第13話 アルチュウVS幽霊さん
パチットモンスター、縮めてパチモン。この異世界にいる不愉快極まりない生き物。森に、空に、海に、世界の至るところでその醜い姿を見ることが出来る。
そして、人とパチモンは様々な絆を結び、この世界の中で暮らしていた。
この少女、異世界タウンの丹波凛。
相棒のアルチュウと共にパチモントレーナーとしての修行の旅を続けていた。パチモンの数だけの夢があり、パチモンの数だけの冒険が待っている。
【ナレーション終了】
「私はこのモンスターボックスで異世界に存在する変な生物の自由と尊厳などの諸々をパチり(関西弁で盗むという意味)、しもべとして肉体をゲットすることができるのよ。故に、パチモン。こいつらは私の従順な奴隷よ!」
「絆も夢もねぇな」
ごもっともな意見である。
「私は最強のパチモントレーナーになってみせるわ! そして、この力を使って異世界のすべてを征服してやるのよ! ふふ、私こそがこの世界の主人公に相応しいわ!」
「野望だけは壮大だし、どっちかと言うと敵側の思想だぞソレ」
なんとか団のボスと名乗る方がまだわかるというものだ。
「手始めにあんたのパチモンを血祭りにあげてやるわ。泣いて謝っても許してあげないわよ」
「因縁ふっかけられるようなことした覚えない。俺、何も悪くない」
ただ、ただこの理不尽の被害者である。
「パチモンだか何だか知らねぇが、さっさとかかってきな。ワンパンでぶちのめしてやるよ」
幽霊さんは体中の関節をパキパキ鳴らしながら凛を煽る。
「ふむ……まずはパチモン図鑑で敵のタイプを調べておこうかしら」
凛はパーカーのポケットからスマートフォンを取り出すと、何かしらのアプリ機能を使って幽霊さんの姿をスキャン、パチモンとしての生態データを入手し、解析を行った。
「(ていうかスマホ持ってんのズルイな。あれも女神にねだって手に入れたツールなんだろうか)」
凛は解析結果を手に入れるとニヤリと笑った。
「なるほど、ゴーストタイプのパチモンね……!」
「『なるほど、ゴーストタイプのパチモンね……!』じゃねぇよ。あたしをそんな変な生物と同じ扱いにすんな!」
幽霊さんはアルチュウを指差しながら怒っていた。
「(いや、でもゴーストタイプって、幽霊だからあながち間違ってはいないよな?)」
俺はそんな余計なことを思いながら幽霊さんを見遣る。
「タイプ相性は完璧よ。さぁ、いきなさいアルチュウ! あいつをボコボコにしてやるのよ!」
「酒ぇえ!!」
凛はアルチュウに発破をかけると、幽霊さんへと迫らせた。
「アルチュウ! 三千ボルトよ!」
微妙な電力である。
「やれやれ、まったく……」
幽霊さんは余裕に構えていた。アルチュウが電気ショックを放たんとした時、幽霊さんは片手を上げ、そこに意識を向けていた。




