もちろん、女。
「…い、おーい。起きろ!起きてくれ!」
「………」
「やめろ!その半目は怖い!頼むから!」
「……どなたですか?」
目を開くと目の前には仕立ての良いスーツを着た男性。
なぜか座り込み、のぞきこまれる私。
なんだこの状況。
「さっき半裸だった者だ!」
半裸???
半、、、
「いやあんた全裸だったじゃん!」
思い出してしまった。
人生初の合コン、人生初の露出狂との遭遇。
でも全裸だったのに、なんでスーツ?
「大声で叫ぶな!仕方なかったんだ!衣服がわからず組成できなかったんだ!」
「夜中なんだから静かにしてね。」
大声なのはあんたでしょ、と言うのは我慢して。
「ソセイ?どういうこと?」
「作り上げることだ。そんなことも知らんのか。」
ああ、組成ね。
「作るのはわかった。作れなかったってなに?」
「この世界の民の一般的な装備がわからなかったんだ」
「装備…民…」
私、こういうの知ってる。
アタマオカシイヒトだ。
「顔にかいてるぞ!誰が!誰が変態だ!」
「そこまで言ってない。」
自分で変態というあたり、まだ自覚はあるようで安心したけど。
「で、その変態男さんが何の用?」
「倒れたから心配したのだ!…というか男?どこにいる?」
「や、あんたのことでしょ」
何に疑問を?
「ここでもか。…私は、女だ。」
???
??
?
オンナ??
「っはあ!?」
「うるさいぞ」
「喧しい!その体型で!?」
「そうだ、麗しいだろう」
「アッ…ハイ…」
確かに全裸であるとはいえ、局所は見なかった。
だって直前の男で男性恐怖症復活してたし。
でもそんな。
胸板素晴らしすぎるでしょうが!
この世には気味の悪い男もいれば、ナルシストなイケメン女子もいる。
そんな学びはいらなかったなぁ。
ごめんなさい、叡知を得るより、無知でいたい。
28歳、キヨ、心のいっ…
「こら!寝るな!起きろってば!」
もう、疲れた。
そう思って意識を飛ばした瞬間、彼(彼女)の驚いた顔が少し見えた気がした。
なろうって一ページがしっかりしてるから大変ね。
がんばろー。