2 let'sメイキング!!
本日2話目!
『次に【スキル】と【称号】と【耐性】についてなのですが。【スキル】は自分の意志で発動することができます。【称号】と【耐性】は常に発動しているようになっています!』
「そうなんだね〜」
同じものだと思ってだけど、そんな違いがあったんだ〜
『説明が済んだところで、メイキングを始めましょう!!』
「おぉ〜。」
パチパチと手を叩きながら返事した。目の前には私と同じ少女が現れた。
『これから、葵さまの模型を基準にメイキングをしていきます。変えられるのは瞳、髪色、種族です。』
「身長は無理なの?」
『はい、慣れた目線ではないとリアルで怪我をする恐れが有りますのでご了承ください』
「そっか〜。わかった。」
葵は実年齢の平均身長よりだいぶ低い。そのため、出来たら高くしてみたかったが無理ならしょうがない。
「じゃあ、やってみても良い?」
『はい。』
う〜ん。改めて自分の顔をよく見てみると恥ずかしいな。
まず、瞳から……色は……う〜ん。
『ランダム機能をご利用になりますか?』
「なります!!」
『では』
「!?びっくりした〜。」
スロットマシーンが上から降ってきた。
『こちらを回してください。』
「うん」
スロットマシーンのレバーに手を掛け、引くとガラガラと音を立てて絵柄が回る。
やがて止まるとそこに描かれていたのは月、桜、酒の順で並んでいる絵柄。
「どういうこと?」
『………』
「どうしたの?」
声をかけるとガバリとこちらをキラキラした目で見てきた。
『凄いですよ!葵さま!!』
「う、うん。……何が?」
『瞳と髪はレアです!!種族については異種族ですよ!』
「異種族なんてあるんだ〜」
『はい!運営が悪戯半分で造ったんです!数は多いんですけど出る確率が低く、公式には詳しくは載ってないんですよ!!』
お姉さんの反応から凄いらしい事は分かる。
「確率が高いのは種族は何なの?」
『人間族とその他が90%ですね。10%が異種族です。』
「考えてたより少なかった。」
それにしても種族の枠は『酒』って書いてあるところだよね?
「【酒】って出たけど何なの?」
『はい!【酒】は、ですね。鬼なんです!』
「鬼が異種族なの?」
『いいえ!鬼の中の固有種が珍しいんです!』
鬼は種類で固有種は色々あるらしい。
何でも、同じ異種族は2人といないという。
その中の異種族が私が当てた【酒】。固有種は【酒呑童子】。最強の鬼。
『というわけで!こちらをご覧ください!!』
お姉さんの指を差した方には私の模型があった。だけど違った。伸びた髪は月の色を纏わらせ、瞳は桜を想わせるような優しい色をしている。左の白目は人間とは思えない黒。そして、最も違うのは髪の間から生えている5本の角。
「誰?」
『葵さまの模型です。』
「えらい変わりようだね〜。」
私だった痕跡が何一つ見つからない。
『あ、そうでした。あと2回スロットを回せますがどうされます?』
「ん?いや、これでいいよ。」
『かしこまりました。では次にプレイヤー名を決めて貰います。』
プレイヤー名か……そうだなぁ。和泉葵だから……
「……アオ。アオにしよう。」
『アオさまですね。登録完了致しました。では、最後に職業を決めて貰います。』
ドーンという大きな音がするとスロットマシーンの横にもう一台スロットマシーンが降ってきた。
『どうぞ。』
「じゃあ。」
二台目のレバーに手を掛け、思いっきり引いた。ガラガラと音を立てて回る回る回る。ガシャン、ガシャン、ガシャン、ドカーーーン!!!
『「え?」』
スロットマシーンが壊れた。
『これは!』
お姉さんが壊れたスロットマシーンの絵柄を見ると震え出した。
「お姉さん?」
流石に心配になり、声を掛けるとさっきも向けられたようなキラキラな目をされていた。
『アオさま!凄いですよ!!ユニーク職業が出ました!!』
「お、おぉ〜」
『もっと喜んでください!世界初ですよ!!』
「まぁ、まぁ。それで、なんだったの?」
『えっとですね。……あ。』
壊れたスロットマシーンの絵柄を見ると髑髏、大釜、×印。本当になんなんだ?
『こ、これはですね。えっと……』
さっきまでの興奮は何処へやら、言いにくそうな顔になる。
「はっきり言ってもらって構わないよ。」
『……これは、錬金術師の絵柄なんです!!』
「あぁ、なんだ。びっくりした。もっと深刻なものかと思った。」
『え!!それだけですか!?』
「それだけですよ?」
何を驚いてるんだろう。ユニークが出たことかな?
『違いますよ!?』
「読まれた!?」
顔に出るのをどうにかしたいな。
『錬金術師は……その……最弱なんです。』
「え?」
『全職業の中で一番最弱なユニーク職業なんです!!』
「へ〜。」
『もっと驚きましょうよ!!』
そう言われても、これくらいしか反応しようがない。
「それより、錬金術師を説明して欲しいな。」
『アオさまが良いなら、良いんですけど……。では!説明しますね。錬金術師とは、色々な素材を合成して新たなアイテムを生み出すことが出来ます。
合成確率は100%の職業です。』
「新たなアイテムを生み出す?」
『はい、ですが戦闘向きでは有りません。』
あっ!そっか。ユニーク職業保持者は他の職業を使えないのか。
「もし、新たに生み出したアイテムならバンバン使ってもいいの?」
『はい、生み出したアイテムは全てアオさまのものとなりますので、運営は関与出来ません。』
運営が関与出来ない新しいアイテム。バンバン使っても怒られない……。いいな……
「面白そう……」
『?。やり直しますか?』
「う〜ん。いいよ、このままで。」
『そうですか。分かりました。これにてメイキングは終了です。』
「うわ!」
体が光に包まれる。最後に聞こえたのはのはお姉さんの声だった。
『貴方が描く世界が自由で有りますように。』
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