Nympholic amon執筆考(2)
やはり面白いもので、現在第十九部まで書いてみて、そろそろキャラクターそれぞれに対する思い入れが加わってきたのを実感しています。
当初見せていた表面的なイメージに加え、その内面を描写することによって、人物たちが生き生きとして感じられるようになり、筆も自然、軽くなっている気がします。
アモンは登場時の単なる自堕落公爵のイメージに加え、時として人命や他人の名誉のためには感情を高ぶらせる気性を見せ、テオドールは粗暴な性格に加え、実際は根の優しい人格であることを加筆してきました。
アルセイデスに関しては、まだ全体的に謎を残したいという意図から、あえて二人に比べて人間描写をするのを抑えて書いています。
メインキャラクターの三人のほかにも、数こそ少ないものの、書いていて楽しかった人物は色々といます。
オストゥムは良くも悪しくも貴族階級のいやらしさを体現したキャラクターでしたし、フューレイはアモンも言っているように、第一印象と実際の人物像がかけ離れていて、書いていて面白い人物でした。アルバインは…そうですね、彼女についてはまた今後話すことにしましょう。
ともあれ、ここまで書いてきたおかげで気の早い話ではありますが作品終了までの全体的な構成が出来上がってきました。
あくまで予定ではありますが、前編として二十部、中編、後編に同じく二十部ずつ。編ごとに約三万字程度、合計で十万字前後で終わらせようと考えています。
もちろん、単なる予定でありますから、今後の展開によってはどう転ぶか分かりませんが、少なくとも面白い作品にしたいという気持ちだけは変わりません。
いよいよ次回、第二十部をもって前編終了となりますが、どうか皆様にはこれからも変わらずお付き合いをいただければと願う次第です。