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二一○  作者: IQ9
6/8

SPJ

 何故この世界に・・・

 まさか!契約を・・・

 扉が・・・

 ここに有ってはならないはずの時を刻む物、時計だ。


「あれって時計じゃないか?」


メイド達は言葉を濁すように


「えっあの…」


何故だ、ここは俺の世界のはずだ。時計なんて有るはずもない、しかも時計は8時59分をさしている。とっくに30分を過ぎていた。


「王様!!もう時間がありません」


執事が叫ぶように近づいてきた。


「ヤバイ急がないと!」


慌てて扉を開け外に出た。


「危なかった」


ホッとし、時計台の時計を確認したすると可笑しな事になっている。8時30分だ。


「なんだったんだあれは?」


しかしこれは契約違反ではないのかと、時を刻む物があったのは私のせい、なぜなら私の作った世界だからだ。これはマズイと思い怖くなってきた。いったい契約を破ると何が起こるのか?だが今だ変化がない。すると…


「こんにちは朝倉さん」


誰だ私を呼ぶのは、恐る恐る周りを見渡す。そこにはあいつがいた。


「道端の占い師…やっぱり契約を破ったこと…」


「はて?いつ契約を破られた?」


ん?違うのか?ならいったい何の用だ?


「どうかしたんですか?」


「私は占い師なので占いをしておりますよ」


もっともだ、確かに占い師だ。なら急に声なんて掛けるなよこんな時に、ビックリした。


「そうですよねーじゃ帰ります」


「お気をつけて」


逃げるようにその場を立ち去った。


「しまった時計と携帯をロッカーに入れっぱなしだった」


戻るのも嫌なので明日取りに行くことにした。


 家に着き布団に入った、すぐに眠りについた。


「貴方は契約を破りました、契約違反なので――――」


「嘘だろ、うわーやめてくれー」


「はっ(汗)夢か…」


悪い夢、気分が悪い、しかもバイトの時間が迫っていた。今日は行きたくない、休むことにした。店に連絡したいが携帯がないことに気づいた。


「ロッカーの中だ」


無断で休めばいいと思った、しかし店に連絡しようと思えばできた、が、体が拒絶する。俺の体ではないかのようだ、どうしてしまったのだ。


「とうとう狂い始めたか」


「あぁ意外とあっさりだったな」


「気を抜くなよ」


「わかっている」


 「もう5日目か、なんだか早いな」


終わりに近づくにつれてやりたい事がいっぱい頭に入ってくる。とりあえずロッカーにいかなければと思い、公園に向かった。


 ロッカーへ着き、携帯を確認した。


「店からかなり電話きてるよ」


「マジうぜぇ」


携帯をまたロッカーに戻した。この時、バイトをやめることにした。俺の時間は俺のものだ、俺は誰の命令も受けない、世界は俺中心で動いている。決して人間関係が悪いわけではない、何故だろうとても嫌になる。そして5日目の扉を開こうとしたが扉が開かない。


「まさか?昨日のアレが」


「嫌だ、開け開け」




「あれ?そいえば鍵いれてない…」


鍵を入れるのを忘れていた、バイトの事で頭がいっぱいだった。良かったと思い一安心し鍵を入れ扉を開けた、当然場所は城だ。


「おかえりなさいませ」


「なんとか昨日は大丈夫だったよ、もしかしてアレって時計?」


メイド達は目を逸らす、変な空気になってしまった。そんな空気を執事が破る。


「あれは時計ですが壊れていて使い物になりませんよ」


「そうなんだ、良かった」


やはり時は刻んでいなかった、一安心する。


「今日はどうなさいます?」


「今日はあのデカイカジノに行って豪遊する」


「はいかしこまりました、すぐ馬車の用意をいたします」


「そうだ!馬車の後ろに縄をつけてあいつを引きずりながら行こう!」


「それは名案です」


「おいすぐに準備をしろ」


「はい」


かなりの速さで準備が終わりすぐに出かけれる。


「よし行くぞ」


「すいませんすいません」


カジノまでの道のりを橘に似ているだけの奴を引きずりまわす。なんとも最高の叫び声、もっと苦しめ、もっと叫べ、こいつには死の恐怖を味わわせてやる。こんなことが許される世界が楽しくて楽しくて仕様がない。

カジノは着いたころには、ボロ雑巾のような姿になっていた。こいつが苦しむ姿は絶景だ。


「王様こんな奴に構わず入りましょう」


「おぉ!まずはスロットマシンからだ」


ものの10回転もせずSJPスーパージャックポットに入り大フィーバー。すかさずカジノの定番ルーレット、最初は赤に賭けるまたも当たり。そして一番確立の低い一目賭け。


「赤の25!!」


すると赤の25に入る。ツキ過ぎている


「ここが引き際だな」


すべてを換金し城に帰る事にした。絶叫が響き渡る。


「最高だ!なんと楽しい、好きなものは手に入る、嫌いな奴はいたぶれる、誰も逆らわない」


城へ着くや、虫の息になっているアイツを起こし、更なる暴行を加える。


「消えろ消えろお前なんて消えろー」


 

 「まもなく30分でーす」


「クソこれからって時に、本当に30分たったのか?」


「それはわかりません、何せ時計なんてありませんから」


帰りたくないが帰らなければならない、心が揺れ始める。別に帰らなくてもいいんじゃないか?ここは俺の世界なんだし。


「王様早くしないと!」


帰らなくてはダメだ、契約は破ってはいけない。急いで扉を開け現実世界に戻る。


「すぐに手当てだ、こいつが死んだら意味がなくなるぞ!!」


「あぁ後2日か…」


「見てみろよあいつの顔、スッキリしました見たいな顔しやがって」


「もうちょっとの辛抱だ、我慢しろ」


「わかってる」













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