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帰り道

(あれは良いかもしれない…)ギルの思考が頭の中に流れ込んでくる。


「さっきから同じ事を繰り返して、もしかしてリンの事、気に入ったのか?」俺がそう言うと、鞄のチャックを自分で開けてギルは顔を出した。


「私にはそんな感情は存在しない。ただ、あのオルナスの動きは素晴らし、訓練すれば私をも超えるかもしれない」ギルは嬉しそうに語る。


「自分より強いヤツがいると嬉しいのか?」


「そういう訳ではない、私にはかつて他にも同じように自我を持った仲間がいた。しかし、皆散り散りなってしまったのだ。あのオルナスは、我々の存在に近い物を感じたのだ」ギルに仲間がいたなんて初耳だった。


「それじゃあ、どこかにお前みたいに自分で動けるオルナスが居るってことか?」


「あの廃棄場に遺棄されるまでの記憶が、私の記憶から欠乏している。しかし、仲間がいた事はなぜか確信が持てるのだ」ギルは少し遠くを見るような表情を見せた…、ような気がした。ギルは自分の体を修復する時に、その顔も変えた。彼の顔はシールドで覆われていて、その顔は存在しないのだ。


「それなら、仲間を捜さないと…、でもどうして、あの工場にお前は廃棄されたんだ。それに、仲間がいるとしたらソールドにいるかもしれないな」ギルが廃棄されていた場所は、シールドの下請けだったので、ギルが作られたのはシールドか、その系列会社であることは明らかである。


「しかし、私が廃棄されたのは、何かしら理由があったと思うのだ。そう簡単な話でもない」ギルは、そこに行くとしても万全の体制で臨みたいということであろう。


「解ったよ。なにかあったら俺にも相談してくれよ。相棒なんだからさ」ちょっと照れ草かったがこの言葉が口からすっと出た。


「ありがとう、アキト」珍しくギルがお礼言葉を口にした。


雨が降らなければいいけれど…。

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