話すわけねぇよ」
「そもそもかなり高齢のドラゴンが人語を理解するって聞いたことあるけど、今のところ発見されたのって、神話の中でしか確認できてないんだろ?」
「それより、あの子凄いな。」
「いや、っていうかあれヤバイだろ・・・」
「よりによって、ブルタル相手だぜ」
「ブル豚相手はやべぇよマジで」
「ブル豚うぜぇけど、マジあいつからむとダークサイドまっしぐらだから」
「学校のちょっとトッポイ先輩。あいつに関わってしばらく無双状態でおお威張りしてたけど、この間廃人になってたわ・・・」
「つーか、こんなとこでウロウロしてたら、変に密告されたりしねぇかな?」
「それ、マジかんべん」
そこは広場のようなところだった。
広場の真ん中にぽつりと2つの影が。
「今しゃべったのはきみ?」
「うん。晴日。僕の声に答えて、助けに来てくれてありがとう。」
「ううん。私もちょっと夢中だったし、なんだか、あなたが今の自分にちょっと重なって見えたのよ。正直、私もちょっとキツイ状態だったんだけど、なんかあなたの事を救えて自分にも出来る事があるっていうか、なんかちょっと心が軽くなった。こっちこそ、ありがとう。救えて良かった。」
晴日の笑顔が溢れる。
「なんか、久しぶりにこんな風に、笑顔出来たの、なんか最近は作った笑顔だったかもしれないって、今、本当に久々に心から嬉しくって顔からニヤニヤ取れないもん」
「晴日は僕の命の恩人だ。だから、僕は最悪の時には、この身を体して君を守る。」
「そんな、大げさだなぁ」
「君は、僕が呼び寄せた、この世界の理を何も知らないからね・・・助けてくれて本当にありがとう。だけど、ブルタルとの契約。あれは。きっと君は200万ドランなんて無茶な金額返せない。だから、君からもらった命だけど、1ヶ月後、僕は自らの身をアイテムにしてもらって、売り払われる覚悟は出来てるからね。」
「なに言っちゃってんのよ!あんた!あたしがせっかく助けた命大切にしなさいよ!僕って言うからには男の子なんでしょ!いきなり弱気でどうすんのよ!ドランだかなんだか知らないけど、私にドーンと任せなさいよ!最悪の場合には、私がアイツのものになるしかないよ。命までは取られないだろうし、絶対イヤだから、そうはさせないけど!」
「でも、晴日。君は、1ドランすら持ってないんでしょ?何をどうするつもりなの?それにその服。僕の血まみれだけど、女の子がそんな肌着みたいなハシタナイ格好でいつまでもいるのはオススメしないよ」
「うるさい!肌着じゃない!パジャマ!そうね。まずは服をどうにかしなきゃよね。じゃ、行くわよ」
晴日が落ち着いて、周囲を見渡すと、周囲の情景は、なんとなくイタリアっぽいかなって感じの町並みだった。
黄色の壁に赤い屋根で、高さは2階建てで、ほとんどの家が統一されている。
微妙に高さが違ったり、建築年数の違いだろう、赤や黄色の色が新しかったり古かったりするけど、概ね統一された色合いの街だ。かなり統治がしっかりした街のようだ。
「うへー。これ迷子になっちゃうフラグたった街だねー。」
そう言いながらも街へと進み始める晴日。
後からついて行くドラゴン。
血まみれの少女を周囲の通行人がビックリした目で振り返る。
「もうこれ、凄い注目されて恥ずかしい。」
「だよね。ゴメン。あ、あそこに道具屋って書いてあるよ」
「ホントだ。もうダッシュしよう。マジこれハズイ。」
そういうと晴日は一気に走り始めた。
「待ってー」
遅れてドラゴンは追っていく。
道具屋の前まで来ると、晴日が振り返る。
遅れてドラゴンが到着する。
「あんた、私も足が早いほうじゃないけど、君もだいぶ走る遅いよね。」
そういうと、晴日は改めて子ドラゴンを見つめた。
「ブッ!」
「へ?いや、なになに?それチョット失礼。見つめた後に吹くって!」
なんだか、晴日のイメージしてたドラゴンっていうのと全然違った、晴日のイメージするドラゴンというと、緑で身体は巨大で筋骨逞しく、大きな羽が生えてて、凶暴な口と、ギラギラした黄色い爬虫類の眼光、赤く大きな口からは灼熱の炎というイメージだ。
