SPJ
何故この世界に・・・
まさか!契約を・・・
扉が・・・
ここに有ってはならないはずの時を刻む物、時計だ。
「あれって時計じゃないか?」
メイド達は言葉を濁すように
「えっあの…」
何故だ、ここは俺の世界のはずだ。時計なんて有るはずもない、しかも時計は8時59分をさしている。とっくに30分を過ぎていた。
「王様!!もう時間がありません」
執事が叫ぶように近づいてきた。
「ヤバイ急がないと!」
慌てて扉を開け外に出た。
「危なかった」
ホッとし、時計台の時計を確認したすると可笑しな事になっている。8時30分だ。
「なんだったんだあれは?」
しかしこれは契約違反ではないのかと、時を刻む物があったのは私のせい、なぜなら私の作った世界だからだ。これはマズイと思い怖くなってきた。いったい契約を破ると何が起こるのか?だが今だ変化がない。すると…
「こんにちは朝倉さん」
誰だ私を呼ぶのは、恐る恐る周りを見渡す。そこにはあいつがいた。
「道端の占い師…やっぱり契約を破ったこと…」
「はて?いつ契約を破られた?」
ん?違うのか?ならいったい何の用だ?
「どうかしたんですか?」
「私は占い師なので占いをしておりますよ」
もっともだ、確かに占い師だ。なら急に声なんて掛けるなよこんな時に、ビックリした。
「そうですよねーじゃ帰ります」
「お気をつけて」
逃げるようにその場を立ち去った。
「しまった時計と携帯をロッカーに入れっぱなしだった」
戻るのも嫌なので明日取りに行くことにした。
家に着き布団に入った、すぐに眠りについた。
「貴方は契約を破りました、契約違反なので――――」
「嘘だろ、うわーやめてくれー」
「はっ(汗)夢か…」
悪い夢、気分が悪い、しかもバイトの時間が迫っていた。今日は行きたくない、休むことにした。店に連絡したいが携帯がないことに気づいた。
「ロッカーの中だ」
無断で休めばいいと思った、しかし店に連絡しようと思えばできた、が、体が拒絶する。俺の体ではないかのようだ、どうしてしまったのだ。
「とうとう狂い始めたか」
「あぁ意外とあっさりだったな」
「気を抜くなよ」
「わかっている」
「もう5日目か、なんだか早いな」
終わりに近づくにつれてやりたい事がいっぱい頭に入ってくる。とりあえずロッカーにいかなければと思い、公園に向かった。
ロッカーへ着き、携帯を確認した。
「店からかなり電話きてるよ」
「マジうぜぇ」
携帯をまたロッカーに戻した。この時、バイトをやめることにした。俺の時間は俺のものだ、俺は誰の命令も受けない、世界は俺中心で動いている。決して人間関係が悪いわけではない、何故だろうとても嫌になる。そして5日目の扉を開こうとしたが扉が開かない。
「まさか?昨日のアレが」
「嫌だ、開け開け」
「あれ?そいえば鍵いれてない…」
鍵を入れるのを忘れていた、バイトの事で頭がいっぱいだった。良かったと思い一安心し鍵を入れ扉を開けた、当然場所は城だ。
「おかえりなさいませ」
「なんとか昨日は大丈夫だったよ、もしかしてアレって時計?」
メイド達は目を逸らす、変な空気になってしまった。そんな空気を執事が破る。
「あれは時計ですが壊れていて使い物になりませんよ」
「そうなんだ、良かった」
やはり時は刻んでいなかった、一安心する。
「今日はどうなさいます?」
「今日はあのデカイカジノに行って豪遊する」
「はいかしこまりました、すぐ馬車の用意をいたします」
「そうだ!馬車の後ろに縄をつけてあいつを引きずりながら行こう!」
「それは名案です」
「おいすぐに準備をしろ」
「はい」
かなりの速さで準備が終わりすぐに出かけれる。
「よし行くぞ」
「すいませんすいません」
カジノまでの道のりを橘に似ているだけの奴を引きずりまわす。なんとも最高の叫び声、もっと苦しめ、もっと叫べ、こいつには死の恐怖を味わわせてやる。こんなことが許される世界が楽しくて楽しくて仕様がない。
カジノは着いたころには、ボロ雑巾のような姿になっていた。こいつが苦しむ姿は絶景だ。
「王様こんな奴に構わず入りましょう」
「おぉ!まずはスロットマシンからだ」
ものの10回転もせずSJPに入り大フィーバー。すかさずカジノの定番ルーレット、最初は赤に賭けるまたも当たり。そして一番確立の低い一目賭け。
「赤の25!!」
すると赤の25に入る。ツキ過ぎている
「ここが引き際だな」
すべてを換金し城に帰る事にした。絶叫が響き渡る。
「最高だ!なんと楽しい、好きなものは手に入る、嫌いな奴はいたぶれる、誰も逆らわない」
城へ着くや、虫の息になっているアイツを起こし、更なる暴行を加える。
「消えろ消えろお前なんて消えろー」
「まもなく30分でーす」
「クソこれからって時に、本当に30分たったのか?」
「それはわかりません、何せ時計なんてありませんから」
帰りたくないが帰らなければならない、心が揺れ始める。別に帰らなくてもいいんじゃないか?ここは俺の世界なんだし。
「王様早くしないと!」
帰らなくてはダメだ、契約は破ってはいけない。急いで扉を開け現実世界に戻る。
「すぐに手当てだ、こいつが死んだら意味がなくなるぞ!!」
「あぁ後2日か…」
「見てみろよあいつの顔、スッキリしました見たいな顔しやがって」
「もうちょっとの辛抱だ、我慢しろ」
「わかってる」