メイド Real Escape
約束通り今日の晩ご飯を外食にてウナギ料理を御馳走した後。とんとろ山芋と卵の黄身がポンとのった、うなとろ丼を食べた後。って、あれ? 約束してたんだっけ? ま、いいか。ウナギちゃんウマウマ。
お腹が落ち着いてきた所で、リンちゃんとチーちゃんをお風呂に送り込んで、俺は明日のための仕込みをコソコソと。途中、二人がのぼせてないか確認しつつ、ここ最近買い込んでいた品々と、例のブツと一緒に受け取った各アイテムの確認を行っていく。うん、大抵の物は揃ってるね。ただ、実際に必要になるのは明日。なので、それまでは押し入れの中でお休みしていて下さい。
たっぷりと時間をかけてお風呂を堪能した二人の前に風呂上がりのプリンを出して気をそらします。っと、その前に牛乳が欲しかったようで、冷蔵庫をガチャッと。あ、やば。
「あれ? おじさん、なんか牛乳多くない?」
「ん? ああ、それか。リンちゃんとチーちゃんが風呂上がりに毎日牛乳を飲むからな。特売ついでにちょっと買い込んだだけだ」
「ふーん。でもちゃんと賞味期限見て買ってよねー。それと、奥の方に期限が一番近い日のが置いてあるよー?」
「む……まぁ大丈夫だろ。これまでの消費を思い出す限り、十分に許容範囲内だ。それより、あまり開けっ放しにするな。冷気が逃げるだろ」
「リンねぇ、コップなのです」
「ありがとチーちゃん。でも先に並べ替えとくねー。チーちゃんこれお願い」
「手が、塞がって……」
「はいはい。並べ替えは俺がやっておくから、牛乳持ってけ」
冷蔵庫の冷気で涼む二人を追い散らし、言われた通りに牛乳を並べ替えていく。リンちゃんがまたもや俺のお気に入りコップを使ってたが、もう何も言うまい。そのコップはリンちゃん専用にしてあげますよ。
「プーリン♪ プーリン♪」
「プチっと、な……」
ぷるるん。チーちゃんの手によりお皿の上にポトッと落ちたプリンさんがフルフル震えます。美味しそうだなー。俺も食べよっと。
じっくりたっぷりプリンちゃんを堪能する二人とは違い、さささっとプリンを食したその後は、まだ濡れたままだったリンちゃんとチーちゃんの髪を交互にドライヤーで乾かしながら髪をとかしていく。え~と……冷風を使って、決して毛の流れに逆らうような風向きにはしないようにして、力を込めずに優しくブラシを髪に入れていく。良いな~、この髪質。俺のとは段違いです。
「うむうむ、その殊勝な心掛け、褒めて遣わすぞよ」
「でも、技術はまだまだ……です。もっと、精進を……積むの、です……」
俺、いつから二人の下僕というか執事というかお世話掛かりになったんだろう。居候してるのはリンちゃんとチーちゃんの方でしたよね?
髪を乾かし終わった所で、もう夜の9時。二人のお子さんはもう寝る時間です。
「おやすみなさーい」
「おやすみ、です」
「おう、おやすみ。んじゃ、また後でな」
寝室へと引き上げていく二人を見送った後、テープルの上に置きっぱなしのプリンカップやコップを片付けていく。この生活にも慣れ始めている頃だし、そろそろ片付け当番制とか掃除機掛けとか毎日のお仕事を少しずつ振り分けていって教育してかないとなー。このままだとぐうたらさんとなってしまう。
俺、家政婦さんじゃないんですけど。家政婦さんのような万能機能は全然持ち合わせていませんけどね。ボタン一つでピッと全自動、家政婦さんロボット欲しいな~。べらぼうに高すぎて買えませんけど。
そして夜10時。俺はいつもの生活サイクルを曲げて、床につく。ぐにっと曲げて床につく。
これからは、もう少し二人のメイドタイムと重ね合わせて生活していく所存。あんな事があったばかりだしな。俺の見ていない所で何かが起きてしまい、それを俺が知らないというのはちょっと避けたい。流石に四六時中つきまとうつもりはないが、駆けつける事すら出来ないのは言語道断。
ではでは。フルダイブ、スタート! って言っても、まずは寝ないと始まらないんですけどねー。おやすみなさい。Zzzz...。.
