2話「推しとの共闘!?」
「まてまて!魔物がこっちに向かってくるよ!初戦にしては量が多すぎないか!?どれだけ鬼畜なんだよ、この世界は…」
「ほんとに!多すぎるよ~!全部倒せるかな?」
思った以上に大量な魔物の群れに、困惑をしている俺とイチズ
「でも、ここで怖じ気付いてもしょうがない。いよいよ待ちに待った初戦、どんな能力なのかワクワクするな!」
「うん、確かにそうだね!どんな困難も私達なら乗り越えられるよ。私の推具は、カメラとパソコン型って言ってたけど。どんな能力なのかワクワクするよ」
切り替えの早さが俺達の取り柄でもあるのだ。
俺は、魔物の群れを相手にするためにサイリウム型推具・推光棒を、両手に一本ずつ握る。
イチズは片手にカメラ型推具・推電撮と設置するようの三脚を。もう片方の手には、パソコン型推具・推波懇を。それぞれ手に取った。
「えっと。確か…、俺の推光棒は、サイリウム型だから、折って振ると能力発動とか言ってたな。しかも、剣にもなると言ってたよな」
「私のは、使い方が分からないんだけど!どう使おう?」
そう言っている間にも、あんなに遠くにいたはずの魔物の群れが、段々と迫り来るではないか。
使い方がわからない以上、俺達に勝機はない。
そこで、俺はあることを思い出す。
それは、女神ヒストールの「分からないことがあったら呼んでよ」という言葉だ。
思い出した俺は、雲一つない青空に向かって女神の名前を呼ぶ。
「ヒストールさ~ん、説明を頼む。魔物が迫ってくるんだ、急いでくれ!」
すると、その声に即座に反応したようにヒストールの声が聞こえる
呼ばれた女神は、青空がその一部だけ円に切り抜かれているような謎の空間から顔だけを出して覗き込んでいる。
「はいはい!どうされました?」
切迫している俺達とは反対に余裕なヒストール
「それってどういう原理?普通女神っていったらこう…。水晶とかを覗いて~とかじゃないの!?しかも、そのひきつった顔は面白すぎるよ笑。あははは。あ~腹痛い笑」
「ほんと!!めっちゃ顔ひきつってるじゃん。あははは。あ~笑いすぎてお腹痛い。でも!!可愛さもあるの好きかも」
円がよほど狭いのか。顔を出し、覗かせるヒストールの顔はキツそうにひきつっていた。
あまりにも異質な光景に思わず、笑ってしまう俺とイチズ
そんな俺達の言葉に何か、言いたげな様子のヒストール
「え~。だって普通だったら面白くないじゃん!!ユーモア!ユーモアよ!どう?和んだでしょ?」
「wwまぁ!!確かに和んだけど!!今はまだ和んでる場合じゃないだろ!?」
「そうそう!!今じゃないよwあ~笑った」
そういえばこういう女神だったと改めて実感させられる俺達
「それよりもだっ!どうされました?じゃないよ!魔物が迫ってるんだ。俺達の推具について、説明を頼む」
キツそうだったヒストールは顔を引っ込め、覗くように推具についての説明を始めた。
「はいはい!!推具の使い方を知りたい?ということは早速、戦闘なのね。うわっ!!すごい量の敵。わかったわ!!すぐに使い方を教えるわね」
色々、ドタバタはあったが。ようやく、待ちに待った推具の説明だ。
「臨。あなたの、ペンライト型推具・推光棒と法被型推具・推法衣の能力は前回説明した通りよ」
「イチズ。あなたの、カメラ型推具・推電撮の能力。それは、動画配信のみ。推電撮と推波懇を立ち上げて配信開始してね!
