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魔風の少年と刀の少女

とある田舎町、周りの静けさが深まる田畑の中心に二人の人影と十の異形の姿があった。

人影の方は男女、男は身長155と小柄で一見してみると女の子にしか見えない。

肩までで揃えられた髪と眼は日本人特有の黒なのだが、眼は少し色が付いているように見える。

普通と違うのはそれだけでなく、その身に付けている装飾品もそうだろう。

耳にはイヤホンを着け、腰にはサバイバル用のポシェットを付けている。

両の手にも指ぬきの手袋と幾つかの宝石を填め込んだ指輪をしている。

その可愛らしい男の子が、離れた所にいる女の子に向かって、声を掛ける。


「はーい!冬華ちゃーん、そっち一匹行ったよー?」


そして、逆に女の子は170と高く長身で体の発育もよく、街で見かけたら百人中95人までが美人やカッコイイというだろう。

髪も動きやすいように後ろで縛られており、活発的だと分かる。

しかし、この少女も先の少年同様普通とは異なる装飾品に身を固めている。

先ず、耳には同じようにイヤホンを付け、首には変わった装飾のチョーカーを付けている。

手に填めている物も少年と同じようだが、此方は左手の手のひら側に幾何学模様の文様があしらわれている。

右手側には少年と同じような物を嵌めているので、用途が異なるのだろう。

そして、少女の格好が奇妙な最大の要因が、その右手に持つ脇差程度の長さの太刀だろう。

その太刀を左腰に据えると、少年の声に応えるように。



「解った。<魔気収束>!」

と叫び、その言葉に反応する様に、周りの風が少女に集まり、体を包んでいく。


そして、体を前かがみに倒し、抜刀の構えを取ると


「柊流抜刀術風の二ノ太刀地走り!」


そして、少女の持つ太刀から放たれた衝撃波が、地を這う風の刃となり向かって来た、異形の一体を真っ二つにすると。


「ギシャーーーーーーー!」


魔気で形作られた風の刃によって、その体を液体へと変化させた。



「先ず一匹」


チン!と太刀を鞘に納めながらそう呟くと女の子は息を吐き


「ふぅー。あと、9体か。猛ー?もう一匹良いぞー?」


「冬華ちゃん待ってよ。僕の能力はまだ単純な攻撃力はないんだから、精々誘導位なんだから、そんなに早くできないよー。・・・わっと!わひゃ!ごめん、今度は二匹行くよ。・・・それ!」


そうして、異形の攻撃を風と体術によって上手いこと躱しながら、更に二体を少女の元へと送る


「おいおい、それじゃー、約束が違うぞ。今日の夜食は猛のご馳走で決まりだな?」


「またー、そんなに食べると可愛い顔が膨らんじゃうよ~?」


少年は愚痴の様な言葉を投げかけるが


冬華と呼ばれた女の子は綺麗な顔とは裏腹に獰猛な笑みを浮かべると、再び抜刀術の構えを取り。


「膨らんだら、猛に貰って貰うから良いさ。柊流抜刀術、風の表変化二ノ太刀旋風!」


そういって、今度は連続で三回、四回と抜刀を繰り返すと、その衝撃で風が旋風を発生させ、こちらに向かって来た異形を再び迎え撃って切り刻み、その体は先ほどと同じように液体へと変わって行った。


そして、事が終わると少年の方を見て、


「よし!どんどん来い。」


「解ったけど。・・・ええい、纏めていくよー?<風よ、我の意に従い、敵を誘導せよ。<<誘導の魔風>>>」



猛と呼ばれた男の子がそう叫びながら、言霊法によって、風を操り神徒を少女の方へと誘導していく。


だが逆に、今度は少女が悲鳴のような泣き言を言った。

「おい!幾らなんでも残り全部は無茶だろう。!仕方ない・・・あれを使うか、今月は小遣いがピンチなんだがな。<顕現せよ、清浄の刃。魔憑き兵装ギングダム>」


そう呟き、胸元から出したお札に自らの親指を小さく切って出した血を付けると、お札が光だし、収まった頃には水色の透き通るような拳銃が二丁手元にあった。


「さあ、ダンスの時間だ。」


そういって、少女は両手に持った拳銃を残りの異形全てに向けて撃ちだした。


ダダダッダダダッダダダ! ダダッダダッダダ!