♪♪♪♪♪♪♪♪姪とオンライン♪♪♪♪♪♪♪♪
最新型のVR機器スリフィディアでのログインは、睡眠状態でのみ可能となっている。首輪型の本体と、中継器としての役割を持つアンテナ。それが一対でスリフィディア。どちらが欠けても機能しない。
ログインするには、本体である首輪を付けて、アンテナを適当な場所へと設置していればいい。アンテナと首輪型本体との受信距離は聞いた所によると100メートルぐらいは余裕でカバー出来るらしいので、家の中なら基本的に何処でも良いようだった。
首輪を付けた状態で横になり眠ろうとする意思を持つとスリフィディアはそれを感知し、ログイン可能状態である事を確認した後、首輪から快眠音波が発せられる。それから1時間後、すっかり眠りに落ちたプレイヤーは意識ごとメイドオンラインの世界へと飛ばされる。そのため、ログインした瞬間というのは大抵が眠った状態からの起床という状況によく似ていた。但し、眠気というのはまるで感じない。ただ意識が覚醒していくような感覚があるだけである。
ゲーム内での起床時の場所は宿屋のベッドの上が最も確率が高く、次いで寛げる柔らかいソファーの上とかが多い。町の中にある知り合いのお宅にお邪魔している時もしばしば。悪くても人通りの少ない公園のベンチで座っている事が多く、決して立っている状態だとか町の外でという事はなかった。町の外でログアウトしたのに何で?などという疑問が浮かぶ訳なのだが、どうやらこのメイドオンラインではログアウトした後もアバターであるキャラが残っているらしく、他のプレイヤー達がまず気がつかないレベル――恐らくデータ上での処理であるので、認識できるのはゲーム世界内で暮らしているNPCだけという仮想レベル――で行動をしているのだ、という設定を暇なプレイヤーの方々が妄想しているのだとか。そして、ログインする前の睡眠1時間を利用して体裁を整えているのだと。
そんな曖昧な情報は兎も角として、このメイドオンラインの世界では、現実の3倍の時間を過ごす事が出来るようになっている。但しその反面、ログインしていられる時間は、現実時間にして最大で5時間。このメイド世界ではその3倍の15時間を過ごす事が出来る。
この事から、ほとんどこのメイド世界での生活は、現実での生活時間とほぼ同じであるため、第二の人生とまで呼ばれるようになっていた。そりゃまぁ現実で眠っている間に連続した15時間の生活が毎日ほぼ確実に出来るんだからね。現実世界とこのメイド世界を交互に行き来しているのと変わらないよねー。
そんな訳なので、若者達だけでなく多くの世代の人達がスリフィディアという最新VR機器を欲しがっている。のだが……残念ながら、このスリフィディアというVR機器の入手には、少しばかり特殊な事情により、普通には入手する事が出来ないようになっていた。
流石にいきなり大量の数を揃えるのが難しいというのもある訳なのだが、そもそも完全予約制であり事前登録審査も必要だというレアアイテムぶり。その審査に関しても、初回の予約だけは小学生高学年から高等学校生を中心とした親子同時購入しか受け付けないという超特殊条件。なんでそんな超特殊な限定をしているんだと、誰もが思うだろう。
ただ、それでも購入をしようと決める親はとても多かった。というか、むしろ購入しなければと思った親の方が多かっただろう。
ゲーム機器なのに、何故そう思ってしまうのか。その理由は、スリフィディアを使用する上で子供側に義務づけられたある一つのルールが関係していた。
それは、ゲーム内での義務教育システム。ゲーム内時間の20%を、メイド世界側で用意した仮想塾にて勉強する事を強制されるという、子供側にとってはちょっと嫌~な、親側にとっては喜ぶべき勉強時間。そんな誰もが驚いた意外なルールが、スリフィディアというVR機器は組み込まれていた。
