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二一○  作者: IQ9
4/8

タチバナ

 さすが俺の世界だ!コイツがここに居たとは。

俺はコイツが大嫌いだ!俺の世界ならやりたい放題だが、現実は・・・

「おいそこの!立て」


「はい、何でございましょう」


「気に入らん!気に入らん!」


あいつだ、タチバナそっくり、見ているだけで腹が立つ。こいつも俺の世界の住人…


青年「王様?」


何かか切れた、一時の感情で橘にそっくりな奴を殴りつづけた。昨日30分の計画を考えていたがそんなことはどうでもよかった、こいつを殴り続けるだけで心が晴れる。


「すいません、すいません」


「すいませんじゃねーよ、お前がいるだけでこっちは腹立つんだ」


「お許しください、お許しください」


この橘にそっくりな奴には、何の罪もない。ただ奴に似ているだけ。

地べたに這い蹲り謝り続ける、私は聞く耳も持たず殴り続けた。こんな快感をいつ以来味わえたのだろう


「王様もっとやってくださいよ」


「おいそこの、もっと抵抗しろ」


「まもなく30分でーす」


「ちっ…これからなのに」


「おいこいつを捕らえておけ」


「はい、かしこまりました」

急いで馬車へ乗り城へ向かった、城へ着き出口へ急いだ。


   「これからもっとひどい目にあわせてやるよ」


そして現実世界に戻った。


 トイレから出ロッカーから時計と携帯を取り家に帰ろうとした時、公園の近くで占いをしているあいつがいた!!


「こんにちは」


「どうです?向こうの世界は?」


「2日目ですけど色々楽しめそうですよ(笑)」


「それは良かった、なんかお困りはありますか?」


「ん~時間が短いから城に着いたらすぐ終わっちゃう」


「一日目なんて城まで行くのに時間かかってすぐ終了時間(笑)、だいたい扉開けると変な場所に着くから悪いんだよ」


「向こうの世界の行きたい場所のイメージをしながら扉を開けてみなさい」


「そうすれば行きたい場所に行けるのか?」


「はい…」


「本当都合の良い世界だな」


「契約は忘れないよう」


「わかってるって、じゃもう帰るわ」


「それではまた今度」


今度って、いつ会うんだ?本当に謎めいた占い師だ。


 

 「やれやれ、やっと家に着いたか」


 テレビを見ながらくつろいでいる。いつもの光景、こんな普通の事が嫌になってくる、早く明日にならないか、早くあいつを痛めつけたい、そんなことを思いながら時が過ぎるのを待つ。たった2日で私をとりこにしたあの世界、謎が多いが私の生活の一部となりつつあった。

 布団に入り、天井を見つめながら明日の計画を考える。


「明日は絶対にご馳走を食べてやる、そしてあいつを…」


気がつくともう朝だ、こんなに気持ちの良い朝は久しぶりだ。風呂に入りさっぱりして、朝ごはんを食べ、星座占いを見てバイトに行く、これがいつもの私の姿だ。なんと内容のないつまらない生活をしているんだ。日に日に現実への不満が溜まっていく。

 バイトの時間に間に合うように早めに家を出た、店に着くと昨日の話で盛り上がっていた。


「マジむかついたぜ(笑)あの客」


「橘顔大丈夫か?」


「平気っすよこんなもん(笑)」


昨日より顔の腫れがひどくなっていた、が気にせず何がそんなに面白いんだ橘よ。そんなに楽しいのか?と思いつつ、こいつの態度や言動が嫌になってくる。そんなこんなでバイトの休憩時間になった。


「おい飯食おうぜ」


後ろを振り返る。


「あ?お前じゃねーよ」


等々怒りの限界を感じ外へ飛び出した。


「いったい奴は俺に何の怨みあるんだ、怨みたいのはこっちの方だ」


そしてトイレへ向かい3日目の30分へ…


「城の中!城の中!」













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