06話 ハージ・アストレア・アーサー
(門番が立っている)
(まずはあれをどうにかしないと)
「おい、そこのお前、何用だ」
バレてしまった。角を生やした魔人が話しかけてきた。身長はレオナと同じくらいで、いかにも真面目そうな魔人だった。
「お前には関係のないことだそこを退いてもらおう」
「いや、通さんぞ。」
両者の意見が、噛み合わない。
「ふむ、言葉では無意味だな」
(人間なら食ってもいいか......)
「武で押し切る。」
「ちょうど小腹がすいたところだ」
魔人族固有魔法 地獄ノ炎
地獄のような熱の炎を口からだす。
温度は高温で鉄をすぐ溶かすような熱さである。しかし、相手の技量がそこまでの為、速度はあまり速くはなかった。
上級 朧流【竜道刀】
竜が通ったかのような刀の捌き。
ズバァ
グッ
フゥフゥ..
「なんだお前の強さは」
・・・・・・
「城の物に連絡をしなければ.....」
通信機器のようなもので仲間に情報が拡散された。
通信機器はとても小さく持ち運びが便利そうなものだった。(地獄の技術はかなり進んでいるのか)地獄は地上より技術が進んでいた。
ドサッ
「ひとまず、城に隠れるか」
とりあえず、城に入ることを決めたレオナ。
城内が騒がしい。先ほどの門番の仲間であろう。
城の中の構造は大して複雑ではなかった。
恐る恐る移動するレオナ。
ここでバレてしまっては人数不利で一気におされて敗北だろう。
なぜか、道中のは敵と合わなかった。
どうしてだろう?疑問が浮かぶ。
相手の場所を探っていると、騎士が数人いる。
騎士の防具はボロボロだった。
剣は、錆びていて全く手入れがされていない。
上から支給されないのだろうか?
そう考えながら歩いていると、一つの部屋にたどり着いた。
(ひとまず安心だな)
(ここは?)
多くの本が、黒い玄武岩の棚にしまってある。
掃除はされていない。あちこちに蜘蛛の巣があり虫が床を歩いていた。
灯は、火しかなくいつ本が燃えてもおかしくない。
(まずは情報が欲しい)
とても古く設備は錆びているが1冊1冊丁寧に棚にしまってある。
レオナは一冊の本を手に取った。『物質循環と遺伝情報』この本はとても詳しく書かれている。
しかし遺伝情報について研究するのは地上の一部では禁忌とされている。
なぜここにあるのか?
(まさか)
と思いながら本を優しくしまい、目を引いた本を見つけた。『アーサーの伝承』綺麗な状態で残っていれる。この本を目に通してみる。
かって、地獄に勇者が攻めてきた。その勇者は向かってくる魔人を次々に倒していき、ついにはF世代の獄炎の王を、城が殆ど壊れる激戦の上打倒した。彼は獄炎の王を倒した後にこう名乗った
『私の名はハージ・アストレア・アーサー、獄炎の王は打倒した!』
と名乗りを上げた。その「勇者」は、しばらくの間魔人の恐怖の対象として恐れられた。
「ハージさん.....」
足音が大きくなってきたので、書庫に入られる前に外に出た。
騎士達を上手くかわし、二の丸に着いた。
大きさは2m以上だろうか。
大きな、斧を振り回す。魔人。
「おい、どうなっている」
「あの無能共はこんなとこまでこさせたのか
あいつら後で処刑だな
俺の名は
二の丸で守備をしている【ナーガ・ラ・ジース】
お前はここで死ね」