そんなある意味斬新すぎる情報がスリフィディアの予約開始の情報と共にネット世界に出回った瞬間、それを知った日本中の子供を持つ親から予約が殺到……という訳には、流石にいく訳がない。そもそも睡眠時間中にフルダイブするという事からして、まだその技術が確立したという情報を世間は聞いていない訳で。何かしらの危険性が伴うものとして、世間では認知されていた。普通にはフルダイブしてるのに、睡眠フルダイブは何故か警戒したのである。
まぁその背景には、VR開発初期のとあるトラブルが起因している訳なのだが。20年近く前の事なのに、誰かがどこかから情報を引っ張り出してきて一騒動が起きていたらしい。スリフィディア発売情報が出回る少し前に。
そして更に一押し、怪しさ抜群の情報も発売情報が出てすぐに出回った。そもそもそのスリフィディアを製作/販売するメイド社なる会社が、誰もその所在地を知らない謎に包まれた会社である事が判明。過去作のメイドシリーズにしても、いったいどうやって流通させているのかすら不明のまま世に出回っているというのだから、そのスリフィディアという最新VR機器を購入しようとする親はほとんどいなかった。
だが、それもある時急変する。
それは、非公式にネットへとばらまかれた、ある一つの宣伝画像。メイド社から仕事を受けたと語る者達が、実際にスリフィディアを使用してネット世界へとフルダイブし、その世界での教育方法や各種ゲーム内情報を体験しながら説明するという、いかにもパチモンだと思われそうな動画が出回った。しかし実際にそれを行っている者達は身元が確かな者ばかりであり、中にはお茶の間を時折賑わせている有名人さんも混じっていた事から一波乱。
その後、その宣伝ならぬ実験じみた仕事を行った者達が依頼主より受けた仕事依頼メールとその仕事の内容と仕事方法、および前金と仕事完遂時の仕事料金(高額)の振り込みまで第三者がしっかり確認する、という特番が放送された所で、予約が一気に殺到した。つまり、最大の懸念点が払拭されたので、みんな買おうとしたのだ。
とはいえ事前登録審査があるので、予約すれば必ず買えるという訳でもない。先にも述べたように、このスリフィディアの初回版を購入出来るのは、小学生高学年から高等学校生の子供を持つ親だけ。それも親子同時購入に限る。それ以外の人達は、色んな嘘を吐いてまで頑張って手に入れようとしたが、当然の事ながら予約審査の時点で全員落選。審査に無事合格し、尚かつ当選した運の良い親さんには、後日に当選通知と購入方法が色んな方法にて通達されたらしい。
ちなみに、情報の真偽を確かめるべく警察も動いて検証/捜査した結果、スリフィディアを使用しても特に害は確認されなかったらしい。但し依頼元には辿り着けなかったみたいだけど。メイド社なる会社の謎は更に深まった訳なのだが、逆に警察まで動いて実証してしまった事でスリフィディアの安全性と価値は更に高まった。
それが、スリフィディア発売の一ヶ月前の出来事。予約の開始は元旦でした。
これ、今日俺が電車に揺られながら暇潰しに調べた情報の一部ね。リンちゃんとチーちゃんの「調べちゃダメ!」命令もようやく解除されたので、早速調べました。まぁ、あんな事があったので命令解除されなくても調べてたけどね。
で、です。
とりあえずスリフィディアがとってもいわくつきのアイテムだという事が分かった訳ですけど、それでもやはりスリフィディアが欲しいと思う人はたくさんいる訳です。となれば現実世界で盗難などの被害が相次ぎそうなものなのですが……そこは予約時の事前登録審査で先に個人情報がスリフィディア本体にインプットされているので、まず他人には起動する事すら出来ないそうです。
発売前の検証時には、そのセキュリティがメイド社によって事前に殺されている期間限定で使用可能なプロトタイプが使われていたみたいだけど、本物のスリフィディアでは他人に貸与しても基本的に使用は不可能となっていた。ちなみに登録されている情報の改ざんは今の所誰も成功していないそうです。
