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Eyes of diamond and Escape  作者: 空と色
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ダルキリSide 緑の悪魔

「や・・・・・・めて・・・・・・あたしは・・・・・・いい・・・・・・ルキィル、や・・・・・・ダルキリには・・・・・・攻撃・・・・・・しな・・・・・・いで・・・・・・。」

そのまま力が抜けたように頭を垂らしたラーシャを見て、俺は意味がわからなくなった。

「ラーシャァァアアアア!」

怒りにまかせて剣を振るうと、そのままラーシャは投げ出された。

あのままでは壁にあたりかねない。

「くそっ!爆・弾鋼車!」

業で相手を引き離し、ラーシャの方向へ飛んでいく途中、横にイリューストが並んだ。

「な!?」

俺が驚いている暇もなく、イリューストは横に並んだ俺を剣で叩き落とした。

見切る暇もなかった。

地面に自分の体がめり込むのと、ラーシャが壁にぶち当たったのは同時だったように思う。

だが、俺は仲間のもとに駆け付ける暇もなくイリューストに腹を踏み潰され、真上から剣を突き立てられた。

・・・・・・マズい。

これを直で受けたら死ぬ。

だが、避けられる暇もない。

そう直感が言っていた。

体が金縛りにあったように動かなくなり、目が乾いて張りついたように閉じることもできなかった。






ヒュッ!

グサッ!






その音がしたのは同時だった。

俺の目の前にはルキィルの氷があった。

「・・・・・・ルキィル・・・・・・?」

ルキィルを見ると、折れた片腕をぶら下げたままこちらに手をのばしていた。

イリューストが不意に奴の方を向いたのでその隙にイリューストの足を蹴っ飛ばし転ばせると、その反動で上半身を起こし、起き上がったイリューストに一発力一杯の拳をたたき込んでやった。

「イリュースト、てめぇ・・・・・・仲間に刃向けてんじゃねぇぞ!思い出せ!おまえはただの人形かよ!?イリューストっていう自分の性格があったんじゃねぇのかよ!?」

イリューストはただ顔を上げて俺を見ただけだった。

その目には何も宿ってはおらず、曇ったガラスのような水色の目ン玉にギョッとせずにはいられなかった。

「・・・・・・ああ、そうかよ・・・・・・なら怒る価値もねぇな、おまえは、もうイリューストじゃない。俺の声が届かないなら・・・・・・この俺様の手で跡形も残らず殺してやらぁ!」

鼻先に突き付けた剣に全く反応しないイリューストがまたこちらの行動を見透かしているようで恐ろしく、また、馬鹿にされているようでムカつき、元のイリューストではないというやるさなさなどの様々な感情が募った。

