姪と Legendary Title --伝説の称号--
という訳で、今回のオチです。(え、オチ!?)
「あれ? おじさん、今日は起きるの早いね。おはよー」
ギャオー、ギャオーという怪獣の声が遠くの方でしたなーと思ったら、少ししてリンちゃんが部屋から出てきました。ドアを開けた瞬間、怪獣の鳴き声が大きくなったので、きっとそれが今設定している目覚まし音なのだろう。って、あれ? 止めないの? あ、チーちゃんがまだ寝てるのかな。
「おう、おはよう。今日はなんかちょっと目が覚めてな。しかも眠れないときた。だから今日は早起きだ」
「ふーん、そっかー。なら折角だから、一緒にラジオ体操いくー? 春うらら、この季節はとっても気持ちいいよー」
「そうだな。たまにはそれもいいか」
リンちゃんが冷蔵庫を開けて、奥の方に隠していたジュースを取り出す。あ、最近なんかやたらと減りが早いと思ったら、やっぱり飲んでたのか。
「って、おい。それ俺のグラス。勝手に使うなよ」
「いいじゃん、減るもんじゃなし。使い終わったら気が付かれないようにちゃんと洗って元に戻してるんだから」
今、思いっきり気が付かれてますよ!?
「ンクッ……ンクッ……ンクッ……。くは~! この一杯のために生きてるんだよねー」
随分と価値低くないですかー、その人生。しかもそれ、タイムサービス品の安いジュースなんですけど。
「おじさんもいるー? 命の水。寝てる間に寝汗とかで身体から水分減ってるから、起きた時はまず一杯、水分補給した方が良いんだよー」
「知ってる。麦茶飲んだから俺はいいよ。気持ちだけ頂いておきます」
「私の気持ちは高いよー? 一つ三千円」
「金取るの!? しかも地味に高い!」
そして手を出すな。あげないよ、お小遣い。今月は、ね。
「うにゅ~~~。リンねぇ、おはようございますですます~~~」
そんなやりとりをリンちゃんと少し続けてると、遅れてチーちゃんが起きてきました。その手にはどこかで見た事のあるぬいぐるみ。なんかどこかでズタズタに斬り裂いて燃やした記憶があります。というかそれ、もう市販で売ってるんだ。
「おはよー、チーちゃん」
「おはよう、チーちゃん」
「あ、おじさん。おはようございますですますですます~~~」
ですます多いよ。しかもさっきより増えてるし。
それよりも、開け放たれたドアの向こう側からギャオーギャオーっていう怪獣さんの鳴き声がとっても五月蠅いんですけどー。時間の経過と共に音が大きくなっていくタイプの目覚ましなのは分かるんだけど、流石に大きすぎません? それ以前に、ちゃんと止めようよチーちゃん。
「チーちゃん、顔洗おっか。それとも朝シャンする?」
「うにゅ~~」
「おっけー」
え? それで分かるの?
リンちゃんがチーちゃんを洗面台のある脱衣所まで連れて行く。その間に俺はこっそり自分の部屋へと戻り、ちょっとドアを閉めてみる。うぉ……まるで聞こえねぇ。俺の部屋って意外と防音凄かったんだねぇ。長年お世話になってる部屋なのに初めて気が付く新事実。
それはそれとして。目覚まし止めようよ! 近所迷惑ですよ!?
「んー……。気分、サッパリ……です」
目覚ましを止め、チーちゃんのために牛乳を温めていると、脱衣所から寝惚け眼の消えたチーちゃんが姿を現す。何だか寝惚けてた方が言葉がハッキリしてるような~? ジャマ姿からラフな服装へとモデルチェンジ。ラジオ体操行く気満々モード。でもあれ? ぬいぐるみはどこに?
