執筆考という名の独り言(5)
夏ということもあり、書き手の方々はどうやら綺麗に二通りの過ごし方をされているようで、なかなかに面白いです。
ひとつは、
夏休みを利用して充電期間を十分にとっている方。
ひとつは、
ここぞとばかりにできた時間を執筆に回している方。
充電というのは大切です。
一度、執筆から離れて自分を見つめ直し、また、世にある多くの名作に目を通すもよし、多ジャンル……例えば、映画や音楽、ドラマやアニメ、漫画やゲームなどにアイディアやインスピレーションを求めるのもいいかもしれません。
アウトプットするためにはインプットが必要。
ただまあ、ごくたまに(書いても書いても書き足りない)というような、内部に蓄積されたものが通常の人間とは桁外れの方も時にいます。
しかし、私はこういう人にこそ充電が必要だと思うのです。
自分を見つめ直すことによって、また新たな道が見えることも少なくありませんし、(書きたい衝動)のみで書いていると、どうしても地の文が荒れる傾向があります。
学生の書き手さんは、ちょうど今は執筆が長いスパンでの趣味なのか、それとも短いスパンでの趣味なのかで分かれる分岐点にいると思います。
学生時代のみの刹那的趣味として執筆活動をエンジョイするもよし、これからの人生を共に歩んでゆく趣味として長く付き合ってゆくもよし。
その場合、つまり長く付き合ってゆくつもりの方ならなおさら充電は大切です。
書いて、書いて、書いて、書き続けて。
どこかで充足した時、ぷつっと自分の中の創作意欲が失われる時が必ず訪れます。
そうした事態を未然に防ぐためにも、まめな充電は意味があると思うのです。
書きたいのに書かない。
書くのを我慢する。
こうした行為をするのもひとつの刺激です。
人は容易に刺激に慣れてしまいますので、時たまこうした刺激を日常に混ぜることで、執筆に対する意欲を維持する一助となるのではと私は考えています。
創作活動は良いものです。
ものをつくるという行為は、特に人間は秀でて大きな能力を与えられています。
生まれてきたことを楽しむうえで、創作活動はもっとも手ごろなエンジョイの仕方ではと私は思います。
楽しむために生まれてきたのですから、エンジョイの方法は多く持っているに越したことはありません。
老婆心ながら、皆さまが執筆に飽きることなく、生涯の趣味として昇華させられますことを切に願います。
長い人生。
されど、短い人生。
楽しむための労は惜しまないのが、人生を楽しむ唯一のコツではと考える今日この頃。
皆さんの大切な時が、いつも充足されんことを心からお祈りいたします。