02話 最後の修業
【最後の修業】
「ここは?」
「ここは、ワシの部屋じゃ安心せい。お主が気絶しておったから運んだ。
早速じゃがお主はこの世界の技や流派を知っているか?」
そう、おじぃちゃんが尋ねてきた。
「いえ、知りません」
「なるほど、それではまずそっちの説明からじゃな
この世界、いや新生命地区では7つの大陸に分けられる。ワシらがおる大陸はアズール大陸じゃ。アズール大陸では剣技が多く発達しておる。剣技は剣の基礎を応用したようなものになっておる。
そして、流派は今朧流の一強じゃ。だが今はな。
朧流は朧系が生み出した。流派じゃ。」
城石大陸の西側は全部、朧家の領土である。
朧家は朧流を作った家系である。1000年の歴史を誇る。
だが、最近1000年の歴史が終わろうとしている。
当主は、【ナーバル・ド・朧】である。
「刀の流派はワシはあんまりよくわからん、ワシは拳と剣で解決しておったからな」
「それで、お主は刀の道を進むのか?」
「はい、俺は刀の道を進みます」
「ほう」
「刀はよくわからんが基礎は教えてやろう
先ほど言ったように刀は朧流一強じゃ。朧流の真髄。それは物量、汎用性そして習得可能レベルが平均だと言うことにある。2人に1人は習得可能と言うことじゃ。まぁだからといって強敵に勝てると言う保証はない。あくまで簡単な技のみだ。」
レオナのお腹が鳴る。
「ん、飯にしようか」
おじぃちゃんは意外と家庭的だった。ナイフの使い方はめっちゃめっちゃ上手だし料理の制作工程になに一つ迷いがなく判断能力は全く劣っていなかった。
「ほい、ステーキじゃ」
「あ、ありがとうございます!」
「いっぱい食べるんじゃぞ」
美味しいステーキだ。タレや味付けはなくただ素材の味を最大限に活かしている。どうしようフォークを持つ右手が止まらない。
「よく食べるやつじゃな」
「あのおじぃちゃん一つ質問があるんですけど」
「なんじゃステーキはあげんぞ」
「いや、そういうことじゃなくて
おじいちゃんのお名前をお伺いしてもいいですか。」
少し考えこむおじぃちゃん。覚悟を決め口を開く。
「いいじゃろう。ワシの名前は【ハージ・アストレア・アーサー】かっこいいじゃろ」
「ハージさんとお呼びしていいですか」
「ほほ、そう畏まるではない、いつも通りでよい」
「はい!」
「あ、お主はこの新生命地区にあまり詳しくないと言っておったな?」
「はい」
「ならばそれについて説明しよう。
新生命地区。別名、【クレアドル】と言われておる、なぜクレアドルと言われているかワシにもわからん。クレアドルは一番新しく作られた擬似世界。
と言われる場所だ。故に権力が一番低く戦力も弱い。」
壮大な話にレオナはなかなかついていけなかった。
「おお、すまんすまん、少々話がずれておったな
それでなんの話をしておったかの」
「クレアドルの大陸についてです。」
「おおう、そうじゃったな」
「クレアドルでは、6つの大陸が存在する。それは
アズール大陸
フィーリン大陸
フォルスト大陸
ナール大陸
サキルト大陸
城石大陸
じゃ。先ほど言ったようにワシらはアズール大陸じゃ。ワシは一応、全ての大陸を渡った。一番大変だったのはナール大陸じゃな。ちょっと待っておれ」
と、ハージさんは言い何処かに行ってしまった。
「ほれ、これがこの6つの大陸の地図じゃ。」
地図ではアズール大陸が一番でかいようだ。アズール大陸の南西ではフィーリン大陸が近くにあり北西ではフォルスト大陸が近い。ハージさんが言っていた。ナール大陸というのはフォルスト大陸、フィーリン大陸、サキルト大陸、城石大陸の4つの大陸に囲まれている。
「アズール大陸でっか」
「そうじゃろ、でかいのは男のロマンじゃ」
と、言い準備を始めた。
「よし、それでは訓練を再開しよう」
訓練場に戻り再開した。
2年後
様々な訓練を経て、レオナは高水準のレベルに来ていた。
しかし、一つ。欠点があった。
「くそっなんでまだ能力が開花しない」
ハージさんが近づいてきてこう言う。
「お前はほぼ完成に近い」
少々困惑が隠せないレオナ。
「完成...?まだ、俺は能力も開花していない!俺はまだ何も変わっていない!」
「そんなことを言う気持ちはわかる。
だが、事実じゃ。」
「そんな...」
そして、ハージさんは幸せな笑みを浮かべて言う。
「お主なら人類の上位層に辿り着ける、そう超越者じゃ」
「超越者?」
「そうじゃ、超越者とはその種族の限界を全て極めたもの。お主なら目指せる。高みに。
さぁ 来い。最後の修業じゃ。」