「おじさん……。あの、昨日は……お見苦しい所を、お見せして、しまいまいまして……ありがとう、ございます……ですます……ます……」
あー、うん。ちょっとまだ日本語がおかしいです。寝惚けてます。今の方がお見苦しいかもです。
「ん? 昨日の事と言うと?」
「ベッドの上で……私を……ぎゅっ、と……抱いてくれた事、です……」
瞬間。俺はちょっと固まった。不意打ちにしてもちょっと酷い。確かに心の準備はしてたけど……。流石にこのタイミングで、しかも何気に頬を赤らめてはにかみながらというのは想定外です!
「チーちゃん……大丈夫、なのか?」
「え? ……何が、ですか……?」
「いや、だって……」
きょとんとするチーちゃん。え? え? もしかして俺、昨日のリアル夜、こっそりチーちゃんをベッドに連れ込んで抱いちゃった? いやいや、まさか!?
「いやー、昨日の夜は凄かったよねー」
他人が聞いたら誤解を招きそうな言い方やめて!
「スプラッタ映画ばりに超ゾクゾクしちゃったよー。ん? どしたのおじさん? 私の顔に何かついてるー?」
「御前ら……あの世界での出来事、覚えてるのか?」
「うん、さっき思い出したよー。顔を洗ったらバッチリと」
「です……」
「いや……何とも、ないのか?」
何度も何度も惨殺されたんですよ!? それを目撃してしまったんですよ!? なのに何で二人ともそんなにあっけらかんとしてるんですか!?
「あ、おじさん。もしかしていっちょまえに私達の事、心配してくれてる?」
「そりゃ心配するだろう。特にリンちゃんは緊急ログアウトまでしたんだ。俺が心配しない訳がない」
「ほぇ? 緊急ログアウト? なにそれ?」
まさか認識してない!? というか、いっちょまえって……俺、ちみたちよりも遙かに年上の成人なんですけどー。保護者になれるぐらい立派な大人なんですけどー。
「あ……リンねぇ。もしかして、私より先に……リンねぇが、ログアウト……しちゃったのが……」
「……あー、あーあ~~」
ぽんっとリンちゃんが手を打つ。腕を組んで納得の表情。いやいや、一人で勝手に納得しないでよ。俺にも教えてっ!?
そこからの話はちょっと長くなるから要約。
時間が押してたため俺も着替えてラフな格好になった後、三人で一緒に仲良く家を出ました。勿論、行き先は毎朝ラジオ体操の集いが行われている近くの公園。意外にも若い女子高生さんとか混じってましたよ。目の保養、目の保養。
っていきなり脱線しちまった。
いつも以上に周囲を警戒しながら――特に車ね。早朝は本当にやばい。ドライバーさんも寝惚けてるから――公園へと向かう道すがら、リンちゃんとチーちゃんから事のあらましを聞き……聞けませんでした。公園って意外と近くにあったんだな。また新発見だ。
とりあえずラジオ体操に精を出します。いやー、何年ぶりだろうね。人生の半分ぐらい久しぶりな気がするよ。
ラジオ体操が終わった後は、リンちゃんとチーちゃんが委員長タイプな眼鏡美人の生真面目女子高生さんからスタンプをポン。ついでに俺も話しかけて出会いをゲット。好感度も獲得。やったね! しかし、何で制服着てラジオ体操? これから登校ですか? あ、部活動なんですね。え、文芸部? 想像通りで何よりです。でも文芸部が春休み期間中に朝練って……。いったい何をやってるんだろ。
そしてラジオ体操の帰り道。やっぱ距離が短すぎて聞く暇ねぇや。という訳で、家に帰ってからゆっくり聞くことに致しました。
だけどその前に朝ご飯の準備。なかなか本題に入れないな……。
ようやく落ち着いた所で、朝ご飯をぱくぱく頂きながら二人と楽しくお喋り。今朝のメニュー、卵焼きには牛乳がちこっと入ってるとか、海苔は韓国からの輸入品で結構評判のあるやつだとか。いや、そんなのはどうでもいいか。
やっと本題です。今度こそ本当です。
リンちゃんが先に落ちてしまった理由。それは意外にも簡単な理由でした。
リンちゃん、と~~っても寝付きが良すぎて、布団に入ると3秒で眠りに落ちてしまうんだって。逆にチーちゃんは俺にちょっと似てて、寝付きがあまりよくないときた。
だから、どうしても二人のログイン時間は少しずれてしまう。リンちゃんが先にログインして、後からチーちゃんがログインする。現実時間では十分程度の差かもしれないけど、メイドオンラインの世界ではその3倍の約30分の誤差になってしまいます。
そんな訳で、ログアウト限界時間のタイミングも違うんだとか。いつもは先に落ちてしまうリンちゃんに、チーちゃんが合わせて落ちているとの事。だけど昨日はそのタイミングを逃してしまっちゃったから……。あの壮絶な場面でまさか時間切れになるとは思ってなかったみたいでして。チーちゃんもあの時ばかりはちょっと動揺してしまったそうです。
まぁ、時間差ログアウトの理由は分かりました。でも、もう一つの疑問はまだ晴れていませんよ? どうして二人はそんなにも平然としてられるんですか? やっぱスリフィディアの御陰ですか?
