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護るべきもの  作者: 狐孫(きつねのまご)
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一目

 祖母の葬式が終わってから一週間がたった。

葬儀の手配や親戚、祖母の知り合いへの連絡など大変な処理は、後見人の弁護士さんがテキパキと対応してくれている。

本当に有り難い、きっと私だけ残されたなら悲しむだけで動けなかっただろう。

本来頼るべき親族も近くに住んでないし、会ったことが無いので誰に頼れば良いか検討が付かない。

今まで親族について無関心だったのだなと少し後悔もした。

後見人の弁護士さんが連絡をとった親族に私の弟を預かっている家がある事が分かった。弟の存在を初めて知った事に驚かれた。

しょうがないじゃない必要なければ戸籍なんて調べないもの。


「弟ってどんな子だろう。」

学校の教室で一人つぶやく。


「え、あんた弟居るの。」

少し驚いた様な表情をしている友人。

「うん、居るみたい。」

会ったことは無いけどねと付け加える。

「可愛い子だと良いね。」

「そうね。」

適当に相づちを打つ。

産まれて一度もあったことが無い。どう対応したら良いか分からない。

期待と不安が交互に押し寄せてくる。

正直な所、可愛いかどうかより真面目な人なら良いと思っている。

後見人から得た情報によれば、年は3つほど下らしい。

年齢から考えて第二次成長期真っ盛りだろう。

難しいお年頃だからこじれて面倒な事にならなければ良いが。

弟の後見人になった親戚が弟を次期当主に押しているらしい。

後見人のすすめで、弟に関する情報と弟の後見人の親戚の情報を調べている。調べ終わる来週の休みぐらいには会いに行こうと考えている。

当主になるには、瞳の力を見せなければいけないらしい。


「さて、どうしたものかねぇ」

柊は、未だに瞳の力の使い方については全く知らない事を思い出していた。

「なるようになるって~。」

友人の軽い言葉でも気分は幾分か軽くなる。

またあとでね~。と言って去って行く友人に、またね。と小さく返す。

「瞳」関係の書物は、住んでいる家には無かった。

瞳という名前からして目に関係しているのかも知れないと鏡の前で一時間目を見つめてもみた。

結果は、ゲシュタルト崩壊を起こしただけで無駄だった。



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