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光の奔走  作者: 如月あい
一章 光の失速
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曲がる光

 シュトレリッツ王国では珍しくもない金髪と碧眼の女性。

 だが、その長くウェーブのかかった豊かな金髪と、とても今年十九になる子供がいるとは思えないほど若々しい、まさに絶世の美女と形容するにふさわしい人物が、黒髪のこれまた系統の違う美女と向かい合っていた。

 二人の座るソファは、一目で高級品とわかるような豪華なもので、部屋のほかの家具もすべて、ルミエハの力を誇るようなものばかりだ。

「質問があります」

「何かしら?」

「……オブスキィト家長男暗殺を、依頼しましたか?」

 明日の天気でも聞くかのように、あっさりとルフレは聞く。

「いいえ」

 ルフレは、その言葉が嘘であると見抜いた。

 つまり、ルミエハ家当主は、デュエルを殺そうとしたらしい。

 聴取を手伝い、そのあとを自分で調べていった結果、ある意味予想通りだったが、ルミエハ家当主に行きついてしまったのだ。

「いくらルミエハでも、オブスキィト家を害したという証拠があれば、罪に問われます」

「知らないわね。それに、私はそんなにバカじゃないわ」

 甘ったるい声で言うルミエハ家当主は、確かにバカではない。

 人を陥れることに関しては、そしてさらにその証拠を消すことに関しては、おそろしく頭のまわる女性である。

 だが、ルフレがアンナにどうやって育てられたか、どんな教育を受けたかを知らないあたりはバカである。それは当主の夫も然りだ。

「それにね、オブスキィト家について調べて、つぶそうとしてるのは……あなたでしょう? ルフレ」

 ルフレの動きがぴたりと止まる。

「……ご存じだったとは思いませんでした。止めてほしいですか?」

「いいえ。お前の結婚を遅くしているのは、お前がそれの方が都合がよいと言ったからでしょう?」

「そうでしたね」

「それでも……二十歳までよ。そのあとは、いくらお前がルミエハの長女で、見た目もそれなりだと言っても、やはり価値が落ちるわ」

「ご自由に。私がそんなに、仕事を長引かせるとお思いですか?」

「思わないわ。存分におやりなさい。彼の家は、つぶされるべき闇の家なのだから」

 

 金髪の女性は艶やかに笑う。

 黒髪の女性は、何かを嘲るように、冷たく、笑った。


やーーーーっと、一章完結です!

次は予告通り、人物紹介および世界観を載せます!



ここまでで質問、感想などがありましたら

お気軽にどうぞ。

また、誤字脱字も指摘していただければ幸いです。


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