「剣客少女 -Girly Edge Extra-」執筆考
ご要望にお応えして……という形式の作品作りは、思えばこれが始めてということもあり、なかなか新鮮な感覚で書かせていただきました。
ただ、まあ……、
まさか連続で「剣客少女」を所望されるとは思ってもみなかったので、いい意味での驚きもありましたが……。
さておき、
今回の「剣客少女」は完全な番外編。
メインキャラたちを横にほっぽって、しかもフェンシングの話が主題という、文字通りの番外……舞台裏的なものを書きました。
日常の中に突然起きるイベント。
今までのそれらはすべて危なっかしいものばかりでしたが、今回のはまさに学生ならではというか、学生らしい学生的イベント。
私も学生の頃は、よく学校の行事として強制的に応援に担ぎ出されたものです。
その思い出は決して楽しいものではありませんでしたが、願わくば応援や観戦というのは、東真たちのように能動的であるべきだと強く思います。
閑話休題。
ついでという言い方はひどいと思いますが、今作では紅葉の父、影正を破った人物である色宮塔樹郎が登場しました。
これもちょっとした話のつじつま合わせです。
影正の音斬に対し、一体、色宮の先代はどうやってこれを破ったのか。
読み手の方が疑問に思う可能性があるものは、なんでも説明しないと気が済まない性格というのも、我ながら厄介だと感じています。
特に楽しかったのは、レティシアの描写でしょうか。
あの子が何故、レリアの言うままに動くのか。練習するのか。
今までは本編中で描写できませんでしたが、簡単に言って、あの子は極度のシスコンなのです。
表情も出さない。感情の起伏もあるのかどうかよく分からない。
そんな子だから表にはほとんど出てきませんが、芯の部分で、姉のレリアのことを心底、好きで好きで仕方がないのです(決して変な意味ではありませんよ)。
ただし、お分かりだと思うのですが、レリアもレティシアも、秋城姉妹は揃って感情表現が下手……というより、異常なところが問題なわけでして。
姉は姉で、友達作りが下手なせいで、満足なコミュニケーション能力を育まずに生きてきたため、愛情表現が度を越すことが多く、
妹は妹で、そんな姉すら凌駕するほどのコミュニケーション障害。
まともに噛み合うほうが、逆におかしいふたりなわけです。
そんな、変わり者姉妹の本心を覗こうと、今回の短編を書いたといっても過言ではないでしょう。
ああ、そうそう。
短編といっておきながら、知らぬ間に文字数がどんどん増えてしまい、最終的には六万字に迫ってしまい、慌ててしまいました。
何事もやり過ぎは禁物。
適度に、適度にやってゆくのが肝要。
分かってはいるつもりなんですがねぇ……。
まあ、そんなわけでして、
とにかく今回の作品もこれにて終了。
お楽しみいただけたかどうかは、書き手としては甚だ疑問ではございますが、そこはまた、いつもの通り。
どうかご寛容に照覧いたされますことを、よろしくお願い申し上げます。