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喜んだらレベルとステータス引き継いで最初から~あなたの異世界召喚物語~  作者: 中島健一
対帝国戦争編

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その278

~ハルが異世界召喚されてから5日目~


 剣聖オデッサとギラバはヴァレリー法国をあとにした。ヴァレリーの議会はなるべく早く同盟の調印に関する答えを出すとのことで、その審議中に2人は更に南西へと進み、ダーマ王国へと向かった。


 馬車に揺られる2人。以前のような気まずさは少し軽減されていた。ギラバは言った。


「ダーマは帝国から離れた場所に位置している為、同盟を結ぶにはまだ材料が少ない気もするんですがね……」


 オデッサは尋ねる。


「では何が必要だと?」


「そうですね……昨日のように国の最高戦力と貴方様が試合をして、尚且つヴァレリーがこの同盟を結んだという結果が必要かと……」


「ハルの見立てでは直ぐに同盟を結ぶ筈だと言っていたが?」


「軍事同盟というのはそんなに簡単なことではないんですよ」


 オデッサが何かを言いたげにしているため、ギラバは尋ねた。


「何か言いたいことでも?」


「いや、言うなら今なのかと思ってな」


「はい?」


「ダーマは既に帝国の手に墜ちているそうだ」


「は!!?誰がそんなことを!!?」


「ハルだ」


 その名前を聞いてギラバはうんざりし始める。


「はぁ……その証拠はあるんですか?……まぁないでしょう……それに何故私にそれを言わないのですか?」


「お主がそれを信じずに話が長くなるのを防ぐ狙いだったのだろう」


「全く嫌われたものですね」


「もしダーマの連中が同盟に調印するならばハルを信用してくれ」


「……もしそれが本当なら、こちらの内情を知りたがり、同盟にはすぐに加入するとハルさんは考えておいでか……わかりました。まぁ信じるも信じないもこの作戦には私も賛成しているのでね……愚痴を溢してしまって申し訳ありませんでした」


──────────────


~ハルが異世界召喚されて5日目~


<聖王国>


 赤い宝石のように光るワインを片手にチェルザーレは帝国からやって来た来客をもてなした。


 赤い部屋、赤いテーブルに赤いカーペット、部屋を照らすランプの光もどこか赤みがかって見えた。チェルザーレは優雅にワインを胃に流し込んでから来客のマキャベリーに言った。


「まさかこんなに早く私のところにやって来るとはな」


「お恥ずかしい話です」


 全く恥ずかしがる素振りを見せないでマキャベリーは答えた。


「それで?お前が来たのは、フルートベール王国に第五階級魔法を唱える者が現れたからなのだろう?」


 マキャベリーはその情報をチェルザーレも当然知っているだろうと予測していた為、全く動じずに答えた。


「その通りです」


 チェルザーレは間髪入れずに尋ねる。


「それだけではない……か?」


「はい。その者は我々の計画の障害になり得ると考えられます」


「申してみよ」


「はい。チェルザーレ枢機卿貎下も既にご存知かと思われますが、その者はフルートベール王国の剣聖オデッサを再び立ち上がらせ、彼女と同等の剣の使い手であります」


 チェルザーレは相槌の代わりにワインを一口飲む。マキャベリーは続けた。


「我々の計画に関して言えば喜ばしい出来事ではありますが、フルートベール王国の動きがどうも気になるのです」


「気になる……とは?」


「フルートベール王国は現在、各国に使者を送り、軍事同盟を結ぼうとしております」


 チェルザーレは空になったグラスにワインを注ぎながら口を開く。


「それのどこが気になるのだ?至極当然な行動のように思えるが?」


 マキャベリーはその質問に、少し間を置いて答えた。


「確かに一度信頼を失った剣聖と突如にして現れた新たな戦力に戦争を任せるよりは、それを利用して軍事同盟を結んだ方が得策です。しかし、彼等は何故獣人国と同盟を結ぶのでしょうか?」


 チェルザーレはグラスをテーブルに置いて言った。


「それは、不安定な状況の獣人国を背後に置いておけないからであろう?」


「では何故、10日程に迫った戦争を前に手のかかりそうな獣人国の内乱に着手するのでしょうか?本来ならばヴァレリーとダーマだけで十分かと思われませんか?」


 チェルザーレは考え込み、口をひらいた。


「なるほど……知っているのか。獣人国の内乱に帝国が関与しているのを……」


「それだけではありません。帝国の戦力についても知っていると思われます。まぁそれについては剣聖のオデッサさんも知ってはいますが、彼女よりもさらに警戒して戦争に挑むようですね……その少年は」


「その者の名は?」


「ハル・ミナミノです」


 チェルザーレは口元を上品に拭って、その名を記憶に刻んだ。


 同日、同国にて。


 ハルはロドリーゴ枢機卿を見張っていた。しかし、この日も海の老人に動きがない。ハルは明日、ユリを救出しに行くため、フルートベールへと帰国した。

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