まずは、自分の近くにいる異形から消滅させ、順に少年の近くの異形を消滅させる。

たちまち辺りの異形はすべて駆逐された。

事が終わると、少年はその場にへなへなと座り込み、だらしない声を上げる。


「あー、疲れたー。やっぱりこの数の異形を相手に二人じゃきついよ~。僕の憑依兵装は短期決戦用だし、清浄の魔風で一気に片を付けようにも僕の体力が持たないんだから。冬華ちゃんの拳銃だってお札代が馬鹿になんないんだから、なるべく倍までの数にした方が良いよ。」


少年の言葉に少女は苦笑すると


「私は猛の憑依魔装形態はカッコイイし好きだけどな。何より積極的になってくれるし。時間制限さえ無ければ依頼中ずっと成っててくれてもいいくらいだ。」


「それは冬華ちゃんも同じ。今もだけど、更に綺麗で可愛くなるんだから見てて目の保養になるよ。・・・でも、何が起こるか分かんないこの世の中、安全マージンは取っとかないとね。」



「ふふふ」


「あはは」


そうして二人笑いあった後


「まー、終わったから良いじゃないか、約束通り依頼料はイーブン。夜食は猛のおごりだ。いいか?」


「僕は良いけど、冬華ちゃんはお札代で依頼料が一割は持って行かれるんだから、今回は6:4でいいよ?」


「元々無理っぽい依頼を受けたのが私なんだからいいさ。・・・それより、なんか聞こえないか?」


聞かれた少年は、少女の怪訝そうな表情で辺りに偵察用の風を送って調べると、近くで何処となく見覚えのある女の子がグール(ゾンビ型の異形)に襲われている所だった。


「大変だ、冬華ちゃん!多分学校の生徒だと思うけど、グール型に襲われてる。下手したら感染させられちゃうよ!」

(誰だよ!こんな時間に出歩いてる馬鹿は。男だったら僕が殺して、女だったら犯すぞ糞が!)


少年がそう叫ぶと、二人は即走り出した。


走っている間にも話し合いは続く。


「何?ヤバいな。間に合いそうか?」


「どうだろうー。冬華ちゃんの憑依魔装でなんとかって距離だね。このままじゃー、襲われてる人にも依るけど、女性なら手遅れ、男性ならお仲間ってとこじゃない?」

(僕はその方が楽でいいけどね。)


「・・・猛は相変わらず知り合い以外には冷たいな。それに・・・それは単に私の方からキスして欲しいってことじゃないのか?」


「・・・否定はしないけどね。今回は単純な速度の問題だよ。・・・ま、そろそろ着くから関係ないか。」(ああー早く終わらせて、風呂でサッパリしたいのに!)


「確かにな。・・・って、おい!あれはうちの学校の生徒だぞ?しかも学園で私になにかと張り合ってくる生徒会の副会長じゃないか。なんだって、こんな夜更けにこんなとこにいるんだ?」


「さあ?誰かと逢引の帰りとかじゃないの。丁度微かに香水の匂いがするし。あんな匂いをさせてたら異形のいい餌食だよ。いっそ、グールに襲われて手遅れになった所を冬華ちゃんが始末しちゃえば?」


「・・・猛・・・。ホント、興味の無い相手には冷たいな。・・・でも、アイツ結構頑張ってるぞ?一対一ならグールに勝てないまでも、死なない程度には張り合えてる。一見して魔気は纏って無いようだけど・・。もしかして特異体質か?」


