星のロマンチスト
友人「ねえiu…聞いてよ?
オレの彼女なんだけど、昨日連絡があって。
夕方18時位から、何度も連絡があって、22時位に「もういいよ」ってメッセージが残されていて。
オレ、仕事でケータイは取れなかったんだけど。
普段なら22時位に連絡を取り合うのに、昨日に限っては早くから?何度も何度も?…ナゼかな?
それで気付いたんだ。
そういえば、昨日は火星が小接近してたなって…雲ひとつ無く、良く晴れていたし。
オレの彼女繊細だから、一緒に火星を見ようって連絡をとりたかった…そう思うんだ。
(※2010年1月28日が火星-地球最小接近日です)
言ってあげたかった。
接近は約2年ごとに繰り返されえるから、又チャンスはあるんだよって。
ちなみに、今回の小接近は約1億キロの距離で、光の速度でも6分間弱かかる―接近といってもそんなに遠いんだよ?って。
今は火星は、日が沈んで暗くなるとすぐ、東の空に見える。
右側には「冬の大三角」と呼ばれるベテルギウス、プロキオン、シリウスが輝き、28~31日は、ほぼ満月の月がそばにある。
ちなみに、これも教えてあげたかった。
大三角のひとつオリオン座の1等星ベテルギウスは、超新星爆発へ向かうと見られる兆候があって、もし爆発すれば、満月ほどの明るさになり、昼でも見えるようになる。
地球からの距離は600光年。プロキシマ・ケンタウリの4.22光年に比べると遠いけど、銀河全体から眺めるとご近所さんの恒星で、爆発したら地球にもかなりの影響が懸念されてる。
学者は「爆発は数万年後かもしれないが、明日でもおかしくない」と言ってるけど。
で、伝えたかった。
だからオレ達の愛は一瞬の光だけれど、奇跡だよね?って」
iu「君は、それが彼女の食べホーダイ&カラオケボックスからのただの「楽しんでるよ」コールだったかもしれないと、なぜフツーに考えないかな?」
(了)