曲がる光
シュトレリッツ王国では珍しくもない金髪と碧眼の女性。
だが、その長くウェーブのかかった豊かな金髪と、とても今年十九になる子供がいるとは思えないほど若々しい、まさに絶世の美女と形容するにふさわしい人物が、黒髪のこれまた系統の違う美女と向かい合っていた。
二人の座るソファは、一目で高級品とわかるような豪華なもので、部屋のほかの家具もすべて、ルミエハの力を誇るようなものばかりだ。
「質問があります」
「何かしら?」
「……オブスキィト家長男暗殺を、依頼しましたか?」
明日の天気でも聞くかのように、あっさりとルフレは聞く。
「いいえ」
ルフレは、その言葉が嘘であると見抜いた。
つまり、ルミエハ家当主は、デュエルを殺そうとしたらしい。
聴取を手伝い、そのあとを自分で調べていった結果、ある意味予想通りだったが、ルミエハ家当主に行きついてしまったのだ。
「いくらルミエハでも、オブスキィト家を害したという証拠があれば、罪に問われます」
「知らないわね。それに、私はそんなにバカじゃないわ」
甘ったるい声で言うルミエハ家当主は、確かにバカではない。
人を陥れることに関しては、そしてさらにその証拠を消すことに関しては、おそろしく頭のまわる女性である。
だが、ルフレがアンナにどうやって育てられたか、どんな教育を受けたかを知らないあたりはバカである。それは当主の夫も然りだ。
「それにね、オブスキィト家について調べて、つぶそうとしてるのは……あなたでしょう? ルフレ」
ルフレの動きがぴたりと止まる。
「……ご存じだったとは思いませんでした。止めてほしいですか?」
「いいえ。お前の結婚を遅くしているのは、お前がそれの方が都合がよいと言ったからでしょう?」
「そうでしたね」
「それでも……二十歳までよ。そのあとは、いくらお前がルミエハの長女で、見た目もそれなりだと言っても、やはり価値が落ちるわ」
「ご自由に。私がそんなに、仕事を長引かせるとお思いですか?」
「思わないわ。存分におやりなさい。彼の家は、つぶされるべき闇の家なのだから」
金髪の女性は艶やかに笑う。
黒髪の女性は、何かを嘲るように、冷たく、笑った。
やーーーーっと、一章完結です!
次は予告通り、人物紹介および世界観を載せます!
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