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Eyes of diamond and Escape  作者: 空と色
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ラーシャSide 仲間ということ

この小屋についてから気まずくて離したイリューストの手は、ゴツゴツしていた。

あんなゴツゴツした手は初めて触ったわ。

あたしに近寄ってくる男はみんな女みたいに柔らかくて綺麗な手をしていた。

この小屋のお婆さんもあたしを見ても何も言わないし。

イリューストもあたしの素性を聞かないし・・・・・・順調に物事が進んでるって感じね・・・・・・。

目の前でパチパチと燃える火を体育座りに顔を埋めながら見ていた。

にしても・・・・・・イリューストが止まったとき聞こえた声、『リュラ』って・・・・・・確か、幼なじみで死んじゃった女の子の事よね?

そんなに彼女の事・・・・・・好きだったのかしら?

それなら幼なじみなんてやめて彼女にすればよかったのに。

あぁ、でもあのイリューストだもんね。

なんか、ずっと片思いって感じ。

「想像があまりにも現実味を帯び過ぎてるわ。」

思わず一人でクスリと笑った。

でも、会ったばかりのあたしに言われてるイリューストっていったい・・・・・・。

それを考え出したら笑いが止まらなくなって一人で怪しく暖炉の前でニヤついていた。

自分で言うのもあれだけど、相当怪しいわ、あたし・・・・・・。

「ラーシャ、いいことでもあった?」

イリューストがあたしの隣に座った。

「え!ううん!何でもないの!」

口が裂けても“あなたのヘタレぶりを想像して笑ってたの”なんて言えないわっ!

「ねぇ、あのさ、よかったらラーシャの事も知りたいんだ。僕ばっかり話しちゃっただろ?ラーシャはどうして綺麗で強くてみんな憧れそうな容姿してるのに旅に出ようなんて思ったの?」

綺麗で強くて・・・・・・?

思わず赤くなった顔でイリューストを見た。

でもイリューストは大真面目。

真っすぐにあたしを見ていた。

・・・・・・罪作りな人ね・・・・・・こんな事、すんなり言えちゃうなんて。

それからフッと過去を思い出した。

「・・・・・・あ、あの、嫌だったらいいんだ!無理にとは言わないから!」

どうやら過去を思い出して黙っている時間が長すぎたらしい。

「ううん・・・・・・そんなんじゃないの。ただ・・・・・・あたしはイリューストが思ってるような人間なんかじゃないわよ・・・・・・例え、それがまわりから見て羨ましくても、本人からすれば窮屈で仕方ないものに変わっていく・・・・・・だから旅に出れば自由になれる気がしたの。自由になりたかった。外を知りたかったのよ・・・・・・。」

「有名なところの出なんだね。」

「・・・・・・うん。そうね。有名な・・・・・・ところ・・・・・・か。」

フッと炎を見た。

何となくイリューストが炎に照らされて勇ましくなってるように思えて。

イリューストの瞳のなかに移っていた揺らめく炎。

髪の毛は・・・・・・深い青・・・・・・。

瞳は、水色?

気にしなかったイリューストの容姿がオレンジ色の光を帯びて際立って見えた。

背も、今思えば低いわけじゃない。

顔はすごくかっこいいわけじゃないけど、決して酷くはないし、あれ・・・・・・すっかりなじんでるみたいだけど、イリューストといて、あたし平気なのかしら?

まあ、平気よね。

イリューストがあたしを押し倒すとか考えられないもの。

フフッと笑った。

「そう言えば、緑の髪の毛に緑の瞳って・・・・・・誰かが何か言ってたかなぁ・・・・・・?」

いきなりお婆さんの独り言のようにつぶやいた声にあたしはピタリと固まった。

「なんだったかしらねー。思い出せないからたいしたことでもないんだろうけど。最近物忘れが多くて嫌になるねぇ。」

椅子に座って手をこすっているお婆さんは膝掛をかけて微笑んでいた。

「そうですかーでも、まだまだお元気じゃないですか。そだ、あたしもう寝るね!おやすみイリュースト。部屋、お借りしますね。おやすみなさい。リベアさん。」

リベアさんとはお婆さんの名前である。

「あ、うん。おやすみ。ラーシャ。」

イリューストは軽く手をあげた。

「いえいえ、おやすみなさい。いい夢を。」

「おやすみなさい。」

もう一度、部屋を出る前にペコリと頭を下げた。

小屋・・・・・・思ってたより大きいし、暖炉の前を離れるとやっぱり寒いわね。

「うぅ・・・・・・寒い。」

二の腕を両手でこすった。

部屋に入るなり布団にくるまると、あたしはすぐに寝てしまった。


作「二度目だね~。」

ラ「……だね~じゃないわよ!なんなのよ!?あのよわっちぃのは!?」

作「性格はそんなに変わんないと思うけど、実力はこれから上がっていくはず。特に頭脳系ではかなり活躍をしてくれるはずだよ?作戦とか、作戦とか作戦とか。」

ラ「え?推理とか得意なの?あんなに鈍そうなのに?」

作「鈍そうなのはうん、外見だけだから。というかあんまり鈍そうって言わない。本人結構気にしてるから。」

ラ「そ……そんなの知らないわよ!!」

作「ちなみに仲間も増えてくるだろうし、まぁ楽しみにしててよ。ね?」

ラ「女の子!女仲間がいいわ!」

作「うん……増えるよ。そのうちに。」

ラ「そのうちっていつよ!?」

作「いつかだよ。いつか。今じゃないいつか。」

ラ「納得いかないわ。」

作「はい、今回はココまでです。ありがとうございました。」

ラ「ちょっと!話はまだ途中じゃない!」

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