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第24話 夏野と秘蔵のお宝画像

『ドラ◯もんフォルダ……だと?』


 俺の全身から滝のように冷たい汗が流れ出ていた。手汗なんかもうびちゃびちゃである。


『……よしっ』


 何が『よしっ』なのかわからないが『02』は席を立つと『03』の真後ろに立ってパソコンの画面を覗き込んでいた。


 それどころか、ここぞとばかりに他のヤツらもぞろぞろと集まってきている。


『秘蔵フォルダ、はっけーん? ゼロファイブも見たいなー! きょーみしんしーん!』


『……ドラ◯もん? アニメ? よくわかんないけど面白いヤツ? みんなが見るなら私も見るよー』


 さっきまでアルプス一万尺の手遊びから手押し相撲に派生させて遊んでいた黒髪の女の子と『05』が好奇心に駆られてやって来ていた。


 その場には『01』だけがいない。彼女は枕を胸元に抱きかかえてイビキをかいている。アイマスクで遮光するという徹底ぶりで幸せそうにハンモックに揺られていた。


『…………』


 『01』以外の全員が真剣な顔付きで画面を見つめていた。


 俺はというと、脱水症状になりそうなほどに汗をかいていた。


『みんなお待ちかね、お宝画像の開帳の時間だあ。おい、セツナは見るんじゃねぇぞ。お前まだ十四歳だろ? お子様にはまだまだ早いな』


 と『03』は黒髪の女の子にそう言って、パソコンの前から下がらせた。


『ええー? どうしてぇ? ダメなのー?』


『お前に変な影響与えたら末っ子に怒られんだよ。お前のママに後からうるさく言われたかねぇし』


『うぇ~? つまんないなぁ』


 セツナ、と呼ばれた女の子は膨れっ面を作りながらも渋々とパソコンから離れていた。


 十四歳、って俺よりたった一個歳下なじゃねぇか。なんでそんな子が女神の役割をして、ケセランパサランみたいな天使どもを従えてんだよ?


 こいつら、本当にいったいどういう存在なんだ?


 俺をどうしようと……。


『おい! みんなコレ見ろよぉ!! この画像の女みーんなバインバインのボインボインだぜ!? こいつ、そーとーな巨乳好きだぞ!? とんだおっぱい星人だな!! このどすけべ! けひゃひゃひゃ!!』


 俺はふとそんな疑問が湧いたが、気付けば彼女らが俺を穢らわしい眼で見ていたのだった。


 そこにあるのは俺がこつこつと集めたグラビアアイドルのコレクション画像だったのだ。誰にもバレないよう秘蔵のフォルダに隠していた俺だけの宝物。それがヤツらに暴かれてしまった。


『穢らわしいですね……』

『……巨乳好き……男のひとはみんなそうなの……?』

『あはは⭐︎ キモーい!!』


 俺は自分の運命を呪い目を閉じた。


 赤の他人に性癖をバラされてしまった……。


 いっそ殺してくれ、そんな風に思ったがそもそも死んでいたので意味のない願いである。

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