旅立ち
短めですが出来るだけ早めに更新していけるよう頑張ります
戦闘訓練が終わってから、旅の支度をしながら今度こそ当初の目標を確認していく
最初に確認しようとしていた二つ
・自分がどれだけ体を動かせるのか
・周りに生息しているモンスターなどと戦えるのか
はここ半月ほど生活してだいたい分かった
自分がどれだけ動けるのかはゲーム時代とほぼ遜色はないけど、ゲームだからと出来ていた無理な動きはしようと思えば出来るけど…
無理な動きをした個所が寝違えた様に傷んだり筋肉が張ったりなどそれなりに無理が出るから極力しないようにしようと思う
周りに生息しているモンスター等は転生してくる前のメールにあった様に適正レベルの敵が殆どの様で、生き物を殺すと言う抵抗感さえ目をつむれば簡単に倒せるモンスターばかりだった
一応カンストに近い能力値の自分だからなのかゲーム時代ではSランクに分類されるモンスターが多かったのだが、ゲーム時代から知っているそれよりも弱いと感じるほどだった
そして残り二つ
・ゲーム時代との違いはどれくらいあるのか
・近くに人は住んでいるか
ゲーム時代との違いは今でもだいぶ感じてはいるけど、まだモンスターとの戦闘面のみでしか理解してない…
今の人々の生活、生活水準、地理、そしてPVP…つまり人と人との戦闘面等々違いを理解していないと大変になるだろう様々な事がまだ何も情報が無い
そしてそれを知る足がかりになるであろう近くに人がいるか
これを確認しない事にはこれから生きて行くのは難しいだろう
だからこそ、最初に生き物を殺すという事に精神的なダメージを受けて挫けてしまっていたけど、今では多少割り切れるようになったからこそ、すぐにでも確認するべきだろう
鏡花とセバスチャンに協力してもらって疑似PVP対策
ホーム外に出て何度もモンスターと戦って、なんとか生物、肉を切る感覚にも無理やり慣らした
不殺用武器の性能もモンスター相手に試してちゃんと機能する事も確認した
旅に出る為の準備も無駄になるくらい何度も確認した
日持ちのする食材、物々交換用の作物の種や酒、そして薬
今でも使われているかも分からないゲーム時代の通貨
これらを旅人としておかしくない量を手持ちの荷物として、他に持って行く物をストレージに
これだけ事前に準備したら暫くは戻ってこれない事になっても大丈夫だろう
「それじゃあちょっと出かけてくるから家の管理頼んだよ」
「「了解しました。」」
「ご主人様のお帰りになるこの場所はしっかりと管理させて頂きますのでご心配なく」
「菜園や畑、工房なども管理から収穫など全て御指示通りにさせて頂きますので。」
「うん、それじゃあ行ってきます」
「「いってらっしゃいませ」」
昼過ぎに管理を任せる二体に声をかけ、ホームの外へ出る
これまでホーム周りを軽く探索した結果、このホームが転移した森は結構広大な範囲に広がっているようで
風魔法の改変魔法【フライ】で上空から確認したら周囲50kmは森が続いているようだった。
普通ならさっさと森を抜けるべきなのだろうけど、ホームに戻ってくる時の事を考え日が高いうちは出来るだけ歩いてマッピングする事にして、そして暗くなる頃には森を抜けて野宿する事にしよう
~~~~~~~~~~~~~~~~~
飛翼竜7頭
狂化合成獣4頭
大狼12頭
ワイルドウルフ30頭
アースドラゴン3頭
レッドドラゴン1頭
ハイゴブリン20体
ハイマジックゴブリン15体
ジェネラルオーガ10体
キングオーガ5体
カーストレント20体
ジャイアントトレント10体
シューマノイドグラス26体
ジャイアントスパイダー5匹
キリングスパイダー15匹
ポイズンスパイダー 沢山
パラライズキャタピラー 沢山
ボムモスキート 沢山
その他虫系多数
数歩歩けば敵に出くわし、倒しては出くわし、また歩けば敵に出会って、倒した血の臭いに誘われまた敵に出会い…
そんな事を繰り返し、北から東へ、南へとマッピングしていくとあっという間に日が傾いてきた
自分の戦闘能力が高いからこそ、こんな結構無茶な探索が出来ているけど普通に考えれば相当脅威度の高い森なのだと改めて実感する
マッピング自体は【マッピング】の魔法でゲーム時代と同じ要領で自分がいる場所の周囲を認識して地図が目の前にホログラムの様に浮かび上がるので書く手間は無い
勿論一度マッピングされたホログラムマップにはその地形が記録される。
ただし【マッピング】が認識されない範囲に居る状態で道や地形が変わった時は反映されず、改めて認識範囲内に入った時に起動すれば更新されるようになっている
自分の周囲しか認識されないからチートの様に行った事が無い場所まで分かる、マップが自動で更新される、と言うのは無いのが残念な所だ
そうなると問題になってくるのはこのレベルの森や敵は、どれくらいの脅威度として認識されているか…
これがSランクやAランク判定なら自分はこれからやっていける
だけどこれがBランクやCランク判定、もしくはそれ以下なら…
何はともあれ情報が少なすぎる今は自分が出来る事をやって行こう
そう心に決めて最後に残った西側の探索を日が暮れる前にするべく少し急ぎ目に走り始めた
~~~~~~~~~
だいぶ探索も終わり、日が沈みかけそろそろ森が抜けるといった頃、何か言い争うような声が聞こえてきた
「人の声…だよな?」
北、東、南と森を抜ける近くまで探索して来て人の気配など何もなかったのに、西の探索終わりにようやく見つけた人の気配
(なにか怒鳴り声の様だったけど、とりあえず近付いて様子を見てみるべきかな)
戦闘音や、金属…武器がぶつかり合う音も聞こえない
となると…
(普段からゲームをやっていれば想像できる場面もあるけど出来れば出くわしたくは無い場面ばかりだな)
不安もあるが何より予想通りだったら、放置もしておけない
そうと決まれば補助スキル【ブースト】を自分にかけて声のした方へ駆けて行く
【縮地】を連続使用出来ればもっと早いのだろうけど、あくまで【縮地】は直線移動しか出来ないスキルだ
このまま直進で着ける場所、もしくは目標が見えている状態なら良いけど、生憎と木々が邪魔してどうしても直進はできないし目標もまだみえては居ない
ただ幸いな事にすぐに【マッピング】の範囲に収まったらしく、あと距離は1kmと無いようだ
「さて、間に合うかどうか」
確認出来た人数は2人
そしてそのうち1人はカルマ値が-(マイナス)である事を示す赤で表示されている
残念ながら想像していた予想通りの展開の様だ…
スキル説明
【マッピング】基本スキル:発動中の範囲1kmのマップを表示する。道、山、川、海、街、村等の他人物まで表示する。~中略~ カルマ値が-になっている人物は赤く、+になっている人物は青く、中立は黄色く表示される。
【ブースト】基本スキル(補助):身体能力を上昇させる。上昇範囲は熟練度に依存する
モンスター等の詳細は後々