ただ、それにはどうも例外があるらしく、血族間であれば場合によっては使用出来るらしかった。恐らく、俺のあの問題の原点はここにあるらしい。
スリフィディアを初回時に起動する時は、起きたままでも行える。それは個人情報を再度登録する必要があるため、寝てからでは対処出来なくなる可能性があるからだ。だっていちいち全部覚えてませんよね? それにこのスリフィディアを使うのは子供達も含まれている訳ですから、どうしてもサポートが必要だったりします。
その辺のサポート方法として、スリフィディア同士を近づける事でお互いを同一のVR空間へと一時的に誘い、登録の代行処理などが出来るようになっているらしかった。
んで、以上の情報――血族使用、初回起動、個人情報登録――から導き出せる結論というのは。
まず一つ。元々俺が使用しているスリフィディアは、俺の姉が使う予定の物だった事。
次に、初回起動。思い出してみて下さい。俺、いきなりメイドオンラインの世界に放り込まれましたよね? しかもバリバリといいながら。どうやらあの日は、サービス開始から二日目だった模様です。
そこから考えるに、その前日のお昼寝中、どうやらリンちゃんとチーちゃんが寝ている俺にスリフィディアを付けて、代行入力や俺のプレイヤーキャラの設定をしていたようです。道理で変な夢だと思いましたよ。あと、起きた時になんか肌に人の温もりが残っているように感じたのは気のせいではなかった模様です。リンちゃんとチーちゃんは自分用のスリフィディアを首に付けて俺にピトっとくっつく必要があったしね。そうか……寝ている間に抱きつかれていたのか。
そして、一番の問題点である俺が女性キャラを使う羽目になったというイレギュラー。これはどうも俺の姉が使う予定だったスリフィディアに、リンちゃんとチーちゃんが母親の個人情報を入力してしまった事からきている可能性が高かった。まぁ、俺の個人情報なんて二人はまだほとんど知らないと思うしね。脳スキャンの結果、俺が男性である事はスリフィディアは勿論認識したのだが、事前に登録されていた情報と、スリフィディア初回起動時に改めて登録された情報が一致、および二人が女性風のキャラを作成した事に加えて血族だという確認が取れた事、何よりリンちゃんとチーちゃんがスリフィディアが出してきたエラーの尽くを問題なしと解答し続けた事によって、スリフィディア側も遂に折れたらしかった。いや、折れないでよ!
まぁ、いくら脳スキャンをしているとはいえ、VR機器もまだまだ完全ではない事が証明された訳なのです。実際にそういう例も実はなくもないのだとか。そりゃね、心は乙女だけと身体は漢な人もいる訳だし、その逆も然り。あまり言うべき事ではないが、そもそも両性で生まれてきてしまっている人もいる。脳スキャンだけじゃどうしても越える事が難しい事もあるよね。
ただ俺の場合に限っては、血の繋がりと確信犯が理由な訳だが。その無理矢理な女性化処理に伴い、リンちゃんやチーちゃんが当初設定していたキャラよりも顔立ちは俺本来のものに少し近かったり、身長もちょっと伸びていたり、何より胸が大きくなってしまっていたりと。スリフィディアによって色々とカスタマイズ処理されていました。スリフィディアさんも混乱してたみたいです。
まぁ、別に良いけどね。VRじゃなかった時代のオンラインゲームだと、異性キャラを使うのは別に珍しくない事だったし。かくいう俺も女性キャラをよく使っていたしねー。あ、これ内緒だよ?
さて。
現実逃避するのも、そろそろ止めよっかな。
このメイド世界で3時間前、リアル時間で1時間前にログインしたリンちゃんとチーちゃんも、今日の勉強ノルマを終えてこっちの世界に飛んで来たみたいだしね。二人と合流して、これからの事をちょっと相談にのって貰おう。
俺がログインしてまず最初に途方に暮れてしまった『バランスブレーカー』という称号の件については、とりあえず闇の中へとポイポイ。称号は無事消す事が出来たし、それを知っている人は誰もいないし。この件はきっと解決!
