エピローグ
あの塔での戦いから1年、私たちの周りはあの戦いが嘘だったように平和な時が流れていた。
悠里ちゃんも元気になって、今もずっと仲良くしている。
時々、あの戦いが本当に嘘だったんじゃないかって思う時がある。
それは19年前と違って、私と使徒との戦いが表になっていないから。
まあそれも、パパとママが私に変な重荷を背負わせないために隊長さんたちと色々してくれたおかげなんだけどね。
だから私が塔の頂上でユーリを倒して、使徒を完全に消滅させたことを知っているのはこの世界に9人しかいない。
でも、私にはティアと交わした言葉や、悠里ちゃんと戦った記憶が残ってる。
悠里ちゃんとの戦いはあまり思い出したくないけれど、ティアにはたまに会いたいなって思う時がある。
私が成長できたのは、ティアのおかげでもあるから。
ねえ、ティア。
あなたがずっとずっと平和にしたかった世界は、今もこうして続いてるよ。
だから安心して、見守っていてほしいんだ。
私がこれから歩む道を。人間が、歩んでいく世界を。
これにて「もう一度、僕たちの空を」は完全に完結です。このボリュームで7年もかけてしまったことは私の力不足ですが、最後まで書けたことだけは自分の糧にしたいと思います。
それでは、またどこかでお会いすることがあれば。