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虐げられる者達の導き手  作者: 天海 龍牙
9/10

出会い、そして…決意

タイトルは大事っぽくしたかっただけのタイトル

出来れば週二回投稿を目指したい

そろそろタレント要素を出していきたいけど、もう少し先


強化した身体能力では1㎞程度は1分もかからずに駆けつける事が出来た

そして、予想通りの光景が目に飛び込んできた

(元はゲームの世界とはテンプレ過ぎないか!?)

逃げて倒れ込んだボロを纏った女性と、今にも戦斧を女性の脚に向けて振り下ろそうとするガタイの良い男

一応念のためホログラムマップを確認しておく

勿論カルマ値が-で表示されていたのは男の方

これで女性が罪人で、それを追う男という線はほぼ無くなった

なら、躊躇う必要も無いと金属球を握りしめ武器へと変える

男の武器は斧

斬る武器では無く、重量で相手を武器ごと叩き斬る武器

男の武器を鑑定してる暇は無いので等級や素材は不明

(なら、念のため防御系の武器にしておくべきだな)

そう決めてオリジナル武器でデュエリング・シールドとランタン・シールドを合わせた様な武器としても使える盾

斬盾(ざんたて)の「アイギス」を右手に装備して男と女性の間に入り込みながら、斧は受け止めずに受け流して落とした方がいいとは思ったが、倒れている女性に間違っても当たってしまっては大変なので勢いがつく前に戦斧を受け止める

ガキンッ!という音をたてながら腕に衝撃は多少来るものの、こちらの武器の方が性能が優れている様で「アイギス」の耐久は減ってすらいなかった


男は邪魔が入るとは少しも思ってないらしく、数秒間動きが止まり…

後ろからは女性の「え…?」という小さな呟きが聴こえてきた

そして男は今の状況を認識するや否や

「てめぇ!何様のつもりだ!!」

と怒気を露わにしながら何度も斬りつけてくる

「いや、よく分からないけどあんたを止めないとこの子の脚が無くなってただろう?」

とりあえずこの男はセバスチャンや鏡花よりレベルがだいぶ低い様で動きが単調且つ遅いので全て振り下ろそうとしている発生地点で受け止め続ける

「当たり前だ!そいつはこの俺から逃げたんだ、2度とそんな事考えられないように脚の一本ぐらい斬っといてやらねえとな!」

「うーん、剣と魔法の世界でそういった事は覚悟してたけど予想以上に物騒だな」

思っているよりも物騒な答えについつい考えが口に出てしまう

逃げ出した程度で脚を斬られるとは…

一体この女性はこの男にとってどんな存在なのだろうか?

ボロを身につけてる所を見ると男女の関係では無いだろうし、かと言ってファンタジーにありがちな奴隷なら脚を斬ってしまえば言い方は悪いがお荷物になってしまうだろうし…

一番考えられるのは女性は性奴隷で男は女性の脚が無かろうと使えれば良い的な奴なんだろうけど…

さすがに、この女性が奴隷で、男が奴隷商

それで商品が逃げたからイラついて自分の商品の価値を下げるなんて事は馬鹿でも無い限り…


「何をごちゃごちゃ言ってやがる!!そこをどかねぇって言うならまずお前から殺してやるよ!」

「ここまでお約束だと笑いも出てこないな…」

とりあえず、この男との実力差は結構ある様なのでまだ呆然としている女性へと意識を向ける


ボロを纏って、体の至る所に擦り傷や泥汚れはあるけどパッと見ただけで美人だと分かる

年齢は…正直言って女性の年齢は良く分からない

多分20代くらいだとは思うけど何の根拠もないから置いておこう

髪の色は黒でロング、そしてその髪の間から見えた右耳は長く尖っていた

(エルフ…?黒い髪のエルフなんてゲーム時代に居たっけ?)

ゲーム時代の種族がいるなら人間の他に様々な種族がいるのは間違いない

それでもエルフと言えば基本金色の髪をしていたので、ふと不思議に思ってしまう

(まぁ、そういった事含めてやっぱり情報が無いとね…)

そんな事を考えながら意を決して、男の攻撃を防ぎながら女性へと声をかける


「えっと、そこのお嬢さん?で良いのかな?この男は君の身内かな?」

年齢の分からない女性への呼びかけとして正解が分からないのでとりあえず無難そうなお嬢さん呼びで声をかける

ちょっとキザっぽくて恥ずかしいけど、他に呼び方が思いつかなかったから仕方ない…仕方ないと自分に言い聞かせる


すると女性は我にかえった様で辺りを見渡し自分に声をかけられたのだと気付くと首を横に振り、否定を示した

(そうなると、やっぱり逃亡した奴隷って言う説が一番濃厚かな)


「ん~、じゃあ気絶させたりしても問題ない?」

別に攻撃を防ぎ続けるのは、この程度なら苦では無いけど流石に面倒になってきたし、このレベル差なら気絶させてしまうのが一番良いだろう

その後ゆっくりいろいろ聞けばいいだろうし、と考えていると女性が今度は首を縦に振った

「そっかそっか」

「てめぇ、何余裕こいてやがる!いいぜ、そろそろ他の奴らも追い付いてくるだろうが、その前にこの俺様のとっておきのスキルで」

(あ、増援がいるのか。じゃあやっぱり盗賊か山賊かな)

となると…

「あ、そういうのは間に合ってるので」

そう言いながら、盾系スキル「スタンバッシュ」を発動して男の動きを硬直させ、そのまま流れで男の顎を掠める様に横から当て身をして脳震盪(のうしんとう)をおこさせ気絶させた



女性からは「……え?」と言う不思議そうな呟きが聞こえてきた

アイギスを金属球に戻して剣帯に戻してから女性に手を差し出し改めて声をかける

「えーっと立てるかな?」

男の言っていた事が本当ならこの後ここに男の仲間が来るかもしれない

なら女性が歩けるならモンスターの多いこの森より、森の外に出た方がいいだろう

なんて事を考えていると、女性は目を閉じながら後ろに倒れ込んだ

「あ、ちょっと!?」


…どうやら危険から脱して安心したからなのか、気を失ってしまったらしい


「さて、どうしようか…」

現状をまとめると

目の前には気絶した人が二人

場所はモンスターの多い森の中

もうすぐ男の仲間がやってくる

男の仲間と鉢合わせしてしまえば、また戦闘になる可能性が大

この場に留まるといろいろと面倒が多い

森の外がどうなっているのか情報は何もなし

「気絶した男女を担いで森から出てくる男…間違いなく怪しいな」

そうなると…


「…はぁー……、仕方ない。ホームに帰るか…」

暫く戻らない的な言葉を残して二人に任せたのにその日の内に帰るとか…

凄く恥ずかしいけど、他に安全な選択肢も思いつかないし…

恥よりも人命優先、と自分に言い聞かせて帰宅を決意し、男と女性を両肩に担ぎホームへと道を戻って行った




スキル説明

【スタンバッシュ】盾系スキル:盾を使った攻撃スキル。相手に極小ダメージと数秒の硬直(熟練度依存)を発生させる、もしくは受ける物理攻撃に対してのカウンターとして使用出来る

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