表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【詩集】日常から

無機質な悲劇

作者: につき

手のひらに走る静脈の川

遡ればどこに辿り着く


見えている世界の全ては

広がっていくのに

知覚できる範囲は狭まっているよう


微細に詳細に意識は向けられて

ヒトゲノムに答えは見つかったのか


自律するいのちは意志を持たないはずなのに

構成体であるわたしたちは我儘だ


ヒールの爪先が痛いだとか

ネクタイの首元が暑いとか

ラッシュの朝が息苦しいとか

ネオンの夜が眩しすぎるとか


それらは切実でありながら

魂の摩耗を繰り返し

われわれは

いつしか摂理から遠く離れてしまう


月の光になにやら足元が騒いで落ち着かず

陽の光に晒されて茫然と無力感に襲われて


気が付けば

取り囲まれてしまっている

無機質と勘違いした悲劇に


形を持たないこころが裂けていく

形のないわたしのコアが抗っている

まだ人を信じていいのかと

まだわたしを信じていいのかと

お読み頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