「どうかな。社長も先輩もそんな話はしてないけど、異形の存在を知らない人は結構いるし、古い家柄の家系だと能力の使い方は知らないけど、体質的に体が強いっていう人もいるから、それじゃない?」


その猛の言葉で微妙に口元をヒクヒクさせながら


「笑えない冗談だな。素の状態であの身体能力だと、魔気を巡らせて臨戦態勢なればどんな化け物になるんだ?」


「じゃー、試に言ってみようか。もしかしたら素手で浄化までしちゃうかも?」


「なら、猛が言え、私は顔がバレすぎているから、変な隙になりかねん。」


そういって、冬華は猛に促した。


「じゃー、もしもの為の援護準備よろしく。「任せろ。」じゃー、行くね。<風よ我の言霊を彼の者に伝えよ。>」


{あー、聞こえますか?聞こえたらそのままで。一応知らないことを前提で話すけど、へその下の中国拳法で言う処の丹田に意識を集中して。もし、素養があるなら力のたまり場になってるから。そして、その力を全身に行き渡るイメージが出来れば身体能力の向上に繋がる。今僕は離れた所で見てるけど、素の状態でその身体能力なら、グール・・あ、その異形の事ね。それ位なら一発で消滅させられるよ。・・・じゃ、近くで見てるから、危なかったら大声で助けてって言って。助けに行くから。}


「これで良し、後はあの子次第だね。あ、そうだ。冬華ちゃん?」


「なんだ?」


「一応、宝具<退神の太刀・ブルガンド>は手袋に納めてて?もし、中級や上級の神徒が隠れてたら、魔気が強すぎてばれちゃうから。」


「解った。」


そうして、左手の手袋の幾何学模様の中心にある突起に右手の親指を着け、血を垂らした。

すると、その模様の円の部分が突然回転し、空間が歪んでいるかの如く波打っていた。

更に、少女が右手で鞘ごとその空間に差し込むとまるで異空間に取り込まれているかの如く太刀が吸い込まれていった。


「よし、これでいいな。」

そして、それを確認した少年が


「じゃ、お手並み拝見かな?」

というと


「だな。」

と少女は返事をして、二人は静かに見守ることにした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


少女、立花桜花は焦っていた。父に今日から行く事になった仕事バイト先の事務所に挨拶に行くように言われ、その途中で田舎町故の静けさでボーっとしていたら辺りが暗くなり始めて、気が付くと化け物に囲まれていた。

昔から身体能力には恵まれていたため、逃げながら一匹ずつ父に渡された護身用の退神符を化け物の攻撃を躱しながら貼り付けて滅していたのだが、遂に護符が無くなった所で化け物との格闘戦になった。

化け物は私の身体能力とほぼ互角の力で、なかなか決着がつかない所に、急に耳元から、片思いの男の子の声が聞こえた。

聞けば、近くで見ている事。

私に何かの素養があればこの化け物を一発で倒せること。

もし、駄目だと思えば助けてくれるらしいという事。

初めの言葉で顔が真っ赤になる自覚があったが今はそれどころでなく、助けてもらうのも情けない。

という事で、言われたとおりにへその下に意識を集中すると、何か違和感があった。(決して、尿意ではない筈だ)

そして、それを全身に行き渡らせようとすると、たちまち体が軽くなり、普段よりももっと早く、もっと力強くなる感じがした。


(これなら行ける。)

桜花はそう判断すると


「ハア!」


と右足で地面を蹴り、その反動で浮き上がってきた左足を異形めがけて振り抜いた。


ジュッ!と一瞬で異形が真っ二つになり、途端に汚泥に代わって行く。


それを見ながらホッとしていると、遠くから拍手と共に褒める言葉が届いた。


パチパチパチ・・・・


「やあ、素養があったようでよかった。僕達は君と同じような力がある能力者だよ。」


と少年は微笑んだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今同じ学園の女生徒が異形との戦いを終えたのを見計らって、二人で近付いている。


