ハヂマリ
ふらりと寄った占い、好きな世界がもらえると言う。薄気味悪いが私は行くことにした、そこに待っていたのは大きな城、と青年。はたして、ハヂマリの30分をうまくつかえるのか…
それから数日後宛て先不明の封筒がポストの中に入っていた、中身を開けると
「鍵?」
歪な鍵と手紙が入ってあった。
「本日午後5時、時計台前公園のトイレの一番奥の開かずの扉を開け」
なすがまま手紙の通りに4時58分に時計台前公園に着いた。こんな経験をしたことがないので、いざ時間になると色々考えてしまう、あの道端の占い師は何故私なんかにこんなことを教えたのか?もしかすると何もなくただの冷やかしなのでは?と
その世界のハヂマリはすぐにわかる…そして私は歪な鍵を鍵穴に…恐る恐る扉を開けた
そこには、にぎやかな世界が広がっていた
「ここが俺がつっくた世界?」
現実の世界と似ている点もあるが、不可思議なところもある。
「あれが俺の城か?すげーデカイな」
後ろを振り返るともう扉がない。
「あれ?扉がない」
?「王様!こんなところにいたんですか、もう探すの大変なんだから」
慌てる私に一人の青年が話をかけてきた、年齢は私とあまり変わらない感じの青年であった。
「あんた誰だ?」
「何言ってるんですか!王様が作り出した一人ですよ!」
ここが俺のつっくた世界か、何でも思い通りになる、皆俺の言うことを聞いてくれる誰も逆らう奴はいない。
興奮気味の私は、早く城に行きたくあまり青年に興味がない…
「おい!とりあえず城まで連れて行ってくれ」
「はい!かしこまりました」
何故か馬車がすぐ近くにあり城へ向かった。
「都合のいい世界だ(笑)」
すごく大きな城へ着いた、そこには何人ものメイドがいる。
「ここの王様に…」
飛び跳ねたいくらいの喜びと昔の2番手を卒業した嬉しさ。今は何でも言うとおりになる、私お腹がすいていた
「食べ物ってありますか?」
見知らぬ執事、ものすごくベテランに見えた。
「かしこまりました」
「おい!食事の用意だ」
瞬く間に目の前に出た、見たこともないような豪華な料理の数々、何を食べていいのかわからず恐る恐る飲み物を飲んだ。
「おいしい…」
「まもなく30分でーす」
どこからともなく聞こえてきた
「しまった、時間が…ご馳走が…」
くやしいがとりあえず帰ることにした。
「扉はどこだ?」
青年が近寄ってくる。
「ここは王様の世界なので扉は王様が決める事になっています」
「ならここでいいや」
私は意味もなく一番近い扉を出口の扉にした。そして現実の世界に戻った…
「無駄に1日をつかっちまった、明日は計画的に行こう」
そして部屋に戻り眠りについた。