俺は剣を強く握り締めると、「千咒・一丸鳳圧!」と叫んだ。

俺の先にあったものすべてがぶっ飛んだ。

壁も吹き飛び、木はやけはらわれ、イリューストが座っていた位置は大きな穴ぼことなり果てていた。

「・・・・・・呆気ねぇな。」

俺がその場から離れようと背を向けたとき、殺気を感じて振り向いた。

〔ガキャァ・・・・・・ふざけんなよ?〕

魔物のぶちギレた声と、その前に壁のように立ちふさがり守っているイリューストが見えた。

〔こっちが手を下さないで見てたところを吹っ飛ばしやがって・・・・・・。〕

後ろの魔物がボコボコと変形する。

正直、気味が悪い。

こんな声も、聞いたことがない。

耳がおかしくなったみたいだ。

魔物が体の一部を大砲らしき何かに変えると、俺に向けて放った。

それと同時にイリューストが飛び出してきた。

玉は俺が避けるよりも先に空中で破裂し、消えた。

「ははっ!何だよ、見かけ倒しか!?」

俺は玉を無視してイリューストの動きを見極めようとした時だった。

「なっ!?体が・・・・・・重いっ!?」

「ダルキリッ!それ・・・・・・呪縛!沢山の・・・・・・呪縛!今・・・・・・とくから!待って・・・・・・!」

ルキィルが大声を張り上げ、俺に近づいてこようとした時だった。

ルキィルは顔を蹴り飛ばされ、その反動で頭が壁にめり込み、壁が砕けてそのまま倒れこんだ。

「ルキィルッ!!」

何が起こったのかわからなかった。

おそらくイリューストが蹴飛ばしたのだろう。

魔物は動いてはいなかった。

だが、俺の頭がそう理解するよりも先にイリューストが俺の前にきていたのだ。

「うおっ!?」

転がるようにイリューストの攻撃をかわしたはずが頬から血がしたたった。

イリューストは、転がった俺の足首を掴み、投げあげると、そのまま床に叩きつけられた。

「クハッ!」

あばらが折れたような気がした。

いや、実際折れているのだろう。

立ち上がれない上に苦しい。

イリューストはそのまま仁王立ちすると、今度こそ止めの剣を振り下ろしてきた。






その時だ。






ガキン!という音が響き、イリューストの顔面を両足で蹴り飛ばしていた。

そいつは何事もなさそうに着々すると、「あーぁ、ふざけんなヨ?ここを特定するまでにすんげぇ時間かかったじゃねえかヨ!全く、まさか別世界飛び回って摂理まで違う場所に行ってまたこの場所にかえってくるとかさ、マジなんなの!?」と呟いた。

「・・・・・・ガキ?」

どう見てもわけの分からない言葉をしゃべっている人間は12かそこらの坊主だった。

「あー!ガキとかさ、マジなんなの!?これでも14ですからー!残念ー!いや、残念でもないのかな?ま、どうでもいいんだけどヨ・・・・・・緑のネエチャン、本当に使えないんだな・・・・・・それでコッチが呼び出されるなんてやんなっちゃうヨ。」

そう言いながら俺を指差していない方の手で頭をかいた。

「緑の・・・・・・ネエチャン?」

ラーシャの事だろうか?俺にはいまいちよくわからない。

わかりそうもないので考えるのはやめておこう。

「それより、てめぇは誰だ。」

「・・・・・・世界ヲ守リシ者・・・・・・ま、救世主ってところ?あんたも感謝しろヨ?絶対自分が来なかったら死んでた。覚醒しちまったあいつにあんたらじゃかなわないヨ・・・・・・。」