闘いが終わってからだけど、重要な役割があるから説明するわね。」
「それで、パソコン型推具・推波懇だけど、可能性を秘めていて。まだ、ほんの一部しか能力が使えないの。現状で出来る事。それは、さっき説明したけど、配信に使う事に加えて異世界マートに注文をかけて、ランダムに武器を出せる。運要素も兼ね備えた能力があるの。それを、配信のネタとしながら戦ってね」
二つあるイチズの推具は、同時に使用するものであり!!現時点で出来るパソコン型推具・推波懇の能力はランダム性のある武器の発注が出来て。まだ大いなる可能性を秘めていること。カメラ型推具・推電撮は現代の用途と同じで、配信を回すためのものであり、推波懇と推電撮の二つを活用しながら戦えとの事。
「動画のネタ?あ~!!とりあえず配信して、ランダムで発注される武器を使用して戦って欲しいみたいな感じ?わかったよ!そんな所は同じ感じなんだね!」
Vtuberだったイチズにぴったりな推具だと俺は思った。
「とりあえず。イチズちゃんは配信をしながら戦わないといけないの。だから、カメラをセットするまで。臨は、時間稼ぎをよろしくね。ほらほら、推しに良いところを見せるチャンスだよ。頑張って~」
淡々と話を進めるヒストールに、俺は異議を申し立てる。
「ちょっ!!おい!!ヒストール!?俺とイチズの推具の能力の差がありすぎない!?」
そんな俺の言葉には一切耳を傾けず。説明を終わらせて満足そうな表情で顔を引っ込めるヒストール
なんとまぁ、こうも。推しをアシストする。オタクと推しの関係性は現代でも異世界でも変わらないものか。
それでも、推しの為なら頑張れるのがオタクというものだと、改めて実感する
「わ…わかった!俺が、時間稼ぎをするからイチズちゃんは準備を頼む」
「了解!なるべく、早く推電撮をセットするから、時間稼ぎをよろしくね」
あんなに遠かった魔物の群れが、いよいよ間近まで近づいてくるではないか
「不安は残るが、推しに良いところを見せる時がようやく来たぞ!まずは俺が相手だ!」
やる気満々に、両手に持ったサイリウム型の推具・推光棒を豪快に折った瞬間、翠色に光った。
「おおっ、推光棒はイチズちゃん色の翠色だ。断然、やる気がでてきた。よし、かかってこい!」
魔物に駆け寄り、推光棒を豪快に振り下ろす。
すると、脳天を直撃した瞬間。魔物が、一瞬にして真っ二つになるではないか。
「ごめん!!さっきの言葉撤回。す…すごい威力だ。このサイリウム伊達じゃないな。一瞬にして真っ二つにできるとか強すぎるぞ!!」
アシストするためだけの武器だからと思っていたからか。あまりの絶大な威力に興奮しながらも、次々と魔物を斬っていく。
「よし、そろそろ女神が言っていた。推光棒の本質でもある。推しに、力を与えるオタ芸でもするか!」
偶然か必然か。その、言葉と重なるようにイチズちゃんの方も準備が出来たようだ。
「ごめん!!お待たせ。準備完了したよ」
「それじゃ~!!配信開始」
「みんな~こんイチズ~!!!初配信です!異世界に転生する前はVTuberの翠光イチズとして配信してました!!これからこちらの世界でも配信するからよろしくね!!今回は、ここにいる臨くんと一緒に、今からあっと驚くバトルを見せるからその目に焼き付けてね~!!それじゃ!よろしく」
「配信風景を生で見れるなんて。でも、アーカイブが無いのが惜しい。」
さすがはVTuberの才を引き継いだプロだ、動画配信に慣れている。自分がいつも見ていた配信のまんまだ。リアルでこれがみれるなんて生きててよかった。とファン目線からも感心するも、アーカイブが無いことを惜しむ俺