「そういえば、おじさんはまだ知らないんだよね。私達、結構ホラー映画とかスプラッタ映画とか大好きなんだよー」
「隠してコレクション、してるぐらい……とっても、大好き……です……」
いやいやでも。チーちゃん思いっきり泣いてたよ? もう超がつくぐらい。あの状況で泣かれたらとっても心配するでしょうに、普通。
それと、別に隠さなくても別に俺は怒ったりはしませんから。……違法品じゃないよね? そういえばホラーやスプラッタだから、12禁15禁18禁ばりばり多い気が……。
「もー、おじさん。大好きだからといっても、必ずしも泣かないとは限らないんだよ」
「怖いのは、大好きです……。けど、怖すぎちゃうと……ちょっと、泣いちゃいます……」
……泣くほど怖いのに、大好きなんですか? それでも見ちゃうんですか?
「そそ。チーちゃんはねー、泣くのも含めて怖いのが大好きなんだよー。ほら、思い切り泣いた後はスッキリするじゃん。それがいいんだって」
「誰かに抱きついて、思い切り泣くと……もっと気分、スッキリ……♪」
「いつもはその役、私がするんだけどね。でもそっかー。私が落ちた後、やっぱチーちゃんの泣き枕になったのはおじさんなんだね。しかもベッドに連れ込んで?」
「胸……。フカフカ、でした……」
そっか……二人は大丈夫なのか。酷いトラウマ体験になるかと思って凄く心配したんだが、全然平気なのか……。
それを聞いて、身体から力が抜けていく。脱力する。
そして、安心する。とても安心した。
「それにしても。あれ、いったい何だったんだろうねー? メイド博士のチーちゃん、何か心当たりあるー?」
「えっと……」
そういえば、そんな疑問も残ってましたね。すっかり忘れてましたよ。忘れちゃうぐらいリンちゃんとチーちゃんの事を心配してましたよ。
「とりあえず、今は一つだけ……心当たりが……」
「うん? なになにー?」
「バランス……ブレイカー……」
「バランスブレイカー? それってなーに? 食べると美味しいもの?」
いや、それは絶対にないですないです。言葉的に、ぜ~ったいに食べ物じゃありませんって。といっても、まぁ……世界全土を探せばそんな名前の付いた名産が見つかるかもしれないけどね。意外とありそう……しかも意外と近く、国内辺りに。
「過去作でも、結構有名……。違法改造して……した人とかが、見つかると……強制的に贈られる称号、です……」
「へー。その称号を贈られると何が起きるのー?」
「色んな不幸が……起きます……。クエストを受ける事が、出来なくなったり……やたらと、敵が近寄って、きたり……。あと、一時的に……称号が、見えなくなります……」
「あ、称号まで見えなくなるタイプなんだ。英雄や勇者とかの称号と同じなんだね」
「です……。何の、称号を得たのか……分からなくて……ドキドキ、です……」
ほー。なるほどなるほど。改造ね。ま、どこにでもそんなチートプレイしたいと思う奴はいるよなー。改造して俺つえープレイ、楽しいよねー。
「あれ。でもオンラインゲームだから、違法改造って難しくない? セキュリティ一級品だから突破するのもバリバリに難しいって聞くけど?」
「はい……。だから、たぶん……違法改造じゃなくて……まずあり得ない、事を……してしまった、人が……いたのでは、ないかと……私は……思い、ます……」
「例えば英雄とか勇者みたいな神称号が贈られるみたいな、とっても凄い事?」
「バランスブレイカー、ですので……むしろ、まず出来なさそうで、可能性としては、ゼロじゃない事、の方が……近いと、思います……」