それよりも問題なのは……。
借金:2078万4000FG
なんか、途方もない借金がステータス欄に表示されていました。
その横で光っていた文書マークの中身を見てみると……どうやら昨日の件で俺が壊したり燃やしたりした家具やら何やらの請求額らしかった。
もう少し詳しく読んでみると……。
どうやら俺は緊急クエストを受けてなかったので、例え本人に悪意がなくそれが必要な事だったとしても、この街からの保証を俺は受ける事が出来ず、俺が壊したり燃やしたりした物は全て当人が弁償しなければないのだそうです。幸いにして、利子なし返済期限なしという好待遇だったけど。
うーん。思い出してきたら、また現実逃避したくなってきた。
ちなみに、FGという貨幣単位は、この国の名前である《神聖フェネシス龍皇国》から取ったフェネシスゴールドの略だそうです。現実逃避ついでにこの国で流通している貨幣は、フェネシス金貨、フェネシス銀貨、フェネシス銅貨の三つ。それぞれの価値は、銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨1枚という非常に分かりやすい貨幣制度になっていました。
ただ、お隣にある国では使用している貨幣が違っていたり、交換レートも日々変わっていたりと少し複雑になっていたりもします。まぁ、そのお隣さんの国に行くにはかなりの距離を旅しないといけないので、今は全く考えなくて良いけどね。軽く1000kmはあるみたいです。ほんとにいけるのかな……。
そんな所で、ピンポーンというチャイムが鳴る。どうやらリンちゃんとチーちゃんが俺を発見して、向こうからコンタクトを試みたみたいだね。ちなみにこちらの世界での二人のキャラは、それぞれマリ―ベルとセントアンヌ。愛称は、マリリンとセンねぇちゃん。
『ただいま留守にしております。御用の方は、ピーッという発信音の……』
『カズねぇいるじゃん! というか、何でいるの?』
さーて、この莫大な借金をどうやって返せばいいのか、二人に是非相談にのって貰わないと。勿論、真実は伏せて遠回しにお金稼ぎの方法を聞くだけだけど。こんな事、真っ正直に話したらいったい何を言われる事やら。きっと話せば、マリリンからは晩ご飯に豪華ディナーの外食、センねぇちゃんからは毎日のオヤツの保証とグレードアップを要求されそうだし、やっぱ言わぬが吉だよね。
『ま、その辺の理由は後でしてやるよ。とりあえず、合流しないか? 相談したい事がある』
『うん、いいよー。ちょうど私達もカズねぇに相談したい事があったし。いつもの場所でいい?』
いつもの場所って何処だよ。一緒に入った事のある喫茶店は、昨日全部ダメになっちゃいましたよ?