「あ!?どんどん視聴者が増えていってる!!初配信なのにみんなありがとう~!!」
配信を開始すると視聴者が100、200と着実に増えていく事に感心するイチズ
「それじゃ!異世界マートで発注するね!!」
「ここをこうして~。こうすると~!!あっ。これで、やった!いけた」
すると、突然。段ボールが降ってくる
「うわっ、なんか段ボールが降ってきた。これが発注した物か!確か、ランダム性あるとか言ってたし、使える物だといいな!」
「視聴者の皆は、中に何が入ってると思う?」
そう、視聴者に問いながら。箱の中身が、気になり開けてみると。
そこには何の変哲もない、普段のサイズよりも一回り大きいだけのピコピコハンマーが入っていた。
「え?ピコピコハンマー!?これは当たりなの?あまり強そうには見えないけど!!使ってみるしかない!!」
「次は私が相手だよ!みんな覚悟してよね~」
イチズは魔物に駆け寄り、ピコピコハンマーでぶっ叩くと、一瞬にして遥か彼方に飛んでいくではないか
「ねぇねぇ!!視聴者の皆。このピコピコハンマー、見た目。こんなに普通なのに、めっちゃ強くない!?」
「見た目とのギャップエグすぎるだろ…」
ピコピコハンマーの威力にイチズと俺は驚きつつも、バトンタッチをする
「よし!!それじゃ、配信開始した事だし、サイリウムの本良発揮といきますか」
早くオタ芸をしたいのは山々だが、やはりやる以上、コールというものが必要だ。
俺は、ヒストールを呼ぶことにした
「ヒストールさ~ん!!さっきの言葉はごめん!!このサイリウム強すぎだわ」
「はいはい!!呼んだ?今、イチズの配信を見てるんだけど!何か…うわっ!リアルでみると凄い迫力ね。授けたの私だけど、すごい威力ね!ちなみに配信には写ってなさそうね!なら良かったわ!」
スマホを横目に俺の呼び掛けに反応するヒストール
まさかイチズの配信を見てて、尚且つ前もそうだが、配信に映ることをここまで気にしてたとは。
「えっとコールだっけ?聞いて驚いてね!!その推具のスキルにはなんと!!コールという名の詠唱に加えてスキル名だってあるんだから!!」
女神曰く。この世界で俺が使う、コールは詠唱というらしい。それに加えてスキルというものもあるとは。
次々と付け加えられる要素に驚きと喜びが高まるばかりだ!!
「そのコールとスキル名を早く教えてくれ」
「まず、スキル名はね。《翠光の君へ贈るオタ芸》と書いて(フェイバリット・グリン・ド・エール)】と読むのよ!!」
「そして、コールは『イ~チズ!!イ~チズ!!翠光のキミに捧げるエ~ル♪ ファイト!ファイト!』っというものなの!!」
お世辞にも、かっこいいとは言えない。アニメで俺の知る詠唱とは違い。思ったよりもコールらしさ全開な詠唱と、中二病感の溢れるスキル名とのギャップに驚く
「おおっ!!名前かっけ~!!中二病感の溢れる名前にオタク魂が痺れる!!でも、その~…名前とのギャップがやばくない!?」
「え~!!そんな驚かなくても」
「いやいや!!スキル名はまだしも、詠唱っぽい。なんかこう~。中二病感溢れるワードがてんこ盛りなコール的なものだと思っていたからからさ、予想以上にコールすぎて驚いてるんよ」
「なるほどね!!確かにアニメで観る。あなた達が知る、詠唱といったらそんな感じよね。でもね。よく考えてみて?あんな長い詠唱をさ、いきなり言われて覚えられる?
