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採取クエストだったはずの第四話


 さあ、やってきました、クルドの森。ここはさっきまで俺たちがいた街のすぐ隣に位置する森。特に危険な魔物がいるわけではなく、たまにスライムが出てくる程度。


 どうしてそんな森に俺とメルがいるのかというと、


「本当に良かったのですか? 私のような"役立たず"とパーティーを組んだ挙句、クエストまで受けてしまって」


 そう、クエストを受けたからなのだ。


「大丈夫に決まってるだろ。俺たちが受けたのは採取クエストだし、それに"役立たず"っていう面では俺も同じだ。

 言ったろ? "役立たず"なら"役立たず"なりに頑張っていこうって。

 っていうかこのパーティーでは俺もメルも"役立たず"なんかじゃねえしな」


 そうメルに諭しながら俺はクエスト通りの薬草を探すため、足元を注意深く観察する。


「それもそうですね。二人とも貴重な採取要員ですもんね」


 メルもそう納得して薬草を探し始める。


「そ。二人とも貴重なんだよ」


 俺はそう返してそのまま俺たちは黙々と薬草集めを開始した。






















「助けてくれえ!!」


「「っ!?」」


 薬草もいい感じに集まった時に、森の奥からそんな声が聞こえた。


 俺とメルは薬草を取るために持ってきていた採取用ナイフを構え警戒態勢に入る。


 ガサガサ、という音とともに草むらから現れたのは全身傷だらけの男だった。慌てて俺は駆け寄る。


「大丈夫かあんた!? 一体何があったんだ!?」


「あんた、冒険者か? だったら助けてくれ。仲間が、仲間が危険なんだ」


「だから一体何があったんだ!?」


「怪物だ、怪物が出やがった」


「怪物?」


「ああ、あれは魔物なんか可愛らしいものじゃ無い、怪物だ」


 魔物が可愛らしいってそんなわけ、


「ギョギュエエエエエエ!!」


「なんだ!?」


「き、きやがった。あいつだ。もうおしまいだ。食われる食われちまう。ああああああ!!」


「おい落ち着け!! しっかりしろあんた!! ああくそだめだ気絶しやがった!!」


「リスト!! あれ!!」


「ん? な!?」


 メルの指差した先、俺たちの目の前に現れたそいつは、言うなれば、


 "歩く巨大食虫植物"だった。











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