「あ、そっかー。となると、結構限られてくるねー」
うん、限られてくるねー。でも俺には思いつかないよー。
さてさて、素の状態でも違法改造時みたいに出来る事ねぇ。まぁ世界は広いからねぇ。たまにはそんな奴でも現れるだろう。なんとか名人さんとか、神業使いさんとか。
「ところで、肝心のあの化け物の話がないんだが。それとこれとはどう関係してくるんだ?」
「あ、そういえば!?」
いやなに、今その事に気が付きましたよ的な驚きは。
「チーちゃん、バランスブレイカーが引き起こす不幸の中に、あの化け物を呼び寄せるとかってあるの?」
「あの化け物が……関係してるかは、分かりませんが……バランスブレイカーの……不幸の、中に……街が、何らかの災害に、見舞われて……滅んでしまうという、兇悪なイベントが……あり、ます……」
「……街が滅ぼされた後って、イベントとかどうなるの?」
「イベントフラグは……その街や住民に、関係しているのは……全部、へし折られます……。だから……場合によっては……クリア、不可能に……なります。最大の……不幸、です……」
クリア不可能になるって。まぁ、違法改造したらそれぐらいのリスクは負うべきだよな。そのリスクをシステム的に内包させてるって訳か。
いや、しかし。そのシステムがVRMMOであるメイドオンラインにも組み込まれているとなると、それってやばくね? 違法改造者が現れた瞬間に……じゃなかったとしても、何かの拍子にバランスブレイカーの称号が贈られてしまう程の化け物じみた行動をしてしまった者が現れてしまった瞬間に、ゲーム自体が一時的に崩壊してしまうだろうに。
「チーちゃん、それって回避可能なのか?」
「え? はい……。災害の内容によって……一応……回避は可能、みたいです……。ただ、とてつもなく、難易度が高いと……聞いています……」
「地震とかの自然災害だったらどうなるんだろ。回避出来るの?」
「その場合には……一例、だけですが……情報が、あります……。何度か、大きな余震があった後……本震が来るので……その前に……いつの間にか、追加されている……ラスボスより強い、隠れボスを……見つけ出して、倒せば……OK、だそうです……。尚……その時は……既存ダンジョンの奥に……余震の影響で……新しい道が出来て、いたそう……です……。隠れボスも……ウナギだったとか……」
いや、それナマズじゃね? 地震っていったらそうでしょう。
「ウナギ……です……」
「今日の晩ご飯だね♪」
しないよ!? しかも季節バリバリ違うから手に入るの!?
とりあえず。物知りチーちゃんでも、サービス開始一週間にして現れたあの兇悪な化け物に該当しそうな特殊イベントは、そのバランスブレイカーの称号だけだそうです。
ったく。誰だよな、そんな称号贈られた奴。迷惑ったら仕方ない。危うく、リンちゃんとチーちゃんがトラウマを抱える所だったじゃねぇか。二人がホラースプラッタ好きじゃなかったら、とっくに俺の鉄拳が飛んでるところだぜ!!
♪♪♪♪♪♪♪♪姪とオンライン♪♪♪♪♪♪♪♪
そして、その夜の事です。
場所はメイドオンライン世界。いつものようにログインしました。
でもスキルは全部白紙。武器もありません。
さて、今日からいったい何をして凄そうかな~? っと思って、とりあえずステータスを確認してみた所。いつのまにか称号が表示されてました。
あれ? 俺ってまだ何も称号贈られてなかったから、空欄じゃなかったの?
