その230
「竜…族?」
ハルは呟く。
「竜族とはちぃとばかし違うがの?ワシらは竜人族じゃ。そうじゃな…お主はワシ達のことをなんと聞いておった?」
「海の老人……」
チッチッチッと青年姿のマクムートは人差し指を左右にふりながら、その動きにあわせて舌打ちをする。先程まで持っていた杖はなくなり、杖に埋め込まれていた蒼い宝石をマクムートは手の中におさめていた。
「元々はのぉ?海の竜人と呼ばれておったのじゃ。それが時代と伴に変化してその呼び名になったんじゃよ。これで少し賢くなったのぉ?じゃが、その知識を披露する場はもうないがの?」
マクムートはハルとの間合いを一気に詰めた。
「お主は確かに稀代な魔法使いよ!!じゃが体術となれば話は別!!」
マクムートはそういってハルの胴体目掛けて拳を飛ばす。
ハルは唱えた。
「錬成」
マクムートの拳は空をきる。そして困惑した。
「何!?」
空をきった拳は、その勢いで数メートル先にある出入り口の扉を破壊した。
ハルも負けじとマクムートの胸に拳を放つ。硬い鱗にハルの拳がめり込みマクムートを反対側の壁まで吹っ飛ばした。
「ぐはぁぁ!!」
ハルは追い討ちをかける。もう一度錬成で強化した正拳突きを放つも、マクムートは手の甲を、向かってくるハルの拳に這わせて受け流した。
「くっ!」
ハルの拳は壁を破壊した。即座に壁から拳を引き抜いたハルは、反対側の拳で地面を踏み締め再度攻撃する。それと同じくしてマクムートはハルの顔面に拳を放つ。
お互いの攻撃が顔面にヒットする。
ハルは地面に這いつくばるように飛ばされ、マクムートはドーム状の天井へと飛ばされた。
距離が空いたことによりハルは飛ばされながらも第五階級風属性魔法エアリアルを唱えた。
巨大な竜巻がマクムートに向かう。それは嵐そのモノのようだった。
マクムートは迫り来る嵐に向かって同じく第五階級水属性魔法スプラッシュスウォームを唱えた。竜の形を模した激流が嵐をかき乱す。
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」
マクムートは更に魔力を練り上げた。持っている蒼い宝石が光りだす。
そしてハルのエアリアルを水竜が打ち消した。円形のこのフロアに滝のような雨が降り注ぐ。
ハルはマクムートの強さに驚いたが、脅威を感じてはいなかった。少なくともメルとゾーイーの戦いを見ていたハルは、メルが戦っている姿にいくらか触発されている。
──僕だっていつまでも逃げてばかりじゃいられない!
「よくぞ人の身でここまで……しかしこれまでよ……」
マクムートは再び魔力を込める。それに共鳴するように握っている蒼い宝石が光だした。
「はぁぁぁぁ!!タイダルウェイブ!!!」
マクムートの真上に巨大な魔方陣が形成され、そこから大量の水が大きな高波となってハルを飲み込んだ。
ハルは錬成で強化した足腰に相克である土属性魔法ロックレインを高波にぶつけたがまるで歯がたたず、波にのまれた。
「フハハハハハ!!水属性魔法に弱点など存在せんわ!!」
ハルは自分が上を向いているのか下を向いているのかわからない水中で、何とか息を保ちながらこの魔法が引くのを待っていた。しかしいつまで経っても水が引かない。すると、腹部に衝撃が走った。
「ぐはぁ!!」
ハルは衝撃で水を大量に飲み込んでしまう。眼を開けるとマクムートが水中を縦横無尽に動き、ハルに攻撃を仕掛けてくる。
──くそ……このままじゃ……
相克である土属性魔法を唱えても土は水にかえってしまう。水属性魔法には他の属性魔法を考えると土属性が最もその威力を弱めてはいるが、火に対して水といった他の相克と比べるとその効果は薄いように思えた。
──普通……水には雷だろ……
ハルは一か八か魔力を電撃に変換してみた。
──……くそっ!よくわからん!!