「どう思う。猛?見た所、体に張り巡らせた魔気を薄い膜の様に外へ出して、触れた異形を浄化する能力のようだが。身体能力の向上も併せていることから、結構初期の段階で便利な能力じゃないか?いわば、異形に対する絶対防御に近いぞ。これで、私らの仲間になる者なら、前衛は完璧だな。」


「まー、どうなるかは、その人次第だけどね。取りあえず、拍手して自己紹介しようか。」


と言いながら

パチパチパチ・・・。

「やあ、素養があったようでよかった。僕たちは君と同じような力がある能力者だよ。」


そして、ニコッと微笑みながら


「さっきの異形は神徒といって、僕ら聖魔に属する人間の敵対種族。君くらいの年齢なら普通に親から神が人間を見離し、悪と捉えて滅ぼそうとしている事くらいは聞いてるよね?」


そこまで説明し、一旦少女に確認すると、コクコクと首を縦に振り頷いてくる。



「そして、僕ら人間もタダで滅ぼされる訳にはいかないから抵抗する訳なんだけど、如何ともし難い力の差ってものがある。そこで頼ったのが属神。神に敵対する種族には二種類あって、悪魔と聖魔で僕ら人間がその聖魔なわけ。そして頼る神が聖魔神で僕らの能力は聖魔神の能力の欠片。悪魔にも色々あるから詳しくは親に聞くか、関係組織に問い合わせてくれたらわかるよ。で、ここからが本題なんだけど、僕とここにいる冬華ちゃん、柊猛と近衛冬華がこの辺りの神徒の滅殺を任されてる退神士と呼ばれる専門家、専門用語でゴッドスイーパー(神の掃除屋)と言われてる者だね。一応、事務所とかもあるよ?普段はこの先の不魔神社の見習い神主とお手伝いの巫女だから、学校帰りにでも寄ってくれれば社長や先輩同業者も運次第で会えるよ。」


そこまで説明すると、冬華の方を向き

「この人、近衛冬華ちゃんの事は知ってるでしょ?学校でもよく衝突してるって話だから当然顔見知りのはずだ。じゃー、冬華ちゃん。僕はこの後事務所によって、依頼完了と一般人の目撃者情報を事務員に伝えてくるから、後で事務所によってよ。何か連絡があるかもしれないから。じゃね。」


「ああ、少し話をしてから行く。夜食の話は今晩にでも猛に勉強をみて貰いながら話そう。」


「了解。」


そういって、猛は一人帰って行った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


猛の姿が見えなくなってから冬華は会話を始めた。


「さて、立花桜花だったな。改めて自己紹介だ。私はさっき柊猛が言った通り、この地区の退神士を任されている近衛冬華だ。任されているといっても、基本二人から五人一組だがな。一人では幾ら能力が使えたとて異形相手は厳しい物があるし、何より能力の幅が狭い上に万能じゃない。私が前衛で、敵を薙ぎ払い、猛が周囲の情報収集や防御を担当してるようにな?あ、勘違いしないで欲しいのは、能力の幅が狭いってだけで種類は多く、奥も深い。一人が持てる能力が僅かだというだけの話だ。」


そこで一旦会話を止めて、桜花に確認を取る


「今から能力の説明及び私たちの役割を一部だけ伝えるが、これは聞いた途端に秘匿義務が発生する内容なので、覚悟が無いなら言わない。さっきの襲われた経緯や一部の能力の事を忘れて、今までの暮らしに戻るのであれば言ってくれ。帰りが遅くなるが家まで送ろう。学校でも今日までの対応で構わない。・・どうする?」