と思った次の瞬間、固まりました。めっちゃ固まりました。
何でかって?
そりゃ、その称号覧に『バランスブレイカー』って言葉が見えたからですよ!!
「あ~っと……」
なんで? どうして? なんで俺にこの称号が付いてるの!? いつ贈られたの!?
『へー。その称号を贈られると何が起きるのー?』『色んな不幸が……起きます……。クエストを受ける事が、出来なくなったり……やたらと、敵が近寄って、きたり……』
瞬間。今朝方のリンちゃんとチーちゃんの会話の内容を思い出す。
そういえば……俺、街の住人全員と話したのに、誰からもクエスト受けれなかったんだよね。緊急クエストも何故か受けれなかったし。
あと、蟻くんもやたらと近寄ってきたんだよね。時々あっという間にリンチ状態になるぐらい。勿論、場所によっては他の敵さん達もワラワラと。戦闘前に周囲を確認しても全く姿が見えなかったのに、何故か何故か。あれってBGMの隠し効果じゃなかったんだ……。
思い出せ。思い出せ。あれはいつからだー。
蟻くんが妙に近寄ってきたのは最初から。
クエストが受けれなかったのも最初から……あれ、違う。チュートリアルクエストは受けられたから、その時はまだ『バランスブレイカー』の称号は贈られてなかった?
え~っと……チュートリアルクエストの後は、確かすぐにリンちゃんとチーちゃんに呼び出されて喫茶店でお茶したよね。その後は、ちょっと街から出て蟻くんにボコボコにされて~。死に戻りしたら喫茶店で不味いサンドイッチ食べて……。その後に、クエスト探して街の中を走り回ったんだっけ?
となると……やっぱりあのチュートリアルクエストか……。衰弱状態でクエストをクリアしてしまったのいけなかったのかな?
戦争シミュレーションを勝利したら、僕ちゃん妖精ポックルくんが滅茶苦茶驚いていたし。
女の子妖精ピクリちゃんはクエストクリアが不可能だと見切って、俺の事最初から見限って早口説明してたし。
雌巨人パコパコさんを相手にノーダメージで1時間耐えきったら、学者妖精プクーラくんは俺の事、随分な規格外、今日ほど驚いた日はなかったって言ってたし。
あーーーーーーーーーー、どうしよーーーーーーーー。
原因は俺ちゃんかーーーーーーー。
この称号、外せないかなー。あ、外せた。なら消せないかな? お、消せた!?
うむ……とりあえず、見なかった事に致しましょう。
バランスブレイカー、そんな称号はありませんでした。
という訳で――この事は俺だけのヒ・ミ・ツね♪
めでたしめでたし。
♪御意見、御感想をお待ちしています♪
リン「リンちゃんと」
チー「チーちゃんの」
「「あとがき劇場スペシャル!!」」
リン「わー、わー、ぱちぱちぱちぱち」
チー「ドンドン、ぱふぱふ」
リン「ついに第一節の最終話! 感動のフィナーレ第49話だよ~♪」
チー「せめて後1話欲しかったな~と思わないでもないのですね」
リン「中途半端だよねー。あれだけ闘ったんだから、もう1話闘っても良いのに」
チー「そこだけはもう追加して欲しくないのです……」
リン「それより、私達も久しぶりの登場だよね」
チー「あ!? そうなのです!」
リン「これまでで一番長く出番なかった……」
チー「毎日あとがき劇場でお喋りしてたので、そんな感じは全然ないのですけどね」
リン「ちなみに、前の話での出番はノーカウントね」
チー「です。私達寝てただけなのです」
リン「寝言は決して台詞じゃない!」
チー「でもアニメになると声優さんはちゃんと仕事しないといけませんですね」
リン「え……私達、アニメ化されるの?」
チー「されたらいいな~っと♪」
リン「その前に冊子化されて出版ね。そっちが先だよー」
チー「そしたら、私達の出番も大幅にアップしますかね?」