私があのの立場なら覚えられないと思うの。だから、口馴染みのあるコールらしさ全開の詠唱の方が言いやすさもだし、覚えやすいでしょ?それに、推しを支援してる実感もより湧くでしょ?」
ヒストールの言っていることは確かにそうだ。
「まぁ…そうか」
思ってた詠唱とは程遠いが、これで推しの支援が出来るなら願ったり、叶ったりだ。
そう思い、スキルを使おうとした途端。ヒストールが聞き捨てならない事を突然、言い出した。
「あと、言い忘れてたけどそのサイリウム型の推具・推光具には時間制限があってね。時間制限が来ると消滅する仕組みなの。それに、スキルを使うと時間が縮まるから、ここぞという時に使ってね。」
「うん!!わかっ…え?まって…。今なんて?時間制限があるとか言ってなかった?」
聞き捨てならない事を耳にした俺は、何かの聞き間違いかと思い、聞き返す。
「えぇ!!言ったわよ。だって当たり前でしょ?!化魔法とかに時間制限がついているのはアニメでもお約束じゃない?」
聞き間違いではなかったようだ。
ヒストールの言ってる事は確かに、正論なのだが、こんな状況で唐突に言われて、イラついてしまった。
「ちょっと!!もっと早く言ってくれないと大変だって!時間制限が来るだろうが!」
焦りからか、怒り気味にヒストールにそう言う。
「大丈夫よ!!そんな焦らなくても。戦える時間くらいは残っているわ!!サイリウムを折ってから、そうね…。精々30分くらいかしら…」
「まぁスキルを使うと15分くらいに縮むけど!!大丈夫よ!!イチズちゃんもいることだし!!一緒に頑張って!それじゃ。あとは頼んだわ」
再び言いたいことだけ言って顔を引っ込める。ヒストールの適当さには心底、飽き飽きするが気持ちを切り替えるしかない。
「まぁ…スキルを使用しても15分の猶予があるし、大丈夫か」
「イチズちゃん!!ごめん!スキル発動したら15分くらいに使用時間が縮まるらしいんだ!!いけそう?」
「こっちは大丈夫!!思った以上に、このピコピコハンマー有能だし、時間制限が来ても大丈夫なように。出来るだけこちらでも戦力を削っておくよ!」
「わかったよ!!今から詠唱を唱えて、俺も戦闘に参加するからあとちょっと耐えてて!!」
「了解!!待ってるね!!」
思ってた詠唱とは程遠いが、これで推しの支援が出来るなら願ったり、叶ったりだ。
「どんな感じなのか、ワクワクするぜ」
再び推しであるイチズちゃんに視線を向けて、想い。深呼吸をして、気合いを入れながらオタ芸の構えにつき、こう呟く。
《翠光の君へ贈るオタ芸》(フェバリス・グリン・ド・エール)
スキルを呟いた瞬間。翠色のオーラが体から出てくる。それと同時に、力や勇気が漲る感じがする
『イ~チズ!!イ~チズ!!翠光のキミに捧げるエ~ル♪ ファイト!ファイト!』
推しを一途に想い。贈るコールと全力で振る翠色の推光棒が、青空を推し色に染め上げる
「うぉぉぉぉ!!これこれ~!!何度やってもやっぱり楽しすぎる~!!!」
オタ芸は何度やってもやみつきになる爽快感があるし、推しに直接届くとなれば、なおさらだ。
「ライブとか動画とかで見た。本物のオタ芸だ~!すご~い。私もライブを思い出すな~。」
本物のオタ芸に感心するイチズ
スキルを発動し終わると、イチズの身体からオーラのようなものが出ている。
「ちょっ、なんか身体からモヤモヤってオーラが出てるよ。しかも、身体からやる気と力が涌き出る感じがするんだけど!!これが臨くんのスキルの効果!?」
「ねぇ!!動画の向こうの皆もほら、見て見て!!凄くない!?翠色のオーラ」
エールの効果はあるようだ。
「どんな?強くなった感じとか、やる気が出てくる感じとかある?」
すると、その問いに答えるイチズ
「うん!前より強くなった気がする!今ならこのピコピコハンマーでどんな敵も薙ぎ倒せる気がするよ。それじゃいくよ~!!視聴者の皆も応援よろしくね」
イチズは以前よりも勢いを増して、次々と薙ぎ倒す
「ごめん。削ってくれてありがとう!!少し戦って発動したから残り10分だけど、お待たせ!!加勢するよ」
「どういたしまして!!残り10分か~。それなら、早急にケリつけないとだね!!」
いよいよ、待ちに待った推しとの共闘だ
イチズと連携をとり、サイリウム推具・推光棒とピコピコハンマーの武器で華麗にステップを踏みながら次々と倒していく
