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ガルシア戦記  作者: 千山一
第3巻 親友との誓い
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第3章 他国の事務次官 No.11

マルクの衛星兵は2人1組で見回りをして歩いていた。


「なぁ、今日は何もないから宿舎に帰ろうぜ。ショートカウントしてさぁ」


衛星兵の1人は眠たそうにして欠伸を出した。衛星兵の名は『パブロ・アイマール』。

その姿はズボラで面倒くさそうにしていた。


「そうだなぁ。今日は特に何もないなぁ…」


衛星兵は真面目そうな顔で“キョロキョロ”して注意深く見渡した。もう1人の真面目そうな顔は『ラウル・アルフォンシン』。


「しかし、仕事は仕事!しっかり仕事はしないと!」


ラウルは真面目そうな顔で周囲の街を見渡し、歩いていて、それを見つめていた。それを見たパブロは大きなため息をついた。


「おいおい、ここはマルク城周辺だぜ?スラムならまだしも、こんな環境が良い所で真剣な顔をしちゃいけない。もっと、気を抜けよ!」

「しかし…」


パブロは再びため息をつく。そしてラウルの前に立ち両手を広げて笑顔な顔を見せた。


「ね!今日はサボろうぜ!」


パブロは笑顔でラウルの方に向き合う。ラウルは少し黙って見つめていた。


「……仕方がないなぁ。今日はいいっか!?」

「よっしゃ!」


パブロは全身で“ガッツポーズ”をした。それを見たラウルもパブロの喜んでいる姿を見て微笑んでいた、

突然!!「必ず行くからな!」と男性の声が大きな声を張り上げた。それを聞いたパブロとラウルの2人は真顔で見合わせた。そして、頷くと急いでそちらの方へ駆け寄った。


ハァハァハァ…。


どれぐらい走ったのだろうか?胸が張り裂けそうな鼓動をしていた。

すると、男が突っ立っていた。その男に近寄ると男はナイフを握りしめて血が滴り落ちていた。


「おい、何している⁉︎」


パブロとラウルは身構えた。その男は無言でパブロとラウルに対して向き合った。


「ガストン隊長!!」

「ん?あぁ…」


ラウルは“こんな夜に何を?”と疑問になったが、あえて口には出さなかった。


「ちょっと、強盗に遭ってなぁ。すぐに撃退したから大丈夫だ。あっ、それと害虫は始末したってトップに伝えといてくれ!」


ラウルは凄く慌てた。何故ならペーペーの俺に大事な案件を伝言したのだ。今までこのかた、伝言したことなどないのだ。


「ちょっと待って下さいよ!王の方に直接言った方が早くないですか!?」


それを聞いたガストンは冷たい目線を送った。その発言をしたパブロは“ガクガク”とに膝が震えた。


「失礼しました!すぐに伝えます!」


野生のカンが働いたラウルはすぐさま撤回した。もちろん直立不動である。


「あぁ、頼む」


とガストンは低い声で返事をした。ラウルとパブロの2人は“了解”という合図をし、宿舎へ帰っていった。


「おいおい、なんだよ!」

「知らんわ!」


“本当に分からないのだ”ラウルは今までのことを振り返った。あんなに優しいガストンだったにどうしたのだろうか?


ラウルとパブロの2人はすぐ上司に伝えると、直属のトップ。側近カルロスに伝えられた。


「でかした!褒めてつかわすぞ!」


カルロスは上機嫌になり、いらない所を口走った。衛星兵も“えっ?何が?”と疑問になった。


「…ん?あぁ、ところでお前の部下は近くにいないよなぁ?」

「はぁ……」


“そういえば、近くにはいないはずだ”と言いかけた瞬間、腹から血を流して倒れてしまった。

“パンパン!”

とカルロスは両手を叩きながら合図を送った。次の瞬間、親衛隊はすぐさま駆けつけていた。


「これを始末しろ」

「はっ」


と言ってすぐに死体の処理に取り掛かる。数分後、死体を置いてあった部屋は何事もないような部屋になった。


「処理は終わりました」

「ご苦労!」


親衛隊はカルロスの方へ一礼をしてすぐに撤退をした。


「なんだ?死体か?」


目撃したのはトゥリオ王である。

トゥリオ王が姿を見せるとすぐに一礼をした。


「かまわん、かまわん、なんせ俺とお前の仲だからじゃからな」


カルロスは笑顔になり気持ちを持ち上げた。


「そんなことはないですよ〜。王様なんですからしっかり偉そうにしないと(^^)」

「そうか?」


トゥリオ王は気分良く上機嫌になった。

“へへへ……チョロい”

カルロスも心の中では見下されていた。


「ところで大事なコマじゃろ?大事なおもちゃじゃ。すぐに殺さず大事にするように」

「ははっ」


カルロスは一礼をすると申し訳なさそうな暗い顔をした。


「申し訳ございません!大事に大事にしょうと思うのですが、すぐ壊れてしまいます」


トゥリオ王もそこまで真剣に考えておらず、フォローをした。


「かまわない。マルク兵はコマのようなものじゃ。すぐに壊れて交換する。いわば使い捨てのようなものじゃ」

「それもそうですね」


“ホホホッ”とトゥリオ王 とカルロスの2人は笑い声を轟かせた。


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