もちろん、赤ちゃん。
やだ、青い。
二度の失神から目覚めると、あら大変。
視界が真っ青。
なにこれどっきり?珍千景?
ゆっくり身動ぎをすると違和感。
思うように体が動かない。
「んっ、んっ、んーっ!」
しかも話せない。
ナニコレ。
「ふっ。んにゃ。ふむう!」
どうやらうつ伏せになっているようで、何とかして仰向けになろうと転がるとまたびっくり。
「ふにゃにゃににゃにゃー!」
何この柵ー!
え。木の柵みたいなのに囲まれてるんですけど!
というか物が何か大きいし!
よく見渡せばめっちゃ豪華な部屋…ってえ?
これまさか。
わたし、赤ちゃんに…?
え、死んだ?
失神で?
いっちゃあれだけど、失神慣れしてたつもりなのに。
嘘でしょ。
でもってまだ視界が青い!
……ってこれ髪?
生まれたばかりにしては長くない?
戸惑いと疑問が止まらず混乱していると、足元の方向からガチャリという音と共に笑い声が転がってきた。
「あははは!ようやく僕にも弟が!」
「こらこら、まだ寝ているのですから静かになさい」
「ごめんな…かあさま!起きてるよ!」
「あらあらまあまあ。早く喉を潤してさしあげて」
「はーい!」
どうやら声から察するに5才頃の男の子と、その母?
そしてその弟兼子供が私?
というか、弟?
疑問が尽きないししんどいんだけどもう。
辛い。
「ほーら、ミルクだよー」
「っん。っん。む。くぅ。」
「こらこら、そんなに一度にあげては飲みきれませんよ」
「…ごめんなさい」
「いいえ、私こそ自分であげられなくて申し訳ないわ。」
「おかあさま…」
「そんな顔しないで。これはユレを守れた勲章よ!」
「…うん。ごめん。ありがとう。」
「そう、それでいいの!さっ、口元のミルクを拭いてあげて?」
「はい!」
強制的にミルクとやらを飲まされ、口元を少し乱雑だが丁寧に拭われながら、考える。
あれ。
もしかしなくてもめっちゃくちゃにややこしい家庭では。
どうにか身を捩り母と兄とやらを見れば、すごく暖かい緑色の光が4つ、黒に包まれている。
なんと綺麗な目と漆黒の髪。
しかし母は左腕がなく、弟は少し泣いたようなまぶたの腫れが目立つ。
「かあさま、こっちをみましたよ!」
「そうねえ。お父様に似たのか、瞳は灰色ねえ」
「しかも髪も青い!お父様と一緒だ!」
「…本当に綺麗だわ。」
「これでお父様も喜ぶかなぁ」
「……それは、どうでしょうねえ」
むむむ?何やら不穏な空気が。
もしかしなくても、これ、望まれない子に転生しちゃいました?
眠い、、