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2014年/短編まとめ

乱視少女

作者: 文崎 美生

視力が悪いのは生まれつきだ。


両親ともに視力は良くなかった為私も自然とそうなり、私は成長するに従い目を酷使させさらなる低下。


ぶれる世界。


乱反射する世界。


そんな狭い世界で沢山のものを見てきた。


メガネはかけるしコンタクトも持ってはいる。


だがコンタクトのように自分の眼球に異物を入れるのは好きじゃない。


その上メガネで縁どられた世界も好きじゃない。


メガネに至っては動きにくいんだよ。


横目で見ようとすればレンズが届かずに裸眼でチラリと見る。


だが近視かつ乱視の私では何もわからずに首を動かす。


そんな些細なことですら面倒なのだ。


私は見えない世界が好きだ。


確かに不便ではある。


でも、それでも、私は見えない世界がぶれた世界が乱反射する世界が好きだ。


人の目が怖くなくなるから。


見たくないものが見えないから。


意識して目をそらす必要なんてない。


ただ縁どられた世界や眼球に異物を入れることをしないだけで出来ること。


乱視の私ではもう視力が良くなることはないだろう。


まぁ、意識して生活さえすれば多少は良くなるかもしれないが。


そんなことをする気は毛頭ない。


面倒だしね。


見えないことを嘆く人は少なからず居るだろう。


不便に感じるだろう。


それでもその見にくい世界で目を凝らしてみて。


自分にしか見えない物があるはずだから。


私にしか感じられない世界があるはずだから。


だから私は自分の目を愛せるのだ。


レンズ越しに切り取られたハッキリした世界じゃなくてもいい。


ただ自然体でボンヤリした世界でもいいじゃないか。


私は乱視に感謝を覚えるくらいだ。


それが私の目の話……。

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