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ガルシア戦記  作者: 千山一
第3巻 親友との誓い
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第3章 他国の事務次官 No.16

俺は怒りの感情を失いつつも、ガストンの弔ってやることを優先に動いていた。

それが船の船上でしかも、少し2人きりの場面である。


「安心しろ。俺は人だからなぁ。ひと思いは殺しはしないから…1本1本切断してやる」


トゥリオ王はもう100mしか近づいていた、ゆっくりと近寄っていった。


「これが理不尽な王なんだなぁ…初めて王が憎いと思ったよ。お前が“殺して下さい!”って言うまで切り刻んでやる」


俺は剣を取り出し、段々とゆっくり近づいた。

とその時である!

油断からか俺は風景が“黒くなった”と思った瞬間、誰か分からないのだが裸絞になり、気絶してしまった。


「悪く思うなよ」


その人物はルジアム帝国で修行していた『ベル・アンダーソン』である。長くて厳しいと言われたルジアム帝国だったが、水の肌に合いずっと住み続けていた。


「おい、急いでこのオッサンを回収!すぐに出るぞ!俺はガルシアと残るよ」


そう言ってルジアム帝国達が素早く、撤収を始めた。そして、ものの3分で回収が終わりサシル共和国へとへ旅立っていった。

もちろん、トゥリオ王は超豪華な牢屋の中である。


「いやーーガルシアが起きてからが勝負だなぁ……」


ベルは頭を“ポリポリ”しながらかき、ドラコと今後どう生きるのかを話し合った。

図体の割にはドラコは怖いのだ……。



ーーー


「ん……ん?……何してんの?」


俺は気がついてビックリしてしまった。

俺が見た光景は、ベルとドラコが1人ずつ土下座しているのだ。しかも、頭を擦りつけて…。


「この度は申し訳ございませんでした!」


よく見たらドラコは土下寝……。ベルは頭を擦りつけて……本当にプライドというはないのか?


「いいよ。正直。あの場面で気を失っていなかったら、どうなっていたこのやら……本当にありがとう」


様子を見て機嫌が悪くなかったのかを確認して、踏ん反りかえった。

“いやいや、ありえんでしょう”


「……なんかイライラしてきたなぁ」


その声が聞こえた瞬間、ベルはすぐ土下座。ドラコに至ってはベルの様子を見て土下寝…本当、面白いオモチャだなぁ。

久々に“人は面白い!”と思った。


「…で、どうすんだよ。トゥリオ2世が居なくなってダマスア王国は存亡の危機。他の人が立候補になったら人材不足、すぐに内乱…。お前は責任取れよ」


俺は“ハッ”して頭を抱えてしまった。

“マジで……もし、ガストンが居たのなら、ガストンに押し付けて、俺は故郷でカレー作りに励んだのに…”


「まぁ、なんとかなるよ。考えても仕方ない!プラス思考!プラス思考!」


ベルは“フーッ”とため息をついた。


「まぁ、俺も行くよ。今後どうするのか俺も聞きたいし…」


“まぁ、興味本位だろうなぁ…”と俺は思った。

こうして首都マルクの街に着く。

俺が予想した通りどうすることも出来なかった。


「お忙しい中、申し訳ございません。ちょっと来て下さい……もちろん、1人です」


マルク城のいの一番に出迎えたのが、秘書のラウルだった。王が不在でラウルは慌てる訳でもなく、淡々とする決定をしている正に職人技であった。


「……はい」


ラウルは一礼をし、ラウルを先頭に3人で向かって歩いていた。やがて、3人は“ピタッ”止まり、こちらの方に向いた。


「申し訳ございません。3人ではなく2人と言いました。よく聞こえていますか?」


“あっ…あかんやつや”

俺は興味本位でしかないベルを他所に黙って歩いていた。もちろん.2人である。


「ここでございます。ここは防音対策がしっかりしてて、ガルシア様と2人で話し合うには最適だと思います。さぁ、中へお入り下さい」


ギギギィ……


部屋に入るとまるで牢屋見たいな、防音をしっかりしてて、なんだか重苦しい感じだった。


「さぁ、どうぞ」


俺はラウルに案内すると向かい合ったソファに腰掛けた。


「単刀直入に言います。王になって下さい!」

「……」


“こうなる事は分かっていた”再び、俺は頭を抱えてしまった。

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