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あの星の話

掲載日:2026/08/15

デネブ、アルタイル、ベガ

デネブ、アルタイル、ベガ

デネブ、アルタイル、ベガ


おまじないのようにくり返す夏の大三角。

夜空を見上げ、夏の大三角はわかっても、どれがデネブで、どれがアルタイルで、どれがベガなのか、皆目、見当も…


それでも言い続ける。


デネブ、アルタイル、ベガ

デネブ、アルタイル、ベガ

デネブ、アルタイル、ベガ…




デニスがいなくなって、もう三年が経とうとしている。


デニスは、理由を言わずにいなくなった。


喧嘩をしたわけでも、予兆があったわけでもない。


「ちょっとそこまで」くらいの軽さで二人の前から姿を消して、それっきりだ。


正義ってヤツを振りかざされちゃったらしい。

そういった噂が立った。

口先だけの冷めた正義ってヤツに、打ちのめられてしまったんだ。


かわいそうなデニス。


真実は、誰にもわからない。




あの日、三人並んで芝生に寝転び、勝手に星を分け合った。


どれがデネブで、どれがアルタイルで、どれがベガなのかわかんないんなら、俺たちの名前つけちゃっても問題ねえよなあ、と言ったのはデニスだった。


デネブ、アルタイル、ベガ

デネブ、アルタイル、ベガ

デネブ、アルタイル、ベガ


デニス、アストン、ベッキー


三角形の頂点がひとつ欠けたまま、夜風が、アストンとベッキーのあいだを吹き抜ける。二人が見つめる先に、けれど、求める姿はない。


しかし、名前を呼び続ける限り、あの夏に結んだ三人の星座は消えることはない。


いなくなった理由は、もういい。見上げればそこに、あいつが居る。ただそれだけで…


デニス、アストン、ベッキー

デニス、アストン、ベッキー

デニス、アストン、ベッキー




アストンとベッキーは、やがてより添うようにして家族になった。

生まれた男の子には「デミオ」と名付けた。


デニスはいない。しかし、新しい命のなかで、静かに、そして温かく、輝き続けている。三人の星座は、形を変えながら、次の世代へと受け継がれていく。


「おやすみ、デミオ。また明日、あの星の話を聞かせてあげるよ」


デネブ、アルタイル、ベガ

デネブ、アルタイル、ベガ

デネブ、アルタイル、ベガ


デニス、アストン、ベッキー

デニス、アストン、ベッキー

デニス、アストン、ベッキー


デミオ、アストン、ベッキー

デミオ、アストン、ベッキー

デミオ、アストン、ベッキー









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