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ガルシア戦記  作者: 千山一
第3巻 親友との誓い
86/199

第3章 他国の事務次官 No.3

コンコン。


マルク城。

大きな応接間の中に、でっかいドアがありドアを叩くたびに廊下じゅう、鳴り響く。

秘書のラウルを先頭に、ガルシアとガストンが続く。


「入れ」


秘書は合図と共にドアを押す。すると、100メートルあろうか大きな応接間が現した。


「なんじゃこりゃ……」


俺は思わず見惚れてしまった。それもそうである。マルク城は世界一と呼ばれる、広々とした応接間で貴重な器、何処か暖かな日差しが差し、王様も高すぎず、低すぎず、ちょうど良い位置になっていたらからである。


「では、ご武運を」


ラウルは一度頭を下げてからドアを閉じた。ガルシアとガストンは王様と隣で立っている方へ歩き出し、王様の手前でしゃがんだ。


「お目にかかります。サシル共和国の親善大使、ガルシア・グラスと申します。このような機会を頂きありがとうございます」

「うむ、下がってよいぞ。帰れ」


俺は“こんなにアッサリしてていいのか?”と困惑したが“長引くよりマシだろう”と思い、さっさと帰ることにした。


「はっ」


俺は王様を見てどこか違和感を感じた。

“ん?何か違うぞ”

悟られないようにそっと王様を見る。

“俺の勘違いか?”

頭を傾げつつも、頭を下げ部屋の外に出ようとした。


「これ、ガストン!そちは残れ」

「はっ」


ガストンは再び王様の元へ行った。俺は“じゃ、また”と目を配りながら部屋を出ていった。


・ガストン視点


「王様!いないようです」

「うむ」


トゥリオ2世と呼ばれる王は“ドカッ”と腕組みをしていた。


「フーッ外交は辛抱ならんのう…なんで、あんな奴を連れてきたんじゃ?」

「えっ王様が連れてこいと言われたので…」

「王様になんたる言いぐさ!」


トゥリオ王の隣に立っていたカルロスが激昂のこどく怒っていた。

『カルロス・ロイテマン』

普段ならトゥリオ王と一緒に共にする、コバンザメのようだが、心の内心では密かにトップを狙っている噂だ。


「申し訳ございません!」


ガストンは頭を下げる。


「それに関しては良い。だが、問題はあの男じゃ。あの男、わっちに頭を下げた時、2秒間こちらを向いていた」


ガストンは“よく見ているなぁ”と皮肉を込めて、感心していた。


「こちらを向いていたという事は、王から引き引きずり降ろすかもしれん。そうならない為にも、ガストン!お前の監視が必要じゃ」


ガストンは“トゥリオ王の猜疑心が強いことに飽々していた”だが、トゥリオ王のことは口が裂けても言えない。言えないことに関しては自信があるのだ。


「トゥリオ様が言われたことは絶対だからな!もし、破ったら故郷のファビージャがどうなっても知らないからな」


カルロスは“ニヤニヤ”しながら言った。

“政治的対策とはいえ、王が、しゃべらないことが分かっていたが、ここまで露骨に喋ると見ていて腹が立つ”


「これ、いうでない」

「申し訳ございません。出過ぎたマネをしました」


カルロスはトゥリオ王に向いて頭を下げた。


「よい…ガストンよ。何度でもいうが、その相方が見張っていないか?しっかり監視せよ」

「はっ」


ガストンはトゥリオ王に対して、再び頭を下げてから、立ち上がる。


「命に代えましても、必ずお守りします。それでは監視する為にも送っていきます」


ガストンは“クルリッ”と180度、元の位置を戻り帰っていた。

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