ニヒルに笑い、イリューストを睨み付けるガキの態度が、何故か恐ろしくムカついた。

「ふざけんなよ!くそガキ!いいか!?イリューストは殺すな!」

「自分に命令すんじゃ・・・・・・ねぇヨッ!」

一瞬のうちに俺は殴り飛ばされ、飛ばされた側と反対側の壁は刃物か何かで切ったように崩れた。

「なっ!?」

俺は何とかバランスをとり、右手と右膝をついて体を支えるとそのガキを見た。

「てめぇ・・・・・・何しやがった!?」

口の中に血の味が広がる。

不味いので唾を吐き出したらやはり血が交ざった唾が吐き出された。

「何って・・・・・・殴ったんだけど?何?おまえ馬鹿なのかヨ?」

「俺じゃねぇ!壁だ!」

俺がそう叫んだ瞬間、ガキの首もとに手を突き刺そうとしているイリューストが現れた。

「・・・・・・あぶねぇ!くそガキ!?」

俺が叫ぶと、そのガキは動じた気配も見せずにニヒルに笑うと、一瞬のうちにイリューストの首根っこを掴み、壁にめり込ませていた。

「カハッ!」

イリューストは咳き込んだだけで声は上げなかった。

「・・・・・・遅いヨ。おまえら、何でそんな遅いの?それで自分を倒せるとでも思ってるわけ?笑っちゃうよね、これが世界を変えうる者なのかヨ?」

そう言ってガキは手によりいっそう力を入れた。

「やめろっ!」

「いやぁぁあああ!イリュースト!」

その声はほぼ同時だった。

呼吸困難で意識が遠退いていたラーシャの意識が戻ってきたらしい。

・・・・・・クソッ、間が悪いときに起きやがって・・・・・・。

「緑のネエチャン、あんた、使えないね。先代が望んだんだヨ?他とは違う役に立てる力を与えてくれ、とか・・・・・・だから自分達は命令して、力までわけ与えた・・・・・・命令はこいつらを全滅させること。そうすればその呪いは溶ける・・・・・・してやられたヨ。呪いがここ数千年発動しなかった。だからこっちも油断してたのにさ・・・・・・こんな爆弾が育ってて、殺すように命じたはずの相手を守り守られながら一緒に旅してるんだもんな・・・・・・本当にさ・・・・・・ふざけんなヨ!」

イリューストの首をへし折ろうとしたガキにラーシャが突っ込んでいき、ガキを押さえ付けた。

「やめて!やめて、お願いっ!今は違っても、共に旅をした仲間なのよ!あたしが殺されればイリューストは殺されないですむの!?そもそもなんで何も知らなかったタヤの民族を殺さなければならなかったのよ!?彼らが何をしたというの!」

その問い掛けにガキはラーシャをぶっ飛ばし、ラーシャは二回ほどバウンドして数メートル先に転がると、体を抱え込むように蹲った。

「ラーシャ!大丈夫か!?」

俺が剣を構え、ガキを見据えたとき、ガキはこちらをチラリとも見ずに答えた。

「・・・・・・あんたが死んだって何にもなんねぇんだヨ・・・・・・何故殺されなければならなかった?決まってんだろ?こいつらが世界を滅ぼしかねないからだヨ!何をした?何もしなくても生きているだけで大罪なんだヨ!おまえも、こいつも!おまえらは人殺しなんだ!未遂で終わったか、実行したかの差しかない!食い止めなければ世界が滅んでた!世界はまだ終わらせられない!終わらせるわけにはいかないんだヨ!だからおまえの国の城には未だに“ダイヤモンド・アイ”が眠ってる!自分達が犯した罪を忘れないようにとかなんとか言ってな!だけどそんなの甘えだ!甘えなんだヨ!」

ラーシャは体を起こしながら「なら・・・・・・どうしてダイヤモンド・アイは流通したの・・・・・・何故あたしには見せてもらえなかったの・・・・・・あたしは知らずに初代国王を慕っていたのよ!ただの成り上がり者だなんて知らなかった!知りたくもなかったわ・・・・・・神は偉大だと・・・・・・信じていた、のに・・・・・・。」と言った。

泣いているのだろうか?

