ザレイの双紋
商人の息子アル・サヴォーには、幼い頃レシィという名の友人がいた。サヴォー家の家生(奴隷)の子であるレシィは、アルとは他人であったが全く同じ外見をしていた。ある日、自分の将来に疑問をもったレシィは、自らの意思でこの身分から脱却するため家を出て兵になると決意する。二人は再会の約束をし、別れる。――それより7年、商家の長男として日々をおくるアルのもと、彼の人生を狂わすひとつの事件が起こる。この事件こそが、彼を待ち受ける数奇な運命の発端であった。
序章 約束
2006/06/15 10:58
(改)
第一章 離別 持たざる者の賭け
2006/06/21 09:11