「何をしようと無駄だ!」
マクムートがまたしても攻撃を仕掛けてくる。
ハルはアイテムボックスに手を突っ込み、何かないか探った。
「ぐふっ!」
マクムートの攻撃がヒットする。
「っ!?これだ!!」
連続で攻撃を繰り出すマクムートに向けて取り出したのはスマートフォンだ。
水中で電源を入れて指を画面にめり込ませ、機械の内部に触れた。指先に軽く電気の気配を感じとるとハルはそれを魔力で増幅させ、身体全体に電撃を帯びた。
バリッバリッ
マクムートは水中で拳を振り上げようとしたが、電撃により動きが止まる。
「ぐおっ!!…そ、そんな!!それはかつてランスロットの……」
ピコン
新しい属性魔法を発現させました。
ゴーン ゴーン
~ハルが異世界召喚されてから1日目~
ハルは空気を貪るようにして口にいれた。
「はぁはぁはぁ……」
バリバリ
まだ全身に電撃を帯びていた。
「オイ!お前!ここらへんの人間じゃねぇな?痛い目に合いたくないなら……」
不良達の声が聞こえる。ハルが振り返ると電撃を纏っていることに不良達は気が付いた。
「なんだよ……それ……」
ハルは上空に向かって試しに溜め込んだ電気を放電してみた。
バチッ
電撃は上空へと向かわず、不良達の足元に落ちた。
「「う、うわぁぁぁぁぁぁ」」
電撃に驚いた不良達は尻餅をついたが、すぐに起き上がり逃げ帰った。
ハルは帯電している手を見ながら呟く。
「これ難しいな……さぁ……もう一度ユリを鍛えるところからやり直すか」
HP、MP、SP、筋力、耐久力、魔力、抵抗力、俊敏、洞察が2上がった。
【名 前】 ハル・ミナミノ
【年 齢】 17
【レベル】 52
【HP】 460/460
【MP】 511/511
【SP】 530/530
【筋 力】 414
【耐久力】 411
【魔 力】 507
【抵抗力】 418
【敏 捷】 468
【洞 察】 463
【知 力】 1031
【幸 運】 15
【経験値】 34810/530000
・スキル
K繝励Λ繝ウ
人体の仕組み
諠第弌縺ョ讎ょソオ
自然の摂理
感性の言語化
第四階級火属性魔法耐性(中)
第三階級火属性魔法耐性(強)
第二階級以下火属性魔法無効化
第四階級水属性魔法耐性(中)
第三階級水属性魔法耐性(強)
第二階級以下水属性魔法無効化
第四階級風属性魔法耐性(中)
第三階級風属性魔法耐性(強)
第二階級以下風属性魔法無効化
第四階級土属性魔法耐性(中)
第三階級土属性魔法耐性(強)
第二階級以下土属性魔法無効化
第三階級闇属性魔法耐性(中)
第二階級闇属性魔法耐性(強)
第一階級闇属性魔法無効化
第四階級光属性魔法耐性(中)
第三階級光属性魔法耐性(強)
第二階級以下光属性魔法無効化
恐怖耐性(強)
物理攻撃軽減(強)
激痛耐性(強)
毒耐性(中)
槍技三連突き
剣技連撃
剣技十字斬り
剣技一閃
・魔法習得
第一階級火属性魔法
ファイアーボール
ファイアーウォール
第二階級火属性魔法
ファイアーエンブレム
フレイム
ヒートヘイズ
第三階級火属性魔法
ファイアーストーム
第四階級火属性魔法
ヴァーンストライク
ヴァーンプロテクト
第五階級火属性魔法
フレアバースト
第一階級水属性魔法
ウォーター
第一階級水属性魔法
スプラッシュ
第三階級水属性魔法
アクアレーザー
第四階級水属性魔法
ショックウェーブ
第五階級水属性魔法
スプレッドスウォーム
第一階級風属性魔法
ウィンドカッター
第二階級風属性魔法
ウィンドスラッシュ
第三階級風属性魔法
トルネイド
第四階級風属性魔法
エアブラスト
第五階級風属性魔法
エアリアル
第一階級土属性魔法
ストーバーレッド
サンドウォール
第二階級土属性魔法
ストーンブラスト
第三階級土属性魔法
プロジェクション
第四階級土属性魔法
ロックレイン
第五階級土属性魔法
アースシェイク
第一階級雷属性魔法
第一階級闇属性魔法
ブラインド
第二階級闇属性魔法
アイテムボックス
ヒプノシス
第三階級闇属性魔法
ブラックアウト
第四階級闇属性魔法
フェイスフル
ダークネス
クワイエットプレイス
第一階級光属性魔法
シューティングアロー
ミラージュ
第二階級光属性魔法
プリズム
イリュージョン
第三階級光属性魔法
サンシャイン
バニッシュ
第四階級光属性魔法
テクスチャー
シャイニング
第五階級光属性魔法
レイ
第一階級聖属性魔法
ヒール
ブレイブ
プロテクション
第二階級聖属性魔法
プロテクションヒール
ブレイブバイス
第三階級聖属性魔法
リザレクションヒール
ハイヒール
第四階級聖属性魔法
エスナ
第五階級聖属性魔法
レイズデッド
無属性魔法
錬成Ⅱ