ラーシャの声が震えている。

「知らねぇヨ。そこで大人しくしてんだな。このニイチャン殺したら、次はおまえのばんだ。喜べヨ・・・・・・後追わしてやんだからヨ。」

ガキはようやく見えなかった姿を表し、お互いボロボロになった姿でイリューストの手をひねりあげていた。

イリューストは数秒の間動かなかったが、ひねりあげられた腕をさらにひねり、体をひねるとガキを蹴っ飛ばした。

その時、ボコッと間接が外れたような、骨が折れたような音がした。

イリューストは右腕をぶら下げたまま左手に剣を握り、壁にめり込んだ相手に突っ込んだ。

ズシャッという音と共にイリューストの胸の辺りにもガキの胸の辺りにも何かが刺さっていた。

ガキは剣が、イリューストには手が・・・・・・お互いの体を貫いていた。

「・・・・・・チッ相討ちかヨ!?」

その瞬間、イリューストも魔物もガキもどこかに消えてしまった。

「イリュースト・・・・・・!」

頭をうなだれ、石ころを掴んだラーシャを見ているのは正直辛かった。

「あんのぉ・・・・・・俺もいんだけど・・・・・・俺の心配はしてくれないわけ?」

俺が苦笑いすると、ラーシャは驚いた様子で顔をあげ、それから凄く・・・・・・歪んだ笑顔を見せた。

「・・・・・・あぁ、ごめんなさいね。ダルキリ。怪我、してるわね・・・・・・大丈夫?」

無理するなとでも言ってやれればいい。

でも多分それは無理なのだろう。


ラーシャは無理やり1人で立ち上がると、自分の頭から流れてくる血を気にも止めずに片足を引きずりながら気絶しているルキィルの場所へ向かった。

「・・・・・・ダルキリ、ルキィルをお願いできないかしら?」

「は?」

「は?じゃないわよ、お姫様抱っこ。」

「あぁ、だから、なんでラーシャはもっと気絶してねぇんだよ!?」

「馬鹿なこと言わないでよ。ねぇ、イリュー・・・・・・ス・・・・・・ト・・・・・・。」

少しだけ笑ったラーシャの顔が横を見て、凍り付いた。

「行こうぜ。」

「そうね・・・・・・。」

ラーシャは一言も弱音をはかなかった。

それがラーシャのプライドなのだろうか?

俺は黙ったままルキィルを抱えた。

何を話したらいいのかもよくわからなくなった。

ただ、ラーシャは弱々しく微笑んでいた。

数分間の沈黙を破ったのはラーシャだった。

「この村から抜けたいわね・・・・・・。」

「いや、俺はラーシャと二人きりってのもいいと思うぞ?」

「馬鹿ね・・・・・・ルキィルがいるし、またしても重傷者じゃない。早く人里に下りましょ?」

いつもの突っ込みよりキレが悪い。

「何だよ、じゃあルキィルがいなければ俺と二人きりでもいいのか?」

「いいも何も・・・・・・嫌でも自動的にそうなるじゃない。」

「ふーん?ラーシャは意外に俺のこと好きなのか。」

「・・・・・・嫌いじゃ・・・・・・ないわよ。でも。」

そのままラーシャは黙って自分の拳を眺めていた。

「・・・・・・好きでもない?」

ラーシャは驚いた顔で俺を見た。

「馬鹿言わないで。好きよ、変態でなければね。ルキィルも好きだし・・・・・・イリューストも・・・・・・ねぇ、イリューストは、無事なのかしらね?」

俺はため息をついた。

「俺はイリューストの心配よりラーシャに自分の心配をしろと言いたい。血ぐらいふけって。自分で。」

自分のマントをラーシャの顔面に投げると、ラーシャは「いいわよ、汚れるから自分のマントでふくわ。」と言って俺にマントを返してきた。

「ラーシャは素直じゃねぇなぁ。」

苦笑いすると、ラーシャは少しだけうつむいて、「・・・・・・そうね、そうなのかも・・・・・・。」と呟いた。

・・・・・・本当に大丈夫か?

そんなに変わるほどラーシャにとってイリューストは・・・・・・。






大きな存在?






何時間歩いたかは知らないが、ようやく町が見えてきた。

「・・・・・・赤いな・・・・・・。」

「え!?あぁ、なんだ・・・・・・夕焼けの事?本当だ・・・・・・凄く赤くて綺麗ね・・・・・・綺麗で・・・・・・残酷な色・・・。」

「ラーシャ?」

俺がラーシャの顔を覗き込むと、ラーシャはまた歪んだ笑顔を見せた。

「あぁ、やだ・・・・・・ついつい否定的な考えにはしってしまって・・・・・・ダメね。」

そのままラーシャはずっと俺を見てるので「何?今更惚れた?」なんて言ってみると、ラーシャようやく俺から顔をそらし、「違うわよ・・・・・・ただ、ダルキリの髪の毛と同じ色だって思ったの。綺麗な髪の毛してるわよね、あなた。」と言った。