リン「きっとカズねぇよりも出番が増える筈!」
チー「そしてアニメ化から映画化です♪ その時は主人公の座もゲットなのです♪」
リン「キャラクターグッズも盛りだくさん♪」
チー「海外にも進出しましょうか♪」
リン「夢は大きくだね~♪」
チー「そう、夢なのですね。夢なのです……」
リン「ま、夢は夢。そろそろ現実を見ようか、チーちゃん」
チー「です。夢から覚めたらそこは現実なのです。メイド世界ではないのです」
リン「毎朝6時ちょっと前に起きる私達って、結構早起きだよねー」
チー「早起きは三文の得、ラジオ体操は毎日お得♪」
リン「近くの公園でラジオ体操やってて良かったよね」
チー「前のおうちではちょっと遠かったですね。もっと早起きしなくちゃだったです」
リン「参加者も意外と多いし」
チー「お爺ちゃんお婆ちゃんよりも、子供さん達の方が意外にも多いですよね」
リン「うん。主催は女子高生のお姉さんなんだって」
チー「今時珍しいですよね?」
リン「きっと何か裏があるんだよ。お小遣いアップ目的とか?」
チー「そんな感じは全然しませんでしたけど」
リン「でもそのお姉さんがいるからか、全世代的に参加率が高いみたいだよねー」
チー「私達も気兼ねなく参加出来るですね♪」
リン「お爺ちゃんお婆ちゃんばっかりだと、なんかね」
チー「お菓子をいっぱいくれるのは嬉しいですけど♪」
リン「お饅頭とかお煎餅とか飴ちゃんとかばかりだけど」
チー「リンねぇはお菓子はあまり食べないですよねー」
リン「チーちゃんに比べるとね。あとちょっと最近、体重を気にし始めて……」
チー「まさか太ったのです?」
リン「んにゃ。この前おじさんに肩車して貰ったら、重いって言われた」
チー「ひとーつメイド世、自爆オチさせて、ふた~つ不埒な言動、みぃ~つ……」
リン「まぁまぁ、抑えて抑えてチーちゃん。別に私は恨んでる訳じゃないんだから」
チー「恨んでないのです?」
リン「うん。禁句に触れた時点でぶっ飛ばしたから」
チー「肩車中にですか?」
リン「そそ。ぐるんと身体を回転させて、頭を両足で挟んで投げちゃった。つい」
チー「ヘッドシザーズ・ホイップなのです」
リン「流石に体格差があったから、完全に決める事は出来なかったけどね」
チー「完全に決まってたら大変な事になってるのです」
リン「ま、でもその後マウントポジションでボコボコにしたから問題なしだよ♪」
チー「……本当の所は?」
リン「……ヘッドなんちゃらに失敗して、もつれて倒れた所を下敷き」
チー「それは、おじさんに助けられたと言うのです」
リン「私はノーダメージ! おじさんは大ダメージ! 結果オーライだね♪」
チー「まぁ、そもそもおじさんの口が滑ったのが原因ですから、自業自得ですね」
リン「さて。そろそろ本当にこの第一節も終わりの時が近づいてきたね」
チー「あまり引き延ばすのも良くないので、そろそろ終わりにするのです」
リン「みんなー。ここまで読んでくれてありがとー♪」
チー「ありがとなのです~♪ とってもとっても、とてとて感謝です♪」
リン「第二節の更新にはまだ暫く掛かると思うけど、首を長くして待っててねー♪」
チー「次はもっと私達が活躍するのです! ……まだ希望の段階ですけど」
リン「それじゃ、本節はこれでお開き!」
チー「次節アップ後、またの御来読を宜しくお願いしますのです」
リン「バイバーイ♪」
チー「さよならなのです~♪」
♪第一節、これにて終了致します♪
♪ここまでの間、御来読の程、有り難う御座いました♪
♪次話のアップ予定はまだ未定です♪
♪それでは、次節にてまたいつかお会い致しましょう♪
♪(こっちも)御意見、御感想をお待ちしています♪