『カズミちゃん、西広場の噴水の前で待っていますので、急いで来て下さいね。浮気しちゃダメですよ?』
『あーいよ』
――と返事したのに。センねぇちゃん、ごめんなさい。
道中、ちびっ子リンネちゃんの後ろ姿を見かけたので、つい浮気しちゃいました。後ろから声をかけて振り向いた所を頬をぷにっとしただけどね。
逃げ足で逆に予定より早く着いてしまったのはご愛敬です。
♪御意見、御感想をお待ちしています♪
リン「リンちゃんと」
チー「チーちゃんの」
「「あとがき劇場エクセレンツ!」」
リン「わー、わー、ぱちぱちぱちぱち」
チー「ドンドン、ぱふぱふ」
リン「どぉわい51話!」
チー「あ、なんか久しぶりなのです、その言い方」
リン「ふっふーん、ちょっと初心にかえってみようと思ってね~」
チー「あれ? その言い方って最初の頃に使ってましたっけ?」
リン「まー、そんなことはいいからいいから。それより、チーちゃん」
チー「はい、なんでしょうか、リンねぇ」
リン「一つ前の話の事だけど、気が付いた?」
チー「なにがです?」
リン「チーちゃん、名前出てたよ?」
チー「……えっ!?」
リン「あ、やっぱ気が付いてなかったんだ」
チー「う~、読み逃しちゃったのです、私の名前。どんな名前だったんです?」
リン「どんな名前って……チーちゃん、自分の名前なんだから当然知ってるんじゃ……」
チー「チーちゃん歴が長すぎてすっかり忘れてしてたり、してなかったり?」
リン「私もリンちゃん歴が長いから~。私の名前も読者さん達に忘れられてそ」
チー「しかもリンネちゃんというトラップキャラもいますしね」
リン「トラップキャラ言うな! それに私はちっちゃくない!」
リン「え?」
チー「あれ?」
リン「……今、なんか私じゃない私がいなかった?」
チー「です……いたのです。二文字制限のこの場所だと、思い切り被りのあの人が」
リン「やっぱ被ってるよね~、トラップキャラだよね~」
チー「ちびっ子さんがいらっしゃると、リンねぇと区別がつかないのです」
鈴音「という訳で、名前かえてみました~♪」
千鶴「じゃ、私も真名をだしちゃうのです。真の名前なのです」
リン「だからちびっ子って言うな! 私はそんなにちっちゃくない!」
鈴音「あ、まだいた。ちっこい羽虫ちゃん」
千鶴「まだいたのです。小さすぎて全然見えなかったのです」
リン「ぐぬ……まだ言うか。年下のくせに生意気!」
鈴音「年下? 誰が?」
千鶴「年下なのですか? そんなにちっちゃいのに?」
リン「ぜ~~~ったいに、私の方が二人よりも年上なんだからね!」
鈴音「ま、そういう具体性のない妄想は置いといて」
千鶴「そうですね。リンねぇ、私達の名前の話に戻しましょうか」
鈴音「ほーら、ちっちゃい羽虫ッ子はさっさと帰った帰った」
千鶴「ここは保育園じゃないのです。バイバイなのです」
リン「あ、こら! 勝手に閉め出すな! あっ、あっ!?」
鈴音「という訳で、トラップキャラはこの空間から追い出しちゃいました」
千鶴「邪魔なのでポイポイです♪」
鈴音「わたしの名前は、すずね! とっても可憐な音を出す鈴なのだ!」
千鶴「え~と……いきなりの事でついていけないのです、リンねぇ」
鈴音「良いから良いから。適当な事を言って自己紹介しよ、チーちゃん」
千鶴「はぁ、分かったのです。えっと、千羽鶴は折った事がない、ちづるちゃんです」
鈴音「千の鶴って名前だと、やっぱそれを思い浮かべちゃうよね~」
千鶴「つると書いて、カクとも読むんですけどね。でもセンカクちゃんじゃないです」
鈴音「ちづるちゃんだから、チーちゃん?」
千鶴「だと思うのです。名付け親は誰かは知らないのですが」
鈴音「私だったら、ちょっとひねってセンちゃんって付けるんだけどね~」
千鶴「あの……それだと、メイドキャラと被っちゃうのです」
鈴音「あれ? セントアンヌってキャラ名、そこからかけてたんじゃないの?」
千鶴「かけてないです。全然かけてないです」
鈴音「そうだったんだ……驚愕の事実!?」
千鶴「いえ、全然驚愕でも何でもないんですけどね」
鈴音「とりあえず、チーちゃんの本名は分かった! みんなもちゃんと覚えてね~♪」
千鶴「私は別にどちらでも良いのですが……」
鈴音「兎に角、めでたしめでたし。ちゃんちゃん」
千鶴「おあとがよろしいようで?」
鈴音「ま、そんなところ。それじゃ、みんなバイバーイ」
千鶴「バイバイなのです~。ぐっばいなのです~」
♪(こっちも)御意見、御感想をお待ちしています♪