「そうか?言われたことねぇや。でもさ、俺はラーシャの髪の毛の色もわりと好きだぜ?今は血で汚れてるけど。」

「・・・・・・ありがとう。」

町につくと、宿屋を探した。

見つけて宿屋に入ったときにはすでに夜空に星が瞬いていた。

宿屋に入るなり人が驚いた声を発して俺らを見た。

まぁ、血塗れだし仕方ねぇよなぁ・・・・・・と思っていたらどうやら違うらしい。

人はラーシャをこう罵った。

「緑髪、緑目の悪魔ッ!?」

俺は驚いてラーシャを見た。

ラーシャは・・・・・・今にも泣きそうな、酷く歪んだ笑みを見せ、「あたし、出るわ。野宿にしておく。二人がとまれる分のお金はコレでなんとかなるはずよ。あたしはルキィルの看病が出来ないから・・・・・・ダルキリ、頼んだわね。」と言って俺に有無も言わせずに自分のネックレス?を俺の手に握らせると、宿屋を早足で出ていってしまった。

「ま、まてよ!ラーシャ!」

追い掛けようとしてバランスを崩し、ルキィルを落としそうになるところを踏張って支えると、足止めを食らったせいでラーシャはすでに建物の外だった。

今ラーシャを追えばまだ間に合うかもしれない。

でもルキィルが休めなければ・・・・・・。

「・・・・・・クソッ!」

「あのぉ・・・・・・大丈夫、かい?兄さん達。」

おっさんが顔をしかめながら俺に問い掛けてくるので、俺はラーシャに無理やりネックレスを握らされた手を突き出し、「一部屋、貸してくれ。」とぶきらぼうに告げた。

「あ、あぁ、かまわないよ、だけど、兄さん達、あの不吉と言われている緑髪、緑目のお嬢さんと旅かなんかしてるんじゃないだろうね?ここでは緑髪、緑目は悪魔と言われているんだ。向こうの廃墟を見たかい?町が丸々一つ壊されて誰一人として生存者はいなかった・・・・・・恐ろしいったらありゃしないよ。」

おっさんはネックレスを受け取りながら、俺たちを部屋に案内した。

知っている・・・・・・それがラーシャの偉い奴だったってことも、ラーシャとつながってるって事も・・・・・・だけど、だから何なんだよ!?

それはラーシャ自身がした事じゃない。

ラーシャが悪魔なんて呼ばれなくちゃいけねぇ理由なんてどこにもねぇだろ!?

俺が返事をしないでいると、おっさんはため息をついて、「まぁいい。でも気を付けるんだね。ここでは悪い事をするやつにこう言う。“悪い事をする奴は緑髪、緑目の悪魔が目をえぐり殺しにくるぞ”ってな。あのお嬢さんも下手するとここでは怪我するよ。」と言った。

俺はそれを無視し、ルキィルをベッドに横にすると、床に座り込んだ。

ルキィルはゆっくりと正常な呼吸を繰り返し眠っていた。

俺は部屋の窓を開け、身を乗り出して辺りを見渡したが、ラーシャらしき人影を見つけることはできなかった。

それからしばらく、ルキィルを見ていたのだが、記憶は途中でなくなっていた。


作「ダルキリSideだ。望んでたろ、お前。」

ダ「俺が主役。」

作「お前は主役にはなれん。人との距離を撮るのが下手すぎる。そんなお前にリーダーはつとまらん。」

ダ「イリューストよりゃ俺のが向いてるだろ。あいつ、仲間を傷つけやがった……いや、あれはもう、イリューストじゃねぇ。でも、ラーシャを傷つけたのは、ルキィルをこんなにしたのは……あいつだ。」

作「そんな悲しいこと言うなよ。確かにイリューストは敵になったけどな、好きでなったわけじゃないんだぜ?」

ダ「好きでなったなら、遠慮なく殺してる。」

作「おいおい。」

ダ「そうじゃねぇから……。」

作「殺せなかった。躊躇をした。」

ダ「俺の声が届くと思った。でも、届かなかった。届かないなら、俺は……。」

作「なんだよ……。」

ダ「……。」

作「だまってるなよ。」

ダ「……。」

作「……。」

ダ「あいつを……。」

作「フラグたてて来たな。」

ダ「……。」

作「早く言えよ。」

ダ「……殺す。」

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