今、目の前にいるドラゴンは、色はグレー、羽は申し訳程度に背中でピョコピョコしてる、尻尾も同じようにチョコっとついてる、身体は俗に云うポッチャリってやつだ。
「ごめん。だって、ちょっと私の中でドラゴンって凄い怖いイメージだったから、なんか可愛いなぁって思ってさ。」
「ちょぉぉぉぉ」
何故か、グレーのドラゴンがピンクになる。
「何?もしかしてちょっと照れてるの?君名前は?」
「う・・・生まれたばっかなもんで・・」
「え?生まれたばっかり?大きさ私より大きいけど・・?」
「いや、そんだけ卵大きかったんですよ・・」
「いや、それどんだけ大きいのよ。あいつ、そんなの買ったわけ?」
「なんか凄い苦労して、隣国から山越えて、割れないように割れないように、最新の注意を払って、運搬してきたみたいですよ。」
「生まれる前にそれだけ愛情たっぷりだったのに、あんなに豹変したわけ?」
「愛じゃなく、欲望だろうね。何か、かなりの理由があって卵を持ってきたんだと思うけど、ちょっと僕には分からない。分かるのは僕が期待はずれだったって事だけだよ」
「そんな風に自分を卑下するもんじゃないわ。自信を持ちなさい。」
「いや、自信持てるとこなんて一つも無いし。」
「外見だけの事を言ってるんじゃないのよ、心に自信を持ちないさいよ。男の子なら絶対負けないっていう反骨心っていうの、そういう心意気みたいな所は負けないみたいな、自信あったら凄く格好良いよ」
「え?本当に?うん。じゃ、僕絶対負けないよ。自分にも、あいつにも。」
「そうそう、その意気。」
「なんか、晴日って凄いお姉さんだね。格好良いアドバイスあざっす!」
「いや、私だって、凄いダメダメだよ・・ああ、もう自己嫌悪、思い出した。今のはほとんど、先輩たちや先生達からのアドバイスの受け売り。あんたに言いながら、自分で自分自身にも響いたわ・・・」
「そういうアドバイスに囲まれた環境にいるとか、晴日はすげぇ愛されてるね。」
そう言われた晴日も、ちょっとハッとした表情で頷いた。
「う、うん。そう言われてみれば、そうだよね。私も人に説教する立場になって、初めて分かったけど、正直、言われてばっかりの時は、毎日毎日、あちこちで同じようなこと言われてたし、自分自身は精一杯やってるのにって、想いあっても結果でなくてってモヤモヤしてたから、正直うざったく感じるだけで、愛されてるーなんて感じた事なかったわ・・・」
「僕も自信もったから、いきなり空飛べるようにはならないだろうけど、自分で何が出来るのかはちょっと考えてみるよ。」
「うん。私達、似たもの同士みたいだし、仲良くしよ!」
「うん。改めて、よろしく晴日。」
「改めて、よろしく・・・マーツ」
「へ?マーツ?それって・・」
「あなたの名前。私が考えてあげた。エッヘン。初!名付け親!名付け初体験!」
「わー!マーツ!格好良いじゃん!ありがとうはるきゃん!」
「え?なにそれ、はるきゃん?」
「いや、、、だから、僕もこっちの世界のアダ名をだね・・・・」
「それ、あたしのこっちの世界の名前?はるきゃんっていうのが?」
「うん・・・え?ダメだった?馴れ馴れしい?っていうか変?」
「・・・ううん。めっちゃすっごい嬉しい。ありがとうマーツ。」
チュッ
晴日の唇が、マーツの目の下辺りに触れた。
「うわぁぁっぁぁ」
「マーツ。ピンク通り越して真っ赤だよ・・・」
「と、突然すぎるよ。今のは。」
「名付けの・お・れ・い」
バチッ
晴日のウインクに悩殺されたマーツであった。
カランカラン
突然、晴日の後ろのドアが開いた。
「何をうちの店先でバタバタやってんだい!?」
齢70にもなろうかという、婆さんが店から出てきた。
そして、晴日とマーツを見て息を飲む。
「あんた、そんな格好で、うちの店の前に立ってたのかい!」
「え?これ?うん。服を買おうと思って」
「いいから早く店の中に入りな!」
「はっはい!」
凄い年齢なのに凄い勢いの婆さんに気圧されて、素直に晴日は店に飛び込んだ。
「ほわぁぁぁ」
感嘆を漏らし晴日は店を眺めれる。
2階建ての外観はぶち抜きで、上まで商品がびっしりである。
その商品棚の列が両サイドに一列ずつ。
中央を2本の商品棚がある。これは、商品だなが2つ背中合わせになっている。