「めっちゃ爽快だ~!!」
「連携もバッチリだね!!」
スキルも発動して、勢いに乗った所だが、残り一体になってしまった。
「ようやく二人で共闘かと思ったら、残りあと一体。初戦から鬼畜すぎるだろ」
「ほんと大変だったよ…」
さて、最後の一体をどう倒そうか…
「最後の一体は私に任せて!!このピコピコハンマーにもスキルがあるかもだから試してみたいの」
「わかったよ!あと一体はよろしく頼む!!」
イチズのスキルという言葉に反応するかのようにピコピコハンマーが光りだした
再びヒストールにスキルについて聞く
「ヒストール~!!なんかピコピコハンマーが光ってるんだけど!!これもスキルの1つ?」
すると、再び顔を覗かせるヒストール
「そうそう!!それはピコピコハンマーだけのオリジナルスキル《蛇腹巨大》よ!!発注して、届いた武器にもそれぞれスキルがあるの。」
「だから!!ランダムに発注した武器のスキルを活用して戦ってね」
まさか、発注した武器一つ一つにもスキルがあるとは、毎回どんなスキルが付与されているのか。楽しみすぎるな…。と思う俺
「それで、このピコピコハンマーのスキルってどんな効果なの?」
確かに肝心のスキルの内容が気になる所だ。
「そのスキル《蛇腹巨大》は至ってシンプル!!敵を倒した分だけ、スキル発動時にピコピコハンマーが大きくなる能力なの」
「このスキル名の由来はピコピコハンマーが蛇腹構造である事と捕食した後の蛇のお腹のように大きくなるところから名付けられた名前よ!」
「だから、もちろんだけど大きくなってもピコピコハンマーだから殺傷能力とかはなくて吹き飛ばすだけだから、武器としてもスキルとしても外れかもね」
なぜ、毎回スキル名と効果の差がこうも大きいのかと疑問を抱きながらも、当たりの武器はどんな武器があるのかと期待に胸を膨らませる
「やっぱりこの武器は外れだったか。ということは当たりもあるんだよな!!楽しみ」
「え~!!楽しかったのに!!この武器外れなの?ということは当たりの武器だったらもっとワクワクするのかな!!」
「まぁ気を取り直してとりあえずスキル発動して最後の一体ちゃちゃっと倒しますか」
そういうとイチズはスキル名を唱えた。
《蛇腹巨大》
スキルを唱えた瞬間手元にあったピコピコハンマーがみるみるうちに大きくなる
「わ~!!ちょっと!!どんどん大きくなるんだけど!!絶対これって、大勢の敵を相手にしすぎたからだよ!!」
ピコピコハンマーは大空を覆い隠すほどにみるみるうちに大きくなっていた
「敵一匹に対してさすがに大きすぎるだろぉぉぉ!!」
蓄積とはいえ、最後の一体というのにこの質量の物をぶつけられるのだから、相手もたまったもんじゃないだろう。と敵に同情する覚えてしまうくらいに大きい。
「それじゃ~!!いくよ~!!覚悟してよね!!」
イチズは風を切るような勢いでピコピコハンマーを全力で振りかぶる
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ」
振りかぶるイチズを応援する俺
「いっけぇぇぇぇぇぇ」
敵に直撃した瞬間。凄まじい風圧と共に一瞬にして遥か彼方へ飛んでいく姿が見える
「最高のホームラン!!ナイス」
「いぇい!!やったよ!!」
喜びを分かち合い、ハイタッチをかわす俺とイチズ
「カメラの向こうのみんな~!!ドタバタだったけど初戦終わったよ~!!ここまで見てくれてありがとう!!ほんと、大変だったけど。ここにいる臨くんと乗り越えたよ!またね。」
そして、イチズは推電撮の撮影を止めた。
最後の最後までこれから見る視聴者に向かって万年の笑みでピースサインをする推しを見て、ファンサも忘れない所にも最高の可愛さを感じる。
「え?もう…15分経った?消滅したんだけど」
「まぁ、現実でも予備とかあるしきっとあるだろう。まぁあの女神に聞くか」
「そうだね!!私も戦いが終わったからピコピコハンマーが消滅しちゃった。」
戦いが終わるのと同時に俺のサイリウム型推具・推光棒とイチズちゃんのピコピコハンマーが消滅した。
「とりあえず一件落着!!視聴者数が最終的に5000人だったし改めてありがとう。これからもよろしく」
「こちらこそだよ!!よろしくね」
こうして俺達の初戦は無事終わったのだった。