問われた桜花はしばし考え込み


「明日、放課後に返事をするから待ってもらえない?親にも確認しないといけないことが有るから。」


「解った。では、明日はとりあえず今まで通りで頼む。私も今まで通りにする。」


そういったとき、桜花はハッと気づいたことを聞いた


「あのー、猛君は貴女と親しいようだけど、学園では秘密なの?一緒にいる所なんて見ないけど。貴女の口調も学園の時とはかなりの違いがあるし。普段は猫被ってるとか?」


桜花の指摘に冬華は苦笑すると


「いや、単に使い分けてるだけだ。神徒との戦いは己との戦いでもある。心が弱気になれば直ぐにその弱みに付け込まれ、内側から神気に犯されるからな。だから、戦いの間とその後就寝するまではなるべく緊張を持続させるようにしてるんだ。・・・あ、猛の場合は気持ちの切り替えの年季が違うからな、普段もあの口調だ、少し乱暴になってるけどな。・・・ある条件を満たせばもっとワイルドになって好きなんだが。」


「猛君との関係は?」


「色々あるが、ぶっちゃけ面倒事が嫌いなだけだな。もし付き合ってるとなれば学園内で何が起こるか分からない。知ってるだろう?神徒が出るのは人間の愚かな嫉妬心と独占欲、怒りが集まった時だと。普段はこういう長閑な場所で、そういう悪い感情が集まり誰も来ない様な暗い時間に現れて、そして消える。そして、この時間帯が異形の出易い時間帯だから、近隣の住民からの被害報告で依頼を受け、その日の内に手の空いてる担当区域の者が討伐に当たって、小遣い稼ぎをしてる。私らもその類だ。だから今日のような事は私らには日常的な事だ。万一に備えてのな。」


そこまで言うと桜花は何かを考え込み、恐る恐る聞いてくる。


「じゃー、もし学園で私や生徒がそういう感情に支配された時は、どうなるの?」


「その場合は、状況にも依るがまず、この避神結界護符で周囲から隔離する。この護符には一種の結界が発生する能力が込められていて、別の空間になるんだ。」


そういって私は護符を見せる。


「そして、神徒になる要素を、なる前の状態に戻して、事情を説明する。そして記憶を無くすか仲間に成るかを選ばせる。仲間に成れば戦いが待ってるから大抵は死ぬのが怖くて記憶を無くす方を選ぶがな?その際は半日ほどの記憶が無くなる。」


「支配された者を見つける手段は?」


「各地区の支部となる神社に、感情の波を調べる機械が設置いてあって、その結果を事務員がリアルタイムでその地区の退神士にこの発信機を通じて知らせてくれる。」


自分の耳の裏に張付けられた、発信機型のシールを見せる。


「もし、神徒自体が発生したときは?」


「同じ様に結界に隔離し、この中で神徒のみを滅殺して元に戻す。」


「神徒の姿に統一性はある?」


「無い。下級の神徒なら化け物の様な姿でほぼ統一されるが、中級、上級になると普通の獣や人間と変わらない。」


「見分ける方法は?」


「解かり易いのが二つ。それは目の輝き。神徒になっている者は目に光が宿ってない為、皆虚ろな眼をしている。後は言葉を解するという事かな。獣にしても人型にしても普通の者と変わらないから違和感がある。けど。」


「けど?」


「中級の人型の中には巧妙にそれらを隠してる知能のある奴が普通に生活していることもあるから厄介だ。奴らの餌は悪意その物だからな、強力になる条件に際限がない。だから、早い段階で発見し、討伐するのがベストだ。」


「・・・解ったわ。とりあえず、今日のところは一人で帰るわ。もう遅いし、猛君も心配するでしょう。私も親に相談するにしても何から相談すべきか分かんないから纏めないといけないし。さっき教えられた方法なら一匹や二匹なら簡単に倒せそうだしね。・・・じゃ、明日学校で。」


「ああ、いい返事を待ってる。」


そう言って冬華は神社の方向、桜花は家の方へと歩き出した。


・・・偶然にも同じ方向だったため、しばし沈黙して


「何か締まらんな。」


「全くね。」


そして、別れ道になり、漸く別れる事になった。


「「じゃ、また明日学校で。」」




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