それが店の奥までビッシリだ。
「これ、上の方の商品はどうやって取るんですか?」
「なんだい、あんたどこの田舎から出てきたんだい?戦士職かい?魔法が使えないなら、そこの水晶で気に入った商品があったら、品番行ってくれれば、あたしが取ってやるよ。」
「ふぇぇぇ、まじファンタジーの世界だわ、どっぷりだわ・・・ドラゴンってあたりからそういう世界なんじゃないかなぁとは思ってたけど・・・」
「なにゴチャゴチャ言ってんだい、買うのかい?」
「は、はいぃ!」
「じゃ、あの可愛い服にしちゃおうかなぁ」
「あれかい。あれは、エルフ族生産の鳳凰蝶のパーティードレスだよ。まぁ、防御力もあるし、特殊スキルもあるけど、戦闘向きじゃないよ、あんた戦士にしちゃぁ華奢だけど、魔法も使えないとか、どっか田舎の貴族かなんかかい?」
「い、いえ、実は、異世界からの来訪者ってやつです。」
「そんでそのヘンテコなドラゴンもその異世界から連れてきたのかい?」
「ヘンテコ言うなぁ!」
大人しく後ろに控えていたマーツが怒り出す。
「ひぇぇぇ!おったまげた!その子ドラゴン人語を話すのかえ!?どうだい?150万ドランでそのまま買ってやろうか!?」
「マーツは売り物じゃありません!私の友達!」
「と、ともだち・・はるきゃんありがとぉぉぉ」
マーツが晴日に擦り寄ってくる。
「そうかい。所有者がそういうんじゃ、しょうがないね。で、予算はいくらなんだい?」
「それが・・・異世界から来たもので・・・」
「なんだい、もしかして、あんた金も無いのにウチの店の前、そんな血まみれの格好でウロウロしてたのかい!?」
「す、すいません!」
「営業妨害だね。どうりで、さっきから、客足が途絶えたと思ってたんだよ。そんな血まみれのヤツが店先に突っ立ってたらそりゃ客も来ないわ」
「ご、ごめんなさい!」
「もういいよ、さっさと出て行きな。」
「おばあさん。助けてください。」
「慈善事業が受けたいなら、教会にでも行きな。ここは無一文が来るところじゃないよ。物乞いは一番嫌いだよアタイは」
「そこをなんとか・・・」
「シッシ!貧乏が伝染る。早く出てっておくれ」
「はるきゃん、行こう。教会に行けば、何かもらえるかもしれないよ。」
晴日はうつむき、ドアに向かって歩き出した。
「おいおい、ちょっと待ってよ。」
「え?」
声がした方を、晴日が振り返って見るが誰もいない。
「おい!そっちじゃないよ!下!下!」
下を見下ろすと、そこに小さな小人が立っていた。
「ユージン。勝手に出て来ないでくれよ、仕事はどうしたんだい?」
「ミーツ婆。そいつ面白いマナ持ってるぜ。面白い臭いがしたんで出てきたんだ。」
「本当かい?どれ?」
そういうと、婆さんは引き出しから、なにやら変な形の虫眼鏡を取り出した。
「ほぉぉ!こりゃぁ、ちょっとしたもんだねぇ。この色、この量。これは本当に異世界から来たのかもしれないよぉ。ユージンちょっと一つ作ってみなよ」
「あいよ。婆が言うなら。おい娘。ちょっと手をこっちに貸せや」
「は、はいっ」
戸惑いながらも、晴日が言われるままに手を差し出すとその中指をユージンが両手でぐっと握る。
ニュニュニュニュニュッポン!
最初、晴日の目には自分の指先から、生肉が取り出されてるんじゃないかと思った。
中指の先から、ピンク色のものが出てきたかと思うと。
一気に出てきたそれを、手早くユージンが腰につけたサランラップのようなもので手早くくるみ取る。
「ほええ!こりゃぁ、変わったもんが出来たねぇ。どれどれ」
そういうと、今度はピンクの物体に先ほどの虫眼鏡を近づける。
「ふむふむ。ドルポーション。HPとMPを同時回復かぁ。これはちょっと新しい回復薬として売れるかもしれないねぇ。どうだいお譲ちゃん?これ一個150ドランでどうだい?」
「へ?いいんですか?」
「いいもなにもあるかい。こっちは商売で言ってんだよ。まぁ、来訪者ってのが嘘か本当か、とにかくこっちの世界の事が分からないみたいだか、あたしもあんたとは出来れば永い取引したいし、こういうレアなアイテムは、調合の仕方次第じゃかなりのレアものになる可能性も秘めてるからね。あたしが教えられる事なら、教えてやるよ。」