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二一○  作者: IQ9
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キツカケ

最近いつも自分の部屋に閉じこもる、いつも暗い部屋に閉じこもりながら同じこと考える


「俺は普通に生きているだけなんだ」


普通に生きてることがどんなに難しく、どんなに地味で退屈なのかと、そしてそれを守るため私は決まって2番手にまわる癖みたいなものがある。

 数日前にある人物言われた一言が、呪文のように脳内再生が行われる。


「お前はズルイ!生き方もなにもかも」


私は何故かこの言葉が頭から離れない…狂ったように、なにも手につかない。それは自分でよくわかってる、その核心は心の中の奥の隅に追いやっているのだ、それが自分だと思っているから。

  

 私はそれから考えた、


「俺は普通に生きているだけなんだ」


「何故他人に俺を否定されなきゃいけないんだ」


そんなことを考えながら夜の街を歩いていた、ふと占いの文字が目に入った、それはどこにでもありそうな道の隅に小さなテーブルを置きテーブルの上には薄暗い小さなランプが置いてあるだけの路上占い


「占いか…」


私はあまり占いには興味がなく、朝の星座占いくらいしかわからない。しかしある人物から言われた一言が頭から離れずモヤモヤしていた、人に聞いてもらえば少しは楽になるだろうか?愚痴を聞いてもらえればいいという気持ちでその道端の占い師に占いを頼みました。

 その道端の占い師の第一声が


「貴方は特別な体験が足りません、このままいくと貴方の人生は災いばかり起こってしまいます」


「はぁ…なるほど」


この道端の占い師に愚痴を聞いてもらおうと思っただけなのになんてつまらない事を言い出すんだ、私は不愉快になりすぐにお金を置いて席を立ちました。


「どうせ占いなんて信じてない、ただ愚痴を聞いてほしかっただけだ」


それは道端の占い師が私に投げかけるように言った言葉でした。私は背筋が凍るような感じがしました。この道端の占い師は私が思っていることがわかっていたのです。


「お座りなさい…」


従うように私は座った


「貴方に210分間好きな世界を差し上げます」


私は意味がわからず


「210分…?」


「好きな世界…?」


「一日30分間だけ。7日間の好きな世界」


「それはどんな世界なんですか?」


「それは貴方自身が決め、貴方が思い描く世界です」


「なら王様にでもなって、デッカイ城とかに住んで、誰も俺に逆らわない世界がいい」


この時、私は冗談だと思い軽い気持ちで言った。

 

「その世界に行くにはこれにサインしなさい」


道端の占い師が渡した紙を見ると

 

1.この契約は無効にできない

 2.他言無用

 3.一度決めた世界は変更できない(物を増やす等も含む)

 4.永遠ではない

 5.時間を示すものを持って行ってはならない

 6.契約の時間を過ぎてはならない

    上記の事柄を必ず守ること決して破ってはならない


 少しためらいもあったが、私は道端の占い師を信じて、紙にサインをした…


「後日封筒が届きます」



それから私は夜の街を去った…

 

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