第20話 夏野と白いひと達
『あなたは片桐夏野さんですね』
『えっと、はい……そう、です』
気が付けば、俺は面接会場みたいな場所に連れて来られていた。
壁一面が真っ白で、両脇に挟むよう設置された長いテーブル席にそれぞれ五人の女性、中央の執務机にひとりの女の子が偉そうに手を組んで座っている。
『(この状況はいったい何なんだ……? ていうかこいつら誰? なんで俺、急にこんな場所で面接みたいなもん受けてんだよ?)』
尽きぬ疑問に俺は困惑しっぱなしだった。
『(いやいや、マジでホントに、ここは何処なんだ……?)』
扉の中に引き摺り込まれたと思いきや、俺はすぐパイプ椅子に座らされ、品定めされるかのように六人の視線に囲まれていた。
なんだかとっても緊張するし、いまから何が始まるのか見当もつかない。全身の穴から汗が噴き出しそうだ。しまいにはお腹もほんの少し痛くなってきた。
『おいおい、なんかパッとしねぇな。大丈夫かよコイツ』
『もしかして……人選ミス……?』
ヒソヒソと俺のことを見ながら話をする二人。テーブルの氏名表には『03』と『04』と書かれている。あれは名前だろうか? それともただの番号か。
『(しっかし、まるでケセランパサランの擬人化だな……みんな、美白美人で真っ白じゃねぇか)』
テーブル席の五人に共通することは白髪で端麗な容姿、着ている服が純白の修道服という珍しいもの。全員の顔立ちは似通っていて、一眼で全員が姉妹であるとわかった。
そして、中央の執務机に座る女の子……こいつは俺を扉の内側に引き摺り込んだ張本人であり、皆をまとめる存在。
『はーい、それじゃあさっそく始めよっかー。みんなー、これから片桐夏野くんの適正診断、尋問などの諸々を開始するよ。進行は自由に任せるからよろしくねー』
首元のストラップから垂れ下がるインスタントチェキカメラ(おそらく、富士フィル◯のin◯tax mini 40)のレンズをいじりながら女の子は周囲の者達に言った。
艶のある長い黒髪に一房の白いメッシュと白百合の髪飾り、黒を基調としたブレザータイプの制服姿。美少女と呼ぶに相応しい綺麗で整った小さな顔立ちの女の子だ。
『年齢は十五歳、職業は高校生、好物はカレーと馬刺し。趣味はゲームとカメの飼育。特技は鼻でハーモニカ演奏? なんですか、これ? ふざけてます? ええと、それから成績は中の下あたりで、運動神経はまぁまぁ。ふむ……何の面白味もありませんね』
眼鏡をかけている女性がテーブル席で俺のプロフィールを淡々と読み上げている。立てかけられた氏名表には『02』と書かれていた。
『えっと、それから血液型はBですか。マイペースでわがままなひとが多い印象ですね。正直あまり好きではありませんね』
『…………』
なぜかいきなり人格否定が始まり、俺は泣きそうになった。
なにこれ? 圧迫面接?




