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04話 覚悟

ハージの再生が始まりそこには依然変わりない、ハージの姿があった。ハージには驚きの顔が出ていた。それは、レオナの成長と能力の解放に驚いていたのだろうか。これにてレオナとハージの最後の修業はレオナの勝利という結末に終わった。


「それにしても酷いのう、なにも真っ二つにすることはなかろう」



「すいません、無我夢中で」


「フッフッフッそれもよかろう、お主はワシ勝った、教えることはもうない

ほら、飯でもどうだ」


椅子に座ってご飯を食べる。今回はカレーのようだ。相変わらず包丁の使い方が上手だ。ハージさんは昔何かしていたのだろうか。包丁の使い方が上手の所から剣士とか?拳を使うことからして戦士だろうか?

そうこうしているうちにカレーができた。じゃがいもとお肉がよく入っていてとてもホクホクで美味しい。



「あの一気になってたんですか。

おじいちゃんって一体何者なんですか?」


ハージさんは少しびっくりしていた。こんなことを聞かれるとは想像もしていなかったのだろう。レオナはハージさんの強さと強靱さから気になって反射的に聞いてしまった。


「ワシか......そうじゃな

ブレイバー じゃ」


レオナは困惑の表情を浮かべた。


「種族は龍神族じゃ。」


「あの、上位生命体の?」


「ああ、年は1万から数えておらん」





食事の時間だが、驚きの情報が耳に入りレオナの手はなかなか進まず食事が冷めてしまった。そしてプレイバーとは何かそれがレオナの一番の疑問である。龍神族 10000歳が限界の種族である。

ごく稀に、古代龍神族と言われる10000歳を優位に超える生命体が存在している。

龍神族は自身を代償とした地獄門を開けることができる。地上の上位生命体としては、竜人族 龍神族 超人族 亜神族 etc. となる。


「最近は寿命が近いのか年々衰えておる。だがお前はワシに勝った、誇っていいことだ。」


(俺が、ハージさんに勝った...」


「あ、レオナ聞き忘れおった。お前は次はどうするか決めたか?」


「次ですか、最終的な目的は天界にいって自分がなぜ落ちてきたか、なぜ天界にいたか、など知るために一回、王に会いたいです。」


「なるほどの、天界に行きたいのか。しかし、天界に行くためにはまず地獄に行かんと天界にはいけん。」


「どうしてですか」


「それは、天界に行くには、地獄の閻魔門を通る必要がある。そしてその門の鍵は第Z代 獄炎の王 【フュエルノル】フュエルノルが現在の閻魔門の鍵を持っている。閻魔門を開けるにはフュエルノルの樲城(きょじょう)に行ってフュエルノルを倒さないと鍵は入手できん」


「地獄から天界はわかりました。けれど地上から地獄はどうやって?」


「ふむ、それはワシに任せろ。龍神族は地上から地獄に行ける門を開くことができる。」


「本当ですか、ありがとうございます」


「今から行くか?」


「いえ、少々準備をしてから行こうと思います。」


「わかった」


レオナは小屋を出て、外を散歩し始めた。俺が天界から落ちて中で修業している間、外は2年経っていたらしい、ハージさんから聞いた。この世界に季節は存在しない。理由は分からない。

冷たい風がレオナの頬に当たる、季節はないが気温の高低差は激しい。

 動物は走り草は靡く。レオナは自分という存在が今までどうして生きてきたのか再度考えた。


「天界。」


それは、未知で地獄より地獄の場所。天界は天国というイメージが地上ではあるらしい。

 レオナからすると記憶に残ってるのは、ただの監獄。


「俺は、天界にいって王を倒す。」



レオナの覚悟が決まった瞬間であった。

レオナは先ほどハージさんから聞いた情報を整理した。



「天界に行くためには地獄で門を通っていかなければならない。

地獄に行くためには地上でハージさんに門を作ってもらっていけばいい。」


レオナからすると地獄は本当に未知が溢れている場所である。死ぬことだって当然あり得るのだ。

相手の強さも分からない。構成、配置、地形、相手の能力。

何もかもが分からない。

小屋に戻ると、ハージさんが本を読んでいた。

とても真剣に読んでいるようなので話かけないでおいた。

レオナが帰ったことに気づいたハージさんがこう言った。


「どうだ、覚悟は決まったか」


「はい。地獄にいきます。」


「そうか。」


「ついてくるんじゃ」


そう、ハージさんに言われ小屋の地下室に入った。

地下の道を通る、かなり狭い道でこれは教えてもらわないと絶対わからないであろう。灯があまり付いていないので足元が暗く歩きにくい。

蜘蛛の巣がたくさんある。ならば、かなりこの地下通路は使用していないのだろうか。


(こんな場所があるとは..)


この小屋は本当にすごいものだ。と感心している内にある部屋に辿りついた。

少しの灯が部屋を照らしハージさんが覚悟を決め詠唱を始めた。


「地獄には、龍神の血が必要じゃ」


「?」


「少し後ろに下がるんじゃ」


「はい」


「我は龍神族、我の血を贄とし、我の魂を問とする、地獄の門より発生せし魔の血を鎮めよう、

開け地獄門!!

我はもう長くない......

ここで死んでも代わりないだろう

・・•••・

さあ、早く行け

ワシが死ぬ前に」


レオナはわからなかった。レオナには急展開すぎた。しかし、刻一刻の流れる時間。そして消えていくハージさんの姿。いや魂。









ハージさんの魂が砕けるレオナの周りを光が照らし

光の粒子がレオナを応援するように、祝福するように、送り出すように、周りを照らす。







「ハージさん!!」


レオナが名前を読んでも返事は返ってこない。






レオナは覚悟を決め門に入った。
















「誰かの記憶?」

















「誰かの声」














気温が高い。









「ついたのか、地獄に?」













多くの情報がレオナに流れ込む。










「初めてまして、こんにちは」





「こんにちは」




「私は地獄案内役を勤めさせていただいています。

デイモンと申します。」







眼鏡を上げる。

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