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第23話 道徳の成績は1です

 ケセランパサランどもからの容赦ない死体蹴りにそろそろ俺の堪忍袋もパンパンの限界間近だ。勝手にこんなところに連れて来られた挙句、プライバシーを侵害され、おまけになぜ侮辱されなければならないのか。


『おい……あんたら、俺をこんなところに連れてほんとうに何がしたいんだ……? これはれっきとした卑怯なイジメだぞ? おめぇら、小学校の頃、道徳の成績はいくつだったんだ? って話だ。俺に対する思いやりが足りてねぇぞ』


 俺がそう批難するもケセランパサランどもはどこ吹く風だった。態度を改めようとしない。


『はんっ、学校なんぞ通った覚えはねぇな。オレ様たちゃ生まれがかーなーり特殊でな。ほんっっと色々とな、涙ぐましい出来事があったんだぜ? どうしても詳しく知りたきゃ同作者の【デザイアゼロ/終の神託と殻の天使】とかいう作品を読むこったな! 要チェックだぜ!』


『要チェックだぜ! じゃねぇよ。宣伝が露骨すぎるだろ。そんなもん誰も読まねぇよ』


『なんだと貴様。貴様なんだと』


 『03』は少々キレ気味だった。彼女は漫画本をテーブルに投げ置くと、俺のことを睨みながら手元に俺愛用のノートパソコンを引き寄せていた。


 あっ、こいつ……いまから俺の秘蔵フォルダやら検索履歴を見るつもりか……!?


 お願い。辞めてくれキザ歯女、それは俺に効く。本当に効く。


『……あわわ、ちょっ、ちょっと考えなおせ? それはあまりにも?』


『あー? 最近耳が遠くてな。ぜんぜん聞こえねぇな、クソガキ』


 『03』は俺のパソコンを開き、画面の起動をし始めていた。


 焦る俺、そしてそんなやりとりを見ていた『02』がひとつ咳払いし、注意をそちらに向けさせた。


『言ったではありませんか。これは適正診断です。あなたをこれから別世界に転移させるのですから、その前に色々と調べ上げる必要があるです。いいですから大人しくしていなさい』


『ん? 別世界……まさか』


 俺の頭の中に異世界転移という言葉が出て来る。


 よく流行りの異世界もの。不幸な事故に巻き込まれた主人公が剣や魔法よ世界に転移または転生して暴れ回るというジャンルがあるが、そういった類いのことだろうか。


『(いや、まさかそんなことが……でも、こいつらの存在は不思議なものだし、この状況もそういったものなのかもしれない。ならば、俺は今からイケメンハイスペモテモテハーレム男子に生まれ変わるかもしれないし、チートスキルを持った最強能力者になるのかもしれない……)』


 俺の頭ではあれこれ妄想が広がりつつあった。


『(でも、この手のジャンルでは性別が真逆になったり、モンスター側やよくわからんモブキャラに転生させられるパターンもあるな……。生物じゃねぇパターンも無きにしも非ず。ただ、このまま何も変わらず転移させられる場合もあるが、その時はたいがい特殊なスキルを貰えるはず……!)』


 俺の中でそんな期待が膨み、ワクワクしてきたのだった。


『おっ、なんか面白そうなファイル見つけたぜぇ~。フォルダのタイトルがドラ◯もんって明らかに怪しいぜ~?』


 とはいえ今現状、俺は